【金塊暗流】(下) 水際阻止、人手の壁

20170705 08
福岡市の福岡空港国際線ターミナルの税関検査場には、1日平均8000人ほどの入国者が押し寄せる。平日の今月12日午前、検査場は仁川や台北等から到着した700人を超える外国人旅行者らで溢れていた。「申告すべき物品はありますか?」「どこから来ましたか?」。横一列に並ぶ検査レーンでは、税関職員が、旅行者のパスポートと“携帯品・別送品申告書”を確認していた。早い人で僅か十数秒。入国手続きの円滑化と密輸の監視強化を両立する為、税関は航空会社から搭乗者情報の提供を受ける等し、不自然な渡航歴があったり、行動が不審だったりする旅行者について、荷物チェックや金属探知機での身体検査を行う仕組みだ。“金の密輸は必ずばれる”――日本語と英語で書かれたポスターが検査場内に貼られていた。相次ぐ金塊密輸事件を受け、財務省が3月から各空港に掲示した。韓国語と中国語のものもある。しかし、検査では国内の治安に関わる銃器や覚醒剤等の発見に重点を置かざるを得ず、門司税関職員は「限られた人員で金塊に的を絞った対策を取るのは難しい」と明かす。訪日ブーム等で外国人旅行者数が急増していることを受け、2015年の入国者数は3610万人を超え、2005年(2491万人)から4割以上増加した。一方で、税関職員の定員は同期間に5%しか増えていない。税関関係者は、「一般人がアルバイト感覚で運搬役になるケースも起きている。全ての人に厳しい検査を行うのは、事実上、不可能だ」と溜め息を漏らす。

金塊の密輸が後を絶たない背景には、暴落のリスクがある株式等に比べ、“安全資産”とも称される金価格の上昇がある。2000年以降、低所得者向け融資が焦げ付いたサブプライムローン問題やリーマンショック等の金融危機で、景気の先行きに不透明感が増し、金市場に資金が流れ込んで価格を押し上げた。大手貴金属販売会社『田中貴金属工業』(東京都千代田区)によると、一昨日の小売価格は1g当たり4889円で、1014円だった2000年平均価格の4.82倍に値上がりしている。金の価格が上がれば、密輸で納税を逃れる一方、売却時の価格に上乗せされている“消費税8%分”の利鞘も増える。そして、金塊の没収が、前提の韓国等に比べ密輸発覚時のリスクが低い――。日本が密輸グループに狙われる要因は、そこにある。密輸が発覚した場合、税関は関税法に基づき、一時的に金塊を差し押さえ、その相当額や組織性等の点から、行政処分にするか刑事告発するかを判断する。行政処分の場合は1000万円以下の罰金だが、納付すれば金塊は手元に戻る。一方、告発された場合は10年以下の懲役または1000万円以下の罰金が科せられ、過去に密輸を繰り返していたこと等が判明すると没収されることもある。ただ、実際には告発に至るケースは少ない。財務省によると、2015年7月~2016年6月に摘発された294件のう内、告発は9件に留まる。金塊を没収したのは僅か5件。同省は、「金塊を国内に持ち込むこと自体は禁じられておらず、基本は行政処分」と説明する。「金塊の密輸が反社会勢力の資金源となっている」。今月7日、衆議院内閣委員会で答弁した三木亨財務政務官は、危機感を示した。財務省は、税関審査の厳格化や罰則引き上げの検討に乗り出し、密輸品の流通経路の解明も進める方針だ。急増する入国者に税関審査が追いつかず、金塊が没収されることも少ない“ローリスク”の日本。早稲田大学の久保田隆教授(国際金融法)は、こう警鐘を鳴らす。「金塊が密輸されることによって、国は本来、納められるべき税金を取り損ねている。国家の損失であり、被害者は国民全体だ」。


※本文由李的博多居民提供。谢谢。
⦿読売新聞西部本社版 2017年6月18日付掲載⦿
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