【誰の味方でもありません】(09) 6月の花嫁の物語

6月だったこともあり、立て続けに友人の結婚式があった。どれも幸せそうな結婚式だったが、いきなり縁起でもないことを言う。日本の離婚率は約3割である。少なくない夫婦が離婚を選ぶということだ。ある投資家が、離婚しそうなカップルの見分け方を教えてくれた。結婚式で、両家の友人の行動を観察すればいいというのだ。元々、共通の友人が多かったり、自然と交流が生まれたりしている場合は、結婚が長続きする確率が高い。一方で、新郎新婦の人間関係や文化が違い過ぎる場合は、残念ながら離婚することが多いという。多分に誇張を含んだ離婚判別法だと思うが、確かに文化の違う人々が家族となり、親戚になるのは大変だ。“玉の輿”という言葉があるが、実際はお金持ちはお金持ち、名家は名家と結婚することが多い。資産だけではなく、教養やセンスという意味を含め、“階級”を超えた結婚は難しいのだ。抑々、離婚の前に結婚しない日本人が増えている。戦後暫くの日本では、生涯未婚率が1%台。“世界一結婚好きの民族”なんて呼ばれていたこともあった。しかし、今やこの国の生涯未婚率は2割近く。若者世代だと男性の3割、女性の2割が生涯結婚しないと推測されている。僕の周囲にも結婚しそうにない男女が溢れている。ある人はこんな説を唱えていた。「結婚しないことは進化である」と。

嘗て人類は、集団でないと生活ができなかった。それが歴史と共に独立した家計を持つ“核家族”が誕生し、更に近年では単身者でも豊かな暮らしを送れるようになった。昔ほど独身者も後ろ指差されたりしないしね。1人で生きて、1人で死んでいくことは、人類の最終形態であるというのだ。確かに、独り暮らしは快適だ。僕も仮に結婚するとしても、パートナーと玄関は分けたいと思っている。同じマンションに住むのくらいはいいが、家に帰った時、誰かが自分を待っているを想像すると、ぞっとしてしまう。年を取ってからも、既に長い間一緒に暮らしたパートナーと地味な余生を送るよりも、ドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系)のような場所に住むほうがよっぽど楽しそうだ。こんな話をすると、「そんな若者が増えているから婚姻率が下がり、少子化が進むんだ」と言われることがある。が、流石に僕は多数派ではない。少子化は、日本の子育て環境があまりにも酷いこと等に起因する複合的な問題だ。何はともあれ、結婚した友人たちには幸せになってほしいと思う。勿論、結婚の続くことが幸せな2人もいれば、離婚したほうが幸せというカップルもいるだろう。嘗て離婚がタブーの時代があり、嫌々ながら夫婦生活を送った人々が多かったことを考えれば、離婚率の上昇は決して嘆くことではない。結婚や離婚の自由度の上がった現代社会は、まんざら悪いものでもない。まぁ、こんなことを言っているから、いつまでも結婚できないんだろうな。


古市憲寿(ふるいち・のりとし) 社会学者。1985年、東京都生まれ。東京大学大学院博士課程在籍。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。著書に『希望難民ご一行様 ピースボートと“承認の共同体”幻想』(光文社新書)・『絶望の国の幸福な若者たち』『誰も戦争を教えてくれなかった』(共に講談社)等。


キャプチャ  2017年7月6日号掲載
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