【有機EL&半導体バブル】(03) 電機メーカーでテレビ参入相次ぐ

20170710 09
『ソニー』・『パナソニック』・『東芝』・『船井電機』――電機各社が有機ELテレビの発売を表明している。6月10日には、ソニーが有機ELテレビを国内で発売する。「現実世界により近い黒や明るさの表現が可能になった」として、画像の美しさを売り物にしており、想定価格は55インチ(※対角線約140㎝)で税別50万円前後。『LGディスプレイ』(韓国)から白色有機ELパネルの供給を受ける。実はソニーは、有機ELテレビは10年ぶりの再参入だ。但し、2007年に発売した有機ELテレビは、自社製の世界初三原色独立発光方式パネル採用という画期的な製品だった。今も当時も、三原色独立発光方式のパネルは大型化が困難だ。ソニーは11インチ(※対角線約28㎝)型の小型しか量産できなかったとみられ、小型なのに20万円という価格が消費者に受け入れられず、あえなく撤退した苦い経験がある。一方の白色有機ELは、大型での量産が可能なものの、「三原色独立発光方式に比べて画質が落ちる」(『服部コンサルティングインターナショナル』の服部毅代表)のが難点だった。今回、白色有機ELで再参入した理由を、ソニーは「パネルの性能・価格が納得いくレベルに達したから」と説明する。テレビ用の白色有機ELパネルは、世界でLGのみが供給している。日本勢の相次ぐ参入の起爆剤になったのが、『LG電子』の有機ELテレビだ。

LGは、グループ内で製造した白色有機ELパネルをテレビに搭載し、2013年に発売した(※日本は未発売)。発売当初は「画面が曲面になっている」と売り出したが、商品コンセプトや、55インチで1万2000ドル(※当時のレートで約120万円)という価格の高さが受け入れられなかった。その後、画面を平面にする戦略に転換して、「薄型や色のコントラストが利いている」「省電力」等と地道にアピールしてきた。この間、LGディスプレイのパネル量産技術も発達して価格が低下。これに伴って値ごろ感が出てきた。昨年末のアメリカの年末商戦(ブラックフライデー)では、店頭価格が55インチで2000ドル(約22万円)前後に落ち着き、販売が好調だった。日本にも2015年に進出した。『東芝映像ソリューション』も、有機ELテレビを3月に国内で発売した。また、『船井電機』も『ヤマダ電機』と組んで2018年にも発売する。こうした参入ラッシュで、2017年の有機ELテレビ出荷台数は前年比倍増の130万台になることが予想される(※『IHSテクノロジー』調べ)。各社が有機ELテレビに参入する理由について、『東レ経営研究所』チーフアナリストの永井知美氏は、「値崩れが激しい液晶テレビに比べて、有機ELテレビは当面、高利益率が見込めるからでは」と分析する。業界関係者によると、55インチならば有機ELテレビの価格は液晶テレビに比べて2倍以上だ。但し、目新しさがいつまで続くかには注意が必要だ。電機メーカーはこれまでも、プラズマディスプレイや3次元等、新たなテレビの形を定着させようと試行錯誤しては失敗してきた。『早稲田大学ビジネスクール』の長内厚教授は「テレビのイノベーションは、リモコン・カラー化・ブラウン管から液晶への転換くらい。それぐらい、イノベーションを定着させるのは難しい」と指摘する。日本の電機メーカーが、液晶テレビ事業で新興国勢との価格競争に巻き込まれた記憶も生々しい。高画質の動画が見られるスマートフォンの普及も強烈なライバルだ。付加価値を如何に維持するのか、過去に繰り返されきた課題は、有機ELテレビでも問われる。 (取材・文/本誌 種市房子)


キャプチャ  2017年6月13日号掲載
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