【Test drive impression】(28) 『ボルボ XC90 T5 AWD Momentum』――販売目標2倍超のヒットを記録! XC90の実力とは!?

新車販売において益々存在感が増しているSUV。冒険的なキャラクターは頼もしくもあり、最近では各ブランドの特徴を生かしたスタイリッシュなモデルの登場が目立つ。女性の目から見れば、SUVは世の男性を3割増しで男前に見せる。ところで今、勢いに乗っている輸入ブランドといえば、スウェーデンの自動車メーカー『ボルボ』。2016年の日本の新車登録台数は、前年比7.8%増となる1万4543台。内訳は、コンパクトハッチバックモデルの『V40』がボルボの販売全体の約4割を占めているが、彼らの嬉しい誤算だったのは、昨年1月登場の『XC90』が販売目標の2倍以上となる1023台も売れたこと。一体、何がそんなに日本人の心を捉えたのか? 一目見て最初に心を奪われるのは、新世代のボルボを象徴するスタイリング。ボルボの車名の数字は車格を意味するが、“90”はボルボにおいて最上級のフラッグシップシリーズを指す。大柄で厚みのあるボディーは、重厚感があって包容力も満点。ところが、そのディテールときたらどうだろう。ボディーパネルは彫刻作品のように美しく、武骨な類いのSUVとは180度異なる存在。フロントフェイスは力強い中にも、知的でエレガントな雰囲気を醸し出している。特徴的なのは丁字形のポジションランプをあしらったヘッドライトで、北欧の神話に登場する雷神のハンマーがモチーフだとか。

一部のドイツ車のようなギラギラとした装飾や迫力はなく、品格漂う神秘的な佇まいが成熟した大人の色気を醸し出す。えも言われぬ空気に、思わずクラリとなる。もっと狡いのは、北欧ブランドならではの温かみのある空間作りと高品質なインテリアの設え。インパネ回りにはウォールナット、バーチウッド、アルミニウム等の本物素材をあしらったパネルを贅沢に張り巡らせている。体を立体的に受け止めるシートは、疲れ難い姿勢をホールドしてくれる機能性を備えており、表皮は手触りのいいナッパレザーや本革が用意されていて、温かみのあるブラウン系やライトグレーのニュアンスカラーも設定されている。驚いたのは、シートやインテリアトリムと同じ素材があしらわれたリモコンキーが用意されていること。クルマから離れている時も、美しい作品を手にしている喜びを与えてくれる。更に、車両の様々な設定は、インパネに埋め込まれた9インチのタッチスクリーンで操作を行う。ハンドルのスイッチを押して話しかければ、音声認識でナビの目的地設定等も行える。北欧のクルマらしく、手袋を嵌めていても使える操作パネルは、人間を置いてけぼりにしていない感じがして嬉しい。最新世代のインフォテイメントらしく、スマホを繋げば手持ちの音楽再生やインターネットのブラウジングも可能で、『Apple CarPlay』にも対応している。

更に、オーディオファン必見なのは、Bowers&Wilkinsプレミアムサウンドオーディオシステムが設定されていること。1400W・19スピーカーが配置されるが、イェーテボリのコンサートホールの理想的な音響環境を、このクルマ専用にチューニングを施して再現。高品質で温かみのある北欧インテリア、寛ぎの空間は最早、ファーストクラス並み。新設計されたプラットフォームは、フラッグシップSUVに相応しい快適性と抜群の操縦安定性を齎してくれる。車体は全長4.95m・全幅1.93mと大きめだが、車体の動きをコントロールし易いことがクルマを小さく感じさせる。2リッターエンジンにターボを搭載したエンジンは、低速から力を発揮して、重量級ボディーをゆったり走らせるのには十分なパワーユニットだ。アクセルペダルを踏み込めば、上り坂をスポーティー且つスピーディーに駆け上がっていくレスポンスの良さを披露。重心が高いモデルでありながら、峠道では車体を一定のリズムでロールさせながら、思い描いたラインを辿っていける。クルマの動きを手中に収められる走りは、安心感を与えてくれるし、後席は路面の継ぎ目やうねりの乗り越えで不快感を感じ難く、長距離移動も快適に過ごせそう。安全面では、ボルボ独自の予防安全装備が満載だ。衝突被害軽減ブレーキ機能は、前走車・歩行者・自転車まで対応。被追突時に前席をスライドさせて鞭打ち障害を軽減する機能等、多彩な先進安全装備が標準装備となる。大切な人とリラックスして人生を楽しむクルマとしては、とびきり贅沢な選択肢になるのではないだろうか。


藤島知子(ふじしま・ともこ) 自動車ジャーナリスト・レーシングドライバー・『日本カーオブザイヤー』選考委員。1975年、神奈川県生まれ。文教大学女子短期大学英語英文科卒。レースクイーンやレーサーを経て、2002年より執筆活動を開始。『クルマでいこう!』(テレビ神奈川)にレギュラー出演中。


キャプチャ  2017年7月17日号掲載




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