【1強惨敗】(上) 慢心、長期政権に暗雲

自民党が東京都議選で歴史的惨敗を喫したことで、“安倍1強”が揺らぎ始めた。政局の行方を探る。

20170711 04
自公党首会談を急遽呼び掛けたのは、安倍首相のほうだった。首相官邸での政府・与党連絡会議の後、公明党の山口那津男代表を首相執務室に招き入れた。政権運営への協力を重ねて要請する首相に、山口代表は2012年の第2次安倍内閣発足時の連立政権合意に触れ、「合意書に『決しておごることなく、真摯な政治を貫く』と書かれています」と切り出した。山口代表が続けて、「首相が仰る『謙虚に説明書任を尽くす』という姿勢をしっかり保って頑張って頂きたい」と念を押すと、首相は頷いた。驕りの代償は衝撃的な敗北だった。選挙戦最終日の今月1日夕、首相は初めて街頭演説に立ったJR秋葉原駅前で“安倍やめろ”コールを浴び、異様な雰囲気に包まれた。激しい野次が飛ぶ事態を避ける為、街頭演説を見合わせてきた首相だったが、政権への風当たりの強さを肌身に感じ、「街頭に出てよくわかったよ」と周囲に語った。

それでも、過去最低の23議席にまで落ち込むとは予想しておらず、「直ぐに国政選挙があれば政局になっていたかもしれない。不幸中の幸いだ」とも漏らしている。2012年12月に政権に返り咲いてから4年半。野党に転落していた頃の記憶は薄れ、知らず知らず首相官邸には慢心が蔓延っていた。国会を軽視し、多くの疑惑について説明責任を十分に果たしているとは言い難い。石破茂氏(前地方創生担当大臣)は都議選の結果について、「都民ファーストの会が勝ったのではない。自民党が自滅しただけだ」と突き放した。“安倍1強”下で、来年9月の自民党総裁選での首相の3選は既定路線とみられていた。だが、潮目が変わる可能性がある。首相と距離を置く村上誠一郎氏(元行政改革担当大臣)は、「最早、国民の信用は取り戻しようがない。張本人の責任が問われるべきだ」と語り、公然と“安倍降ろし”に言及した。2020年施行を目指す憲法改正の日程も危ぶまれる。首相は今秋の臨時国会に自民党の改正案を提出する考えを表明したが、船田元氏(自民党憲法改正推進本部長代行)は「自民党案を押し付けることは国民の反発を受ける可能性がある」と、性急な議論に異議を唱える。首相は4年半で経済の立て直しに力を入れ、外交でも一定の成果を上げた。だが、今回の厳しい審判結果を政権運営に生かせなければ、長期政権は覚束無い。「劇的なホームランは無い。耐えてヒットを打ち続けるしかない」。党執行部の1人は呟いた。 (政治部 芳村健次)


⦿読売新聞 2017年7月4日付掲載⦿
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