“安倍の威を借る狐”萩生田光一の正体――遠回しな言い方でテレビ各局に圧力、内部告発者に頼るマスコミの情けなさ

20170712 01
昨年3月、安倍政権に批判的なテレビキャスターやアンカーたちが一斉に降板した。『クローズアップ現代』(NHK総合テレビ)の国谷裕子氏、『報道ステーション』(テレビ朝日系)の古舘伊知郎氏、『NEWS23』(TBSテレビ系)の岸井成格氏…。表向きは、任期が長くなったこと・自発的な辞任・編成や契約の都合等、当たり障りの無い理由が並べられたが、それまで3人とも政権から露骨に不快感を示され、岸井氏は背後勢力の怪しい組織的嫌がらせも受けていた。辞めた時期が揃い過ぎたことと併せ、政治的な臭いを嗅ぎつけないほうが難しい。各局内で交代に向けた調整が始まった頃、各局幹部が個別に首相官邸に呼ばれた。呼び付けたのは萩生田光一官房副長官(※左画像)。「おたくの番組のあの人、発言が偏向しているよ」。関係者たちの証言を総合すると、萩生田氏はくだけた話しぶりで官邸が心証を害していることを述べ立てたが、具体的に何をどうしろと要求はせず、何度か遠回しに尋ねた。「どうするつもりなの?」。あくまで各局の“自発的対処”を促す話法である。各局幹部ともたまりかねて口走った。「番組が変わったと誰にもわかる姿をお見せできるように、現在、検討していますので…」。未だキャスター本人に交代を内示する前、後任を絞り込む微妙な時期だったが、フライング覚悟で官邸の歓心を買う誘惑に負けてしまったのだろう。

驚いたことに、その日のうちにキャスター交代の観測情報が政権寄りの複数メディアに流れ、問い合わせが始まった。各局は対応を加速させた。某局幹部は後日、「のこのこと官邸へ尻を叩かれに行ったようなもんだ」と自嘲した。話はもう一枚ある。実は、某局から後任を打診された著名ジャーナリストが、菅義偉官房長官に「選ばれそうです。その暁には宜しくお願いします」と、早手回しに挨拶の一報を入れていたのだ。言外に「自分は官邸と友好的にキャスターを務める所存です」と口頭で証文を差し出す含みが読み取れる。その局の幹部が萩生田氏に呼び出されたのは、直後のことであった。扨て、この顚末に“政権の圧力”はあったのか? 「テレビドラマや娯楽小説のようなわかり易い圧力は無かった」と言えるかもしれない。だが、やはり「圧力はあった」と言わなければならない。というより、実際の圧力とはこのように行使される。権力の圧力は、権力側から要求を突きつけて従わせるのではない。圧力に屈する側に忖度させて、“想像上の圧力”を先取りさせ、先ず自発的に対応させる。権力側は、事が動き出してから敢えて駄目押しの尻叩きを見舞い、証拠の残らない“心理的圧力”を刻印するのである。やや旧聞に属しかけた秘話を持ち出すのは他でもない。安倍政権を逆風に曝す『加計学園』疑惑で、2つの問題がクローズアップされているからだ。1つは、安倍晋三首相の意向・指示はあったのか? キーパーソンに浮上したのが萩生田氏だ。もう1つ、疑惑と並行して一強政権と一部メディアの関係も、政権の体質を考える上で看過できない問題になっている。文部科学省の前川喜平前事務次官は先月23日、単独インタビューを除けば約1ヵ月ぶりに『日本記者クラブ』で記者会見に応じ、安倍政権への“忖度メディア”を真正面から批判した。読売新聞が“出会い系バー”に出入りしていたことを大々的に報じたのは、「個人攻撃で、背後に官邸がいたと思う」と指摘。また、「最初に自分をインタビューしたNHKが未だに放映せず、文科省文書の核心部分を自主的に黒塗りにして報じたのは不審だ」と不満を述べた。更に、元TBS記者で露骨な政権擁護のコメントをしてきた政治評論家・山口敬之氏の性犯罪が、官邸にいた警察官僚に揉み消されたとされる疑惑も引き合いに出し、「国家権力とメディアの関係に不安を覚える。メディアの自浄作用に期待したい」と主張した。

20170712 02
会見場には読売やNHKの記者もいて、質問も出たが、反論や釈明は何も無かった。最近、菅義偉官房長官を記者会見で厳しく問い詰めて勇名を馳せる東京新聞の社会部記者は、「いくら追及しても埒が明かない。真相究明の方法があれば教えてほしい」と前川氏(※右画像)に訴え、小さな失笑が起きた。前川氏のメディア批判も深刻だが、もっと重症なのは、何を言われても我が事と受け止めない一線記者たちの沈黙、内部告発者頼みの取材姿勢だ。2014年の衆院選の時、自民党筆頭副幹事長・総裁特別補佐・選対事務局長だった萩生田氏は、テレビ各社の自民党キャップ(取材班責任者)を1人ずつ呼び出し、“一層の公平中立な報道を求める”異例の文書を手渡したことがある。要請・注意の形式を取った露骨な圧力だった。安倍官邸は、首相・官房長官・今井尚哉首席秘書官も、権力者たちが其々の手法でメディアを懐柔・排斥して圧力を行使してきた。その積み重ねは今や、一強体制の構造基盤の一角を構成していると言っても過言ではない。読売の憲法改正を巡る首相インタビューは、究極の姿だろう。その中で、萩生田氏はやり方が最も泥臭く、相手は専らテレビだった。それこそ、“官邸最高レベルの意向”に沿った役割分担を想像させる。だが圧力は、権力側の一方的な働きかけだけでは成り立たない。メディア側の協力が不可欠だ。TBSは、山口氏の性犯罪事件に何故沈黙しているのか? 事件は山口氏の在籍中に起きた。同局は、山口氏と官邸の蜜月関係に手を焼いていた。局の幹部たちは、この刑事容疑事件と不起訴処分を知っていたが、当時、HD社長交代や看板キャスターの降板等で、政権との微妙な間合いに腐心していた。ドラマ物の高視聴率に浮かれ、報道の看板を下ろすのか?


キャプチャ  2017年7月号掲載




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