【南鳥島に注目せよ!】(15) 沖縄の近海は海底熱水鉱床の宝庫

20170712 08
沖縄近海では近年、続々と有望な海底熱水鉱床が発見されている。『石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)』が1995~1999年度に行った調査で発見したのが、沖縄海域伊是名海穴にある通称“Hakureiサイト”。高精度の地形調査や海底電磁検査、121本ものボーリング調査等により、海底表層部だけで340万トンの資源量があると推測されている。そして2014年7月には、沖縄本島北西沖にある伊平屋小海嶺周辺の海域で、通称“野甫サイト”を発見。この調査には、第9回でも解説したマルチビーム音響測深が用いられている。これで海底熱水鉱床の大まかな位置を推測し、その後に自律型無人探査機による音波調査を行うという二段構え。その後の調査でも、この調査法は成果を上げ続けている。そこで発見されたのが、海底に存在する複数の柱状構造物。これは“チムニー”という、海底熱水活動によって海底に生成される硫化鉱物の塊だ。その形状がまるで煙突のようであることから、こう呼ばれる。

また、成長したチムニーが倒壊して、硫化鉱物の塊が海底に地積していったものを“マウンド”と呼ぶ。硫化鉱物が長年に亘り海底に堆積していく過程で、まるで丘のような地形ができあがるのだ。野甫サイトでは、南北1㎞×東西600mの範囲にマウンドの分布を確認。その中央部では、直径100m・高さ30mという巨大なマウンドが確認されている。左上表は、ここで採取された鉱石の分析結果を纏めたものである。特筆に値するのが、銅・鉛・亜鉛といったベースメタルだけでなく、貴金属である金や銀を豊富に含んでいること。過去にHakureiサイトで採取された鉱石と同様の傾向で、こちらも大いに期待が持てる結果と言える。この年には野甫サイト以外に、通称“こんどうサイト”も発見された。第3久米海丘周辺で海上保安庁が見つけたものだ。この勢いならば、沖縄近海だけでも発見がまだまだ期待できそうである。そして、開発に向けた実証実験が2017年夏にも実施される予定なのが、資源量等の調査が最も進んでいるHakureiサイト。政府から実証実験を委託されたのはJOGMECだ。最新鋭の海洋資源調査船『白嶺』を投入し、ここから下ろした掘削試験装置で海底熱水鉱床を5㎝程度の大きさにまで砕いて採鉱。砕かれた鉱石は、別の船から鉄製の管を下ろして、ポンプの圧力を利用して吸い上げて揚鉱するというプランである。採取した鉱石は秋田県の実験プラントに輸送され、含有する鉱物の分離・精錬等が行われるという。海底での採鉱から船上への揚鉱までが通して行われる予定で、これが成功すれば、日本は海底熱水鉱床の開発において世界をリードする存在となる。世界が開発へ向けて大きく動き始めているだけに、大きな注目を集めるのは間違いない。


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