2017年春・新歓コンパで調子に乗る大学生たちを未成年飲酒で通報しちゃいました!

新学期――。それは、キャンパスライフに胸時めかせた新入生と、サークルの先輩がくんずほぐれつする新歓コンパの季節。けしからん! っていうか、未成年がお酒飲んじゃダメだよね? よーし、若い男女の乱痴気騒ぎを、“正義の心”でお巡りさんに通報だ! (通報者/フリーライター兼編集者 建部博)

20170713 07
またこの忌々しい季節がやって来てしまった。ガキどもが我が物顔で街に繰り出し、ユーモアの欠片も無いのに、ぎゃあぎゃあと楽しそうに騒いでは居酒屋に入って行く。店内でも酒やら飯の味なんてわからないもんだから、安いコースの食い物に舌鼓を打ち、ビールの名を借りた発泡酒で貧弱な舌を満足させ、「自分たちはもう大人なんだ!」とアホみたいな勘違いをひけらかす振る舞い。毎年のことながら気分の悪い光景――。そう、大学の新歓コンパのことだ。筆者は仕事柄、高田馬場周辺に出向くことが多い。この時期の高田馬場は、早稲田大学の学生を中心としたクソみたいな連中が次から次へと沸いてくる地獄の街へと変貌を遂げる。何で真っ当な社会人である我々が、ガキどものしょうもない背伸びのせいで気分を害さなきゃいけないんだ。あーイラつく、マジで。そこで、ヤツらをギャフン(※死語)と言わせるべく、真の大人として“やるべきことをやる”ことに決めた。連中が行う新歓コンパは、新入生をサークルに勧誘することが目的だ。つまり、大学に入学したての子らが多数参加している訳で、その中には少なからず未成年が紛れ込んでいる。未成年を連れ回して酒を飲んでいるなんて言語道断、ゲスの極み。大人の義務として、おまわりさんに通報してやるしかないのだ。よーし、待ってろよクソガキども。国家権力の前に平伏すがいい!

週末、JR高田馬場駅前、18時。いるわいるわ、アホ面でサークル名の書いたボードを掲げるガキんちょたちが。ざっと100人前後が駅前でワイワイガヤガヤやっている。扨てと、未成年に酒を飲ます悪質極まりないグループはいないかな、と…。おいおい、マジかよ。ご丁寧にも“●●大学1年 ゆかり”と胸にシールを貼ってくれているじゃん。このグループの1年生は4~5人はいる。若しかしたら何浪もして入学した1年生である可能性も否定できないけど、そのあどけないフェイスはどうみても未成年にしか見えない。よーし、おじさん、君たちについて行くよ! 集合時間が過ぎたのか、20人ほどの一行が飲み屋街へと歩き出した。作戦としては、一緒に店に入り、未成年が酒を飲んだことを確認したところでポリスに電話を入れるというめっちゃシンプルなものだ。連中が居酒屋に入って行く。少し時間を置いて入店してみれば、レジ前には宴会席の予約表が。なになに、テニスサークルか。そういえば、店も未成年がいることぐらいは知っているだろうし、飲酒させることがいけないのもわかっている筈だよな。犯罪の片棒を担ぐ行為ですよ、これはいけませんよー。「それでは自己紹介から始めていきましょう!」。幹事らしき上級生のかけ声をきっかけに、長い長い無駄な時間が過ぎていった。「趣味はゲームです」だの、「新入生の皆には、僕が東京の楽しいスポットを教えていきたいと思います」だのと、上級生が何か言う度に新入生たちが拍手を飛ばしている。あんな若い子たちに、社交辞令とはいえチヤホヤしてもらえるなんて、羨ましいなぁ。あー、通報してぇなぁ。漸く乾杯となり、グラスを傾け始めた学生たち。一応、1人ひとりが飲んでいるドリンクをチェックしてみたが、殆どがビールを飲んでいるのでアウトと言っていいでしょう。手前に座っている1年生女子なんて、誰に言われるでもなく一気飲みしているし。残念ながら通報案件ですね。ピッポッパッ。スマホで3つの数字をプッシュします。「事件ですか? 事故ですか?」。おー、緊張感あるね。「高田馬場の居酒屋にいるんですけど、未成年の子たちがお酒を飲んでいてー」「未成年ですか? どうしてわかるんですか?」「胸に大学名と学年の書いたシールを貼っているので。これヤバいと思いますよ。未成年の女の子も酒をグビグビいっちゃっていますし。何か大変な事件になる前に来て下さい!」。電話の向こうにいるおまわりさん(?)が「確かに拙いですね」と相槌を打ってくれ、店の名前や住所を尋ねてきた。来てくれるんですね! 「お電話もらっている方のお名前宜しいですか?」「あ、佐藤です(嘘)」「佐藤さんは現場でお話聞かせてくれますか?」「えーと、僕はもう帰らなきゃいけないので…」「わかりました。では直ぐに警察官を向かわせます」。危ねぇ。面倒なことに巻き込まれるのは御免ですよ!

20170713 08
“直ぐに”という言葉は本当だった。僅か5分後におまわりさんが2人、店に入って来たのだ。店員との会話に耳を欹てる。「未成年がお酒を飲んでいると通報があったんですけど」「いや、それはないです」「学生さんのグループいらっしゃいますか?」「…えぇ、いますけど」「20歳未満の学生がお酒を飲んでいますか?」「いえ、身分証明書をチェックしていますので…」。そんなことしていないじゃないの。嘘はダメよ嘘は。警察官が学生たちのほうへ。何が起きたのかわからない様子の連中は無言だ。けっ、いい気味だ。「幹事さんいる?」。女子学生が1人呼ばれ、代表して話を聞かれている。「通報があったから来たんだけどね、未成年の子にもお酒を飲ませている?」「いえ、飲んでいるのは20歳を超えている学生だけで」「未成年の子は何を飲んでいるの?」「ソフトドリンクです」。何だその見え透いた嘘は。今、この瞬間も、1年生女子の前にビールのグラスが置いてあるじゃん。続けて警察官が2人ほどに声をかけ、身分証を確認して帰り支度を始めた。いや、甘過ぎない? 全員の身分証チェックと、飲酒運転のチェックみたいにスーハーやらせなさいよ! 外に出た警察官を追いかけた。「あの、未成年はお酒を飲んでいなかったんですか?」「えっ? いや、未成年にはソフトドリンクを飲ませていたみたいなので。真面目な学生さんたちでしたよ」「でも、1年生が飲んでいるとこ見たんですけど…」「今後も疚しいことをしないように注意しましたから」。そのまま去っていくポリスたち。店に戻ると、学生連中もぞろぞろと出口に向かっていた。「2次会は無しにしようか」「何かテンション下がっちゃったね」…ふむ。誰も連行されないのには納得いかないけど、ヤツらの輿を削ぐことには成功したみたいだし、ここらで勘弁してやるか。

再び駅前に戻れば、学生たちの狂乱は勢いを増していた。ったく…。1人がどういう訳かパンツ一丁になっており、周囲の学生がそれを見て笑いながら写メをパシャパシャやっていて、この空間には知的な人間が1人もいないことを確信する。そんな中でまた、学校名と学年の書いた胸シールを貼った子たちの集団を発見。様々な学校名があることと、サッカーのユニフォーム姿がちらほらいることから、フットサルのインカレサークルであると思われる。全部で30人はいるだろうか。未成年も間違いなく紛れている。彼らについて行くと、チェーン居酒屋の座敷席に入っていった。と、上級生らしき男子学生が店員と親しげに話している。「今日は休み貰っちゃってすいません。大人数ですけど、騒ぎ過ぎないように注意しますんで」「いいんだよ。今日は楽しくやってくれな」。どうやら彼、ここでアルバイトをしてるようだ。店長か何かに媚びる為に、新歓の団体客を連れてきましたってか。いつもお世話になっているお礼ですってか? 偉いねぇ。学生の団体客なんてどうせ安いコースなんだし、騒ぎまくって煩いし、トイレは汚すだろうし。あー、トイレでいちゃこくバカもいるだろうな。他の客に迷惑だわ。店長さんも可哀想に。ったく、これだから学生さんは。早速、ピッチャーに入ったビールと安ツマミが席に運ばれていく。「それでは、○○の新歓に来てくれた新入生の皆に、カンパーイ!」。よし、飲酒チェックといきますか! どれどれ、うんうん、1年生の中にはソフトドリンクの子もいるけど、明らかにビールを飲んでいる幼顔もいる。はい、条件は満たしましたね。もうちょっと盛り上がってきたタイミングで通報してあげるとしましょう。それにしても、コイツらの席順は何だ? 新入生の女の子を先輩男子数人が囲んでいる。美人の周りに男が群がるのはわかるけど、片桐はいり激似の新入生女子にまで男子がガツガツしているじゃないか。どんだけサルなんだよ。片桐も嬉しそうに飲んでんじゃねーよ。新入生男子の周りには先輩女子だ。何これ、凄い楽しそうじゃん。コイツらじゃ、先輩女子を持ち帰るなんて芸当は到底できないだろうけど、家に帰ったら絶対、この状況を思い出してシコるんだろうな。それはそれで楽しそうで腹立つ。30分ほどアホどものくだらない飲み会を観察し、ゲロが出そうになったところで110番。今度も5分と経たずにおまわりさんがやって来た。店の外に呼ばれた店長が対応している。「いや、誰っすか、そんな通報したの。迷惑だわ!」「未成年に飲ませていたら、お店も問題になりますよ」「そんなことはしてねぇ、いやしていないですけどね、お店に警察が入って来るのは迷惑なんで」。店長、焦っている。これは「未成年に飲ませている」との自覚があるんじゃないの?

20170713 09
警察官が店内に入り、一目散に学生たちのもとへ。すると、幹事が話を聞かれている間に、1年生たちが席を立って店の外に出て行くじゃないか。待て、逃げるなよ。人の少なくなった座敷席で、警察官が身分証チェックを始めた。どうやら未成年はその中にはいなかったようで、警察官が帰ろうとしている。待て待てぃ! 「あの、未成年らしき子たちは先に出て行っちゃいましたよ。先輩たちが逃がしたんですよ!」 「ん? 貴男、通報してきた方ですか?」「そうです。ほら、帰った1年生たちを追いかけて下さいよ」。警察官は面倒臭そうに幹事に話を聞いている。「逃がしていないんでしょ? それならいいけど、これからは注意して下さいね」。何それ! 職務怠慢! このままでは終われない。そうだ、店長。「あの、未成年にお酒を提供していたんですよね? それって法に触れますよね?」「何? そんなことしていないよ。うちは身分証明書を確認しているんだから」「そんな光景見なかったですけど」「確認したから。言いがかりは止めて下さいよ」。絶対していないじゃん! 何か、俺が迷惑な客みたいになってんじゃん! キーッ! 学生たちは無言のままで店を後にした。今宵の楽しかった筈の時間を強制終了させるのには成功したのだが…。警察は適当過ぎないか? 泥棒に対して「泥棒したか?」なんて聞いても、首を縦に振る筈がないじゃないの。どいつもこいつもアホか! …まぁいい。リア充大学生が俺の目の前でイチャイチャし始める前に消えてくれたのだから、取り敢えずは良しとしよう。帰り際、先程店にいた学生たちが見えたので横を通ると、何やら名言めいた言葉が聞こえてきた。「誰だよ、通報したの。マジでテロだよな。新歓潰しテロ!」。テロか。テロで結構。おじさん、これからも正義の為にテロし続けますから!


キャプチャ  2017年7月号掲載
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