純利益1兆円超えでも『ソフトバンク』は借金塗れ! 日本を代表するインチキ経営者・孫正義の正体

2017年3月に利益1兆4236億円と、初の1兆円を突破した『ソフトバンク』。順調な経営状況に思えるが、実は11兆9000億円の有利子負債を抱えていることは案外知られていない。そんなソフトバンク・孫正義会長のインチキ経営手法を暴く! (取材・文/フリージャーナリスト 小石川シンイチ)

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「記念すべき数字だ。1兆円到達までトヨタは(設立から)67年かかったが、ソフトバンクは36年でできた」「通過点だ。今後も更に伸ばしていきたい」――。やけにご機嫌なのは、『ソフトバンクグループ』の孫正義社長だ。2017年5月10日に発表した同年3月期連結決算の最終(当期)利益が、前期比約3倍の1兆4263億円となり、初めて1兆円の大台を突破し、2年ぶりに過去最高益を更新した為だ。国内事業会社で1兆円を突破したのは、『トヨタ自動車』に続き2社目。売上高は前期比0.2%増とほぼ横這いの8兆9010億円。本業の儲けを示す営業利益は、同12.9%増の1兆259億円となった。最終利益は、保有していたフィンランドのゲーム会社『スーパーセル』や、中国の通販大手『アリババ』の株式売却で、計約7500億円の売却益を計上したことで、1兆円超えに繋がった。「これまで、2014年3月期に営業利益が初めて1兆円を突破。孫社長は『日本の経済史上、最短で営業利益1兆円を突破した』『我々はドコモさんもトヨタさんも抜き、日本で圧倒的1位の企業になる。2位・3位に甘んじるような企業カルチャーではない』と自信満々に語っていましたが、この時は『パズドラ』が大ヒット中だった『ガンホーオンラインエンターテイメント』と旧『ウィルコム』の連結化に伴う一時的な評価益を計上したものでした。今回も同様ですが、孫社長が語るソフトバンクの成功は、本業の携帯電話ビジネスによる利益というよりも、M&Aの結果による利益に過ぎないのです」(経済誌記者)。実際には、本業の携帯電話の国内シェア(契約数)も、2016年末で『ソフトバンクモバイル』は約24%。首位の『NTTドコモ』の約46%、第2位の『au』の約30%に次ぐ万年3位のままなのだ。

しかし、孫社長は益々イケイケで、2013年にアメリカの携帯電話会社4位『スプリント』を201億ドル(約1兆5000億円)で買収したが、経営不振に陥り、同3位の『TモバイルUS』との統合を模索。同社との統合が実現すれば、顧客基盤は1位の『ベライゾンコミュニケーションズ』、2位の『AT&T』に迫る規模となる計算だが、当局の反対で不調に終わっていた。これを打開すべく、孫社長は大統領就任前のドナルド・トランプ氏を電撃訪問し、一度は断念した携帯電話業界統合へ道筋を付けている。更に2016年7月には、売上高約1800億円のイギリスの半導体設計企業『ARM』を約3兆3000億円で買収。ソフトバンクはARMについて、グローバルな半導体の知的所有権と“IoT(モノのインターネット)”における優れた能力を有し、イノベーションに実績のある世界有数のテクノロジー企業と評価している。「抑々、ソフトバンクはパソコンソフトの卸業者。孫社長が高校中退後に留学したカリフォルニア大学バークレー校で培ったアメリカ人脈を駆使し、1996年に“Yahoo!”と合弁で“Yahoo! JAPAN”を設立し、ITプロバイダ業者になり、ITバブルの恩恵を受けました。2006年には“ボーダフォン”(※買収価格1兆7500億円)を買収し、日本第3位の携帯会社に。2013年にスプリントを買収し、アメリカ第3位の携帯会社になったのです。ソフトバンクは、ほぼ10年毎に買収を通じてパラダイムシフトを繰り返しています。2016年にイギリスの半導体設計企業を買収。“IoTバブル”に乗ろうとしているのです。5月20日には、サウジアラビアの政府系ファンドと共に、1000億ドル(約11兆円)近い投資資金、12年という投資期間でスタートする世界最大のIoTハイテクファンド“ソフトバンクビジョンファンド”を立ち上げています」(同)。2016年12月には、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領来日の際、大統領と肩を抱き合って親しそうに電力ビジネスについて語り合っていた。米露の政治リーダーとの親密な関係を世界にアピールする孫社長。アメリカの経済誌『フォーブス』の調査に基づく『世界長者番付』によれば、総資産約3億ドルで日本有数の富豪になっている。但し、この輝かしい成功の裏側で、ソフトバンクの抱える借金も異様な規模に膨れ上がっているのだ。その額、11兆9000億円――。国家予算のような数字だが、2016年3月末時点でのソフトバンクの抱える有利子負債の額だ。「2009年3月期末時点では、ほぼ2兆円のボーダフォン買収の借入金による有利子負債(※ボーダフォンの負債分も含めた数字)を、3年(※2012年3月期末に)半減とする目標があり、社内はコストカットの嵐でしたが、スプリントを買収した2013年7月以降は、売上高を大幅に上回る有利子負債を抱えているのが現状です。11兆円の借金があって、1兆円の利益を出しているという大借金経営なんです」(金融ジャーナリスト)。前出のARMの約3兆3000億円の買収に関しては、「ソフトバンクの歴史上、初めて30%程度の借入金でM&Aが行えた。7割は手持ちの資金で賄った」(※2017年3月期第1四半期決算税明会における孫社長の発言)としているが、有利子負債が増えるのは間違いないだろう。

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大借金経営の源流は、1995年のソフトバンクの株式公開だ。それまでのソフトバンクの本業は、パソコンソフトの卸業者であり、『フォーバル』と共同で開発した回線選択装置管理システムが、通信の規制緩和で莫大な利益を生み出していた。更に、株式公開の担当者であった『野村證券』の北尾吉孝(※『ソフトバンクインベストメント、現在の『SBIホールディングス』代表取締役社長兼CEO)を常務取締役にスカウト。投資分野に乗り出していく。野村出身の北尾氏は、銀行に頼らず、証券会社を通じて債券で資金調達する手法で、5000億円程度の資金調達を実現し、孫社長による数々の買収・投資案件を支えた。アメリカのIT企業を次々と買収。1996年に『Yahoo!』と合弁で『Yahoo! JAPAN』を設立し、ソフトバンクはIT業者に移行することに成功する。北尾氏との関係が悪化した後も、M&Aを繰り返す。「ITバブルが崩壊した後は、ブロードバンド事業に乗り出します。突如、“Yahoo! BB”ブランドでのADSL事業参入を発表。圧倒的な低価格を打ち出したものの、あまりに準備不足のままスタートした上、街行く人にモデムを手当たり次第に配るような強引なキャンペーンにも批判が殺到し、イメージダウンになります。ユーザー獲得の為の費用が嵩んだことから、大幅なコスト増を招き、一時期は2000億円を超える赤字に陥ってしまったほどです。イメージアップの為に打ち出したのが、2004年のプロ野球球団“福岡ダイエーホークス”買収です。そして2006年には、1兆7500億円という日本史上最高額によるボーダフォンの買収に売って出るのです。自社よりも数倍大きな会社を買収する為に、相当無茶な借金をした結果、携帯事業のインフラである基地局整備にお金を回せなくなった。“繋がり難い”というソフトバンクのイメージは、この時から始まっています」(経営ジャーナリスト)。

なお、投資には失敗しているケースもある。1996年には“メディア王”を目指し、ルパート・マードックの『ニューズコーポレーション』と共同で、衛星放送プラットフォームの運営会社として『ジェイスカイビー』を設立(※マードックが会長、孫は社長に就任)。この際、『旺文社』より『全国朝日放送』(※現在の『テレビ朝日ホールディングス』)の株を多数購入したが、『朝日新聞グループ』が危機感により反発した為、結局、同グループに買い戻された。2007年4月には、インターネットによる通信教育で行われる『サイバー大学』を開学している(※IT総合学部IT総合学科と世界遺産学部世界遺産学科)。初代学長には、エジプト考古学を研究する元早稲田大学教授の吉村作治氏が就任したが、2010年10月に世界遺産学部の学生募集を停止する等、失敗の歴史も抱えているのだ。「基本的に、孫社長は熱し易く冷め易い没入タイプ。規制緩和等の大義がありそうなビジネスに乗り出すものの、綿密な対応は周囲の人間に任せるタイプなので、有能な実務経験者をスカウトできたビジネスは伸びますが、失敗する場合は明らかに大コケするのです」(同)。例えば、ADSLサービスでは、名古屋で独立系のプロバイダ代表だった宮川潤一氏を、携帯事業は『クアルコムジャパン』の会長を務めていた松本徹三氏をスカウトすることで、成功にこぎつけている。「政界にも強いパイプがあります。元民主党議員で松下政経塾2期生の嶋聡を社長室長として迎えることで、“松下政経塾”人脈を抑えることに成功しました。特に民主党時代は、菅直人政権の原口一博総務大臣(※政経塾4期生)の『2015年までにプロードバンド利用率100%を目指す』という“光の道構想”は、孫社長のアイデアで政商ぶりを発揮。松下政経塾1期生の野田佳彦氏が首相になった時代には、スプリント買収を認めることを渋るアメリカの当局を、政界ルートで説得するよう働きかけたこともあります。自民党政権に戻ってからは、表向きの活動は控えていますね」(同)。向かうところ敵無しに見えるソフトバンクの直近の課題は、携帯のシェアが横這いで止まってしまったことと、金利上昇、そして後継者問題だろう。「一時、携帯電話でもソフト バンクが注目されたことがありますが、多くのソフトバンクの携帯ユーザーは、iPhoneだから機種変更をしただけで、それ以上の魅力がソフトバンクという会社にあった訳ではないので、ユーザーが増える見込みがないのです。しかも、2015年に総務省の“ICTサービス安心・安全研究会”の“携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース”による実質0円端末の販売自粛と、料金値下げに向けた要請があり、身動きが取れない。ピコ太郎、ジャスティン・ビーバー、広瀬すず等を起用したテレビCMでイメージアップ戦略だけを図るしかないのが実情です」(経済紙記者)。

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規制緩和を積極的に推進するソフトバンクであれば、現在の複雑でバカ高い携帯電話の通話料金体系等を、嘗てのYahoo! BBブランドでのADSL事業の圧倒的な低価格路線のように抜本的に見直せば、支持も集まるのだろう。だが、大借金経営なのだから、消費者にお得なサービス等をできる余裕がある訳がない。次に、金利上昇だ。ソフトバンクが抱える有利子負債は約11兆円、年間の支払利息は約3000億円にも上る。アメリカの金利が上昇し始めており、ソフトバンクがドルでも資金調達した分に関しては、支払利息が膨らみ、業績を下押しする可能性も小さくないのだ。そして、後継者問題だ。「60代で後継者に譲る」と、2010年より後継者を発掘・育成する『ソフトバンクアカデミア』を開校し、最も有力な後継候補であるニケシュ・アローラ(※インド出身)を副社長に迎えるが、2016年6月の株主総会前夜に電撃解任した。「59歳だった孫社長は、『あと5年、10年と社長をやりたくなった。あくまでも私のわがままでこうなった。一番の被害者はニケシュだ」と語ったが、孫社長が北米市場に拘るのに対して、ニケシュ氏は新興国投資に拘るというズレが修復できないものになったと見られています」(前出の経済誌記者)。確かに、このまま孫社長が引退しても、単なるアメリカのスマホの輸入業者で終わってしまう。名声も消え、残るのは大借金だけということになるのだろうか――。


キャプチャ  第22号掲載

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