【熱狂!アニメビジネス最前線】(14) 鬼平がイケメンキャラに…小説家はアニメの夢を見る

20170725 06
小説の映像化は、従来なら映画やドラマ等、実写が定番だった。しかし、2000年代以降はアニメ化が増えている(※左表)。4月に劇場公開される『夜は短し歩けよ乙女』(東宝映像事業部)は、森見登美彦氏の同名小説が原作。山本周五郎賞受賞作品で、累計130万部のベストセラーだ。森見氏は、「僕にとって“夜は短し”は箱入り娘のような作品。アニメ化されなくてもよかった」と話す。その背中を押したのは、『四畳半神話大系』が2010年に深夜アニメ化された際に、監督の湯浅政明氏と世界観を共有できたことだ。原作の魅力を十二分に映像化できた効果で、「2004年に単行本で発売された時はそこまで読まれなかった」(森見氏)という四畳半は、アニメ放送後、予想以上の勢いで文庫本が売れた。小説のアニメ化に当たっては、原作には無いが、アニメファンの心に刺さる設定や仕掛けを加えることも効果的だ。

例えば、昨年に深夜帯で放送された三浦しをん氏原作の『舟を編む』(フジテレビほか)では、原作にあった主人公の青年の恋愛模様に加え、主人公と同僚のバディー(相棒)関係も細やかに描写している。監督の黒柳トシマサ氏は、男性アイドルグループを描いた『少年ハリウッド』(TOKYO MXほか)の監督を務めた人物。舟を編むでも、男性キャラクターたちの友情をしっかり描くことで、BL(ボーイズラブ)的な要素を加え、女性ファンを取り込んだ。数々の文学作品をアニメ化してきたフジテレビアニメ開発部の松崎容子部長は、「原作をアニメへ“通訳”できる監督をマッチングさせることが重要」と言う。原作に忠実であるだけが、アニメ化の肝ではないのだ。2月に劇場公開された『虐殺器官』(東宝映像事業部)は、2009年に急逝したSF作家・伊藤計劃氏の代表作が原作だ。興行収入は約2億円と小ヒットに留まるが、今後は国内外の配信ビジネスに期待を寄せる。伊藤氏は死後、アメリカのSF文学賞である『フィリップ・K・ディック賞』特別賞を、日本人で初めて受賞。英語圏にもコアなファンを抱える伊藤氏の原作は、実写映画化も噂されているが、「この作品を実写化すると数十億円の製作費がかかる。アニメだから機動的に実現できた」(松崎部長)。本誌の読者層に馴染みが深い作品では、池波正太郎の時代小説『鬼平犯科帳』が今年1月、深夜アニメ『鬼平』(テレビ東京系)として放映された。累計発行部数2700万部、ドラマや映画等様々な形で映像化されてきた鬼平だが、このアニメでは長身痩躯のイケメンキャラとして描かれている。誕生から50年、時代小説では古典の城に入りつつある本作に、アニメで新たな生命が与えられている。 (取材・文/本誌 前田佳子)


キャプチャ  2017年4月1日号掲載
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