【ドクターXは知っている】(09) 糖尿病治療期待の『SGLT2阻害薬』は痩せ気味の人や高齢者には危険

20170726 07
国民病とも言われる糖尿病。厚生労働省が3年毎に実施している『患者調査』によると、2014年の患者数は過去最高の316万6000人となり、糖尿病予備軍の層も含めると、優に1000万人を超えるとされています。薬も様々なタイプが開発されてきました。現在は8タイプの薬が使われていますが、内科医の長尾和宏先生は、「高齢者には血糖値を下げる薬の半数は不要」と考えています。「糖尿病の飲み薬は、症状が軽度なら、若年者にはBG薬(ビグアナイド薬)、高齢者にはDPP-4阻害薬、更に必要ならSU薬(スルホニル尿素薬)。それと、場合によってはインスリンを併用します」。生命に関わる低血糖の副作用が無いことから持て囃されている『α-GI薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)』は挙げられていません。「ナンセンスだから、私は一切使いません。糖の吸収を遅らせるといいますが、それなら薬を飲まずとも、野菜を食べてからご飯を食べればいいことです。低血糖の心配が無いからといって、直ぐに出してしまう医師もいるけれど、効果も大したことはなく、ヘモグロビンA1c(※赤血球中のヘモグロビンの内、どれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値)を0.5くらいしか下げない。一方で、お腹が張ったり下痢をしたりといった副作用があるから、積極的に使う意味は無いでしょう」(長尾先生)。

また長尾先生は、新商品が次々に登場している『SGLT2阻害薬』については、「使用に際して注意が必要」と指摘します。「SGLT2は、40~50代くらいまでの肥満の患者にはよく効くというのが国際的評価です。しかし、高齢者には脱水による死亡例が報告されている危険な薬でもあります。抑々、若くて太っている人は、食事と運動で痩せることを優先するべきでしょう。それをしないで、1錠250円もする高い薬をどんどん出すということには疑問を感じます。世界糖尿病学会のランク付けで1位となっているBG薬は、1錠僅か9円ですよ」。SGLT2が効く仕組みは、糖質制限ダイエットと同じだと言われています。「糖質制限ダイエットと同じように、機関限定で痩せる為に使うのはいいかもしれません。『一切使うな』とまでは言いませんが、効き方に個人差があり、場合によっては危険が伴うということを認識しておく必要があります」(長尾先生)。また、「薬の効果と副作用は隣り合わせであり、特に高齢者については慎重な処方が求められる」と注意を呼びかけるのは、新潟大学医学部名誉教授の岡田正彦先生です。「私は現在、高齢者医療の現場にいますが、血糖値が上がり過ぎて具合が悪くなる人はいません。一方、薬によって低血糖となり、冷や汗や震えに始まって、失神、時には死亡に至るというケースは少なくないのです」。確かに、薬によって血糖値をコントロールして、神経障害・網膜症・腎症等の合併症を引き起こさずに済んでいる人はいるものの、一方で、副作用によって亡くなる人もいるという点を岡田先生は指摘します。「海外で、糖尿病の薬を飲んだ人と飲まなかった人とを比較する大規模な追跡調査が行われたのですが、総死亡率には差がありませんでした。一言で言って、薬を飲んでも飲まなくても寿命には差が無いのです。問題ありと考えられる薬の一例はチアゾリジン薬(インスリン抵抗性改善薬)。『飲んだ人は、飲まない人と比べて、脳卒中や心筋梗塞となるリスクが50%ほど高まる』というアメリカの研究報告があります」。ともすると、糖尿病薬の服用は、血糖値の降下自体が目的となってしまいます。しかし、健康的に長生きする為の手段と捉えると、薬選びの基準も変わってくるのではないでしょうか? (取材・文/フリーライター 浅羽晃)


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