【外国人材と拓く・手探りの現場】(01) わたしたち、昇格できますか?

100万人を超えた外国人労働者は、今や日本経済に欠かせない存在だ。国や企業は、人手不足を補うだけでなく、新たな活力を齎す担い手として期待する。専門的な知識や技術をもつ人は尚更だ。“専門人材”の置かれた実情を追った。

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中国出身の廬婭茜さん(27)は先月、外資系企業に転職した。前の勤め先は日本企業。「両方で働いて、今後のキャリアを判断したかった。就職当時、一緒に日本に来た友人は、殆どが帰国した。日本では昇格が遅いのが皆、不満だった」。今の日本企業にとって、ホワイトカラーの外国人採用は当たり前。日本型慣行の是正や働き方改革も進むが、外国人材が抱く不満は根深い。精密機器大手から中国系企業に転職した中国出身の張偉さん(仮名・28)は、「辞めた理由は先ず給料だ。今の会社で1.5~2倍に増えた。昇格試験は日本語で外国人に不利だった」。経済産業省の調査では、答えた大企業所属の外国人材の内、4割前後が“キャリアパスの明示”“昇格・昇給の期間短縮”を求めている。実際、「役員級以上で、東南アジアの企業の報酬水準が日本企業を上回る」との調査もある。IT等は国際的に人材不足で、獲得合戦が激しい。

転職を繰り返してキャリア向上を狙うのが当たり前となる中、アジアの企業も昇格・昇給を早める動きが進む。日本で重視しがちな公平性は、人材確保の足枷になりかねない。外国人材のスキルアップへの拘りも、日本企業の常識を超える。『パナソニック』に今年入社した台湾出身の陽品駒さん(27)は、「この会社を選んだのは、『やりたいことができる』と思ったからだ。やりたい研究ができなくなったら、直ぐ外に出る」と言い切る。人工知能(AI)とロボットの融合技術が専門。同社が4月に立ち上げた専門部署で、研究を牽引する。同社は、“逸材”を引き留めるだけの環境を整えている。「昇格・昇給への不安は被害妄想だ」と一掃するのは簡単だ。一方で、企業にも「3年や5年で帰国や転職する」等の偏見がありやしないか? 外国人材と一層きちんと向き合えば、自然と定着する。新卒採用約400人の内、5%を外国籍が占める『NTTデータ』。生え抜きの管理職も誕生した。中国出身でデータセンタ&クラウドサービス事業部の王敏課長(42)は、外国籍の後輩からキャリア形成の相談をよく受ける。「私たちは日本人と同じように昇格できますか?」との質問には、王さんの存在が答えになる。『リクルートワークス研究所』(東京都中央区)の調査によると、外国人材の管理職や採用に目標を置くことと、企業のイノベーション(技術革新)の進展に相関関係がある。外国人材の重要度が増す流れは止まらない。そうであれば、企業がもう少し外国人材の常識に近付くことがあってもいい。日本人も外国人材も納得感の得られる職場を作るのは、企業が成長する必要条件。貴方の会社はどうですか?


⦿日本経済新聞 2017年7月17日付掲載⦿
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