【有機EL&半導体バブル】(06) 「タッチセンサーに新たな商機」――出口敏久氏(『住友化学』副社長)インタビュー

20170731 21
――どのような製品を作っているか?
「小型ディスプレイ(※スマートフォンやタブレット端末)向けには、偏光板とタッチセンサーを製造している。この内、タッチセンサーでは、ガラス製とフィルム製双方を供給できる。将来に向けては、カバーガラスの代替部材であるウインドーフィルムも計画している」

――住友化学は液晶ディスプレイ部材も提供していた。有機ELはどうビジネスモデルが違うか?
「高級液晶ディスプレイでは、タッチ機能が液晶に内蔵されている“インセル型”が主流だった。これに対して、有機ELは構造上、内蔵するのは難しく、外付けが中心となっている。これは、タッチセンサーメーカーにとっては大きなビジネスチャンスだ」

――ガラス製とフィルム製、タッチセンサー其々の用途は?
「ガラス製のタッチセンサーは、平面のディスプレイ用なのに対して、フィルム製は曲げられるディスプレイ用だ。今後、フィルム製タッチセンサーの霊要が増えると判断し、韓国拠点の生産能力を来年1月から現行比で3倍強に増強する」

――需要増を見込む根拠は?
「スマホやタブレットを折り畳む、或いは巻物状にするという要望が、デバイスやディスプレイメーカーからある。折りたたみ式ディスプレイは、広げた際に折り目が残るといった技術的課題があり、現在は量産段階ではない。しかし、当社はデバイスやパネルメーカーと協力して、折りたたみ式にも対応できるフィルム製タッチセンサーを開発している。韓国拠点の生産能力増強は、この技術も織り込んだ上でのものだ」

――曲げられるという点では、過去にも湾曲したスマホがあったが、市場では受け入れられなかった。
「湾曲しているスマホやテレビは、曲げた状態を固定したものだ。今後のアピール点である“曲げられる”とは、自由自在に折り曲げる、或いは丸めることだ」

――平面用のガラス製タッチパネルの設備は増強しないのか?
「当社は既に世界需要の7~8割を供給できる能力があり、十分だと考えている」

――住友化学の強みは?
「有機EL層の上にある表面部材を一括してセット供給できることだ。パネルメーカーは、材料や装置を多様なサプライヤーから調達し、これらのすり合わせ技術により製品を開発する。それには多くの手間と時間がかかる。偏光板とタッチセンサーを別々のサプライヤーから調達すれば、すり合わせが必要だ。しかし、当社は偏光板とタッチセンサー、その他の部材を一体化したモジュールとして供給することが可能であり、パネルメーカーは開発を迅速に行うことができ、延いてはコスト削減に繋がる」

――今年3月期は、偏光板・タッチセンサーとも販売価格が下がっている。技術が陳腐化して、他社との価格競争に巻き込まれる“コモディティー化”の懸念はないか?
「コモディティー化が起きるのは、普及期から成熟期にかけての時だ。成熟期になれば、ある程度、価格の下がり方が緩やかになってくる。事業環境が厳しいことは事実だが、適切に技術力・コスト競争力を保てば、成熟期を過ぎても利益を確保できる。当社も、今後はスケールメリット等でコストダウンは可能という見通しがある。足元の不規則な途中経過だけで判断しないで、最後まで見てほしい」 (聞き手/本誌 種市房子)


キャプチャ  2017年6月13日号掲載
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