「俺が見た警察官の裏稼業、全部バラす!」――飛松五男氏(元兵庫県警刑事)インタビュー

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警察の裏稼業はぎょうさんありますよ。しかも、舛添要一もびっくりするほどのセコさ(笑)。そして、“汚い”・“アホくさい”。警察の裏稼業の特徴は、特権である“捜査権”を悪用して、セコい銭儲けをしていること。その代表が“横流し”。僕が現役の時、シャブを1㎏押収した。シャブは現場で即検査をしますが、そこで1㎏あったのに、調書の段階では何故か600gに減っている。抜いた400gのシャブを、現役の刑事が密売していたんです。僕のいた兵庫県警には、横流しの組織が間違いなくあったし、余所でもある。実際、元大阪府警の刑事と話した時、横流し担当の刑事の名前が一致した。兵庫の横流しシャブを大阪で売り捌いていたんです。この大阪府警の元刑事は、2016年6月25日に公開になった映画『日本で一番悪い奴ら』(東映・日活)のトークショーで一緒になりました。この映画は、銃器対策のエースだった元道警の稲葉圭昭氏が、拳銃を押収する為にシャブや大麻を密輸して、その代金で拳銃を密輸した“稲葉事件”がモチーフになっている。実は、兵庫県警でも同じことをやっているんです。押収した拳銃61丁は、大麻20㎏を刑事が密輸して、その代金で“買った”もんです。勿論、警察は密輸した大麻を自分たちで売り、余ったカネは皆が“ぽっぽ(着服)”してきた。別に今後の捜査の為の裏資金にするとか、そういう高尚なもんじゃない。ただ、自分たちの飲み食い・贅沢に使う。だから“汚い”と言うんです。

裏ビデオもそう。僕が若い頃は、女性の局部の写真が売れるような時代だった。だから、そういう写真を押収すると、刑事が鑑識に「焼き増ししといてや」と頼むんです。鑑識は自前の現像室があるから、どんどん焼いて、刑事がせっせとその写真を“大人の店”に卸して、小遣いにする訳です。裏ビデオも、マスター(原板)を押収すると、ダビングしてショップに卸す。当然、便宜を図るショップは、生活安全課の刑事がオーナーをしている。風俗も同じ手口で、“刑事の店”は一杯ありますよ。しかも、冗談抜きで最低のぼったくり店ばかり。絶対に摘発されないから、やりたい放題。良心的な店になる筈がないんです。もっとセコい話もある。例えば、新しいサービスの店を出す時、オーナーは、法に触れないか知り合いの刑事に相談します。昔で言えばノーパン喫茶とか。ああいう店は、最初にやれば絶対に儲かるでしょ? それを刑事は、そっくりパクって店を出す。邪魔ならアイディアを出した店を潰せばいい訳で、インサイダーもえぇところです。これは聞いた話ですが、大阪のミナミで裏カジノの店を摘発しようとしたら、そのオーナーが何と自分とこの署長の息子だったそうです(笑)。逮捕状を取るのに登記簿を調べたら、オーナーの名字が署長と一緒なんで、念の為に確認したら、ホンマに実の息子やった。つまり、実質の経営者は署長なんですから、若し逮捕していたら現場から証拠も出た筈で、大変なことになった筈です。現職の交通課長がドライブインを経営していた時なんて、店の前の道に右折レーンを作りよりましたからね。似たような話は奈良にもあって、こっちはパチンコ店でしたが。店専用の右折レーンのある店は、警察関係者の店と思って間違いないでしょう。ホンマ、アホらして泣けてきます。正直、ヤクザの店のほうが何倍もマシですよ。何かあれば摘発される分、サービスも値段も安いし、税金もちゃんと払う。何より、女の子が可愛い(笑)。国民にとってどっちが“ワル”なのか、説明するまでもないでしょう。ここまでは個人や小さい組織の裏稼業ですが、組織ぐるみで言うのなら“集金”ビジネスでしょうな。わかり易く言えば、警察による“みかじめ”ですよ。管内の企業に対してカネを要求するんです。明石署にいた時代の話です。新しい署長が来るなり、「3000万円作れ」と命じられたのです。大体、署長は2年で異動します。その時に署から渡す不当な“退職金”も勿論、裏金です。僕も刑事やったからよく知っていますが、自分のやっていない出張やら捜査やらがバンバン付けられて、捜査費を上乗せしていく。公文書偽造による横領ですよ。北海道警の原田(宏二)さんが告発した“裏金問題”は、どこもやっている訳です。それでも足りないと集金が始まる。異動の内示は1週間。その間、足りない分を、各部署の担当者が管内の企業を巡って集めていく。どうして企業が署長の退任や異動にカネを出すのかというと、利権というか癒着があるからです。わかり易い例で言えば、企業は“3点セット”の捜査情報を警察から買っている。これは前科前歴・思想信条・消費者金融の情報で、企業にすれば社員の登用や取引先の信用調査等で非常に価値がある。だからカネを出す。大体、1社あたり年800万円で、警察OBを通じて裏契約しとるんですよ。

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次に“揉み消し”です。僕も県警本部の交通指導課にいた時代、毎日、交通違反の揉み消し書類を作成していましたよ。1日10件。これ、通常の業務ですからね。ドライバー等を抱えているタクシー会社や運送会社にとって、社員の違反は死活問題。それで、違反1件当たり5万円を、窓口となる県会議員に払うんです。警察は1件5000円で応じる。上で政治家とくっ付いとる訳です。とはいえ、警察だって甘くない。揉み消し常習の会社には、交通課長が回ってカネを集める。中には、警察利権と癒着した会社もあります。兵庫で有名やったのは、緑のカラーリングでお馴染みだったA社。事故になるとレッカー移動するでしょ? その時、交通課はA社にしか依頼を出さないんです。まさにボロ儲けですよ。実は、ここのオーナーの息子を僕は強姦で逮捕したことがあった。すると、上からやいのやいのと入って、結局立件できへんかった。どれほど警察の上層部と癒着しているか、わかるでしょう。2016年5月11日、大阪府警が大阪府池田市の整骨院元院長らを交通事故保険金の詐欺事件で逮捕しましたが、抑々、この保険金詐欺は警察自身がやっとる。神戸市内の外科病院のBです。警察がよく使う病院ですが、兵庫県警の総務部長が配下の署員50人とか60人の保険証を預かっていて、そこで“何それの病気や怪我で通院した”ことにして、その保険料をキックバックさせていた。預ければ5万円貰える。僕も誘われたことがありましたが、「この盗人が何ぬかしとるんか!」と断りましたが、このグループは署長や県警の部長クラスのノンキャリ幹部、皆がグルだった。だから、詐欺グループに入ると昇進試験も通るし、希望する部署への人事も簡単に決まるし、転勤する時には祝い金までたんまり出る。バレないよう、病院の経営や看護師、保険点数を付ける医療事務なんかは、全部身内で固めている。

僕が知っているのはこのB病院ですが、謂わば警察の“フロント”ですよ。こうした警察の裏稼業は、ドラマや小説ではキャリアが権力に傘を着せてやっとるのが定番ですが、大間違いですよ。僕は少なくない人数のキャリアと付き合ってきましたが、基本的にキャリアは清廉で、警察の未来をきちんと考えていた。大体、キャリアは退官後、天下り先を何社か回れば億単位の退職金が入る。態々ヤバい橋を渡らなくてもいいから、こういうセコい裏稼業にはタッチしないし、寧ろ排除しようとしている。誰が張本人かといえば、都道府県の警察本部の課長や部長(※警視正以上は国家公務員)といったノンキャリアのエリートたちですわ。地元の署長や副署長となる警視から、県警の部長となる警視長クラスの連中です。県警の幹部とはいえ、地方公務員である以上、給料自体は県庁の職員と一緒。ですが、持っている権限が段違いで、“個人を簡単に破滅させることのできる”警察情報を握っている。それを悪用すれば簡単に金儲けできて、しかも絶対に捕まらないんですから、一旦腐敗すれば歯止めが利かなくなる。裏稼業の儲けは、正直、1人当たり年換算すれば、現場の刑事で数十万円とか、ノンキャリ幹部でも数百万円レベルですよ。だから、「ちょっとした小遣い稼ぎに…」と手を出してしまうし、上がやっている以上、やらないと出世もできないようにしている。僕がやらなかったのは、「それを警察官がすれば地獄に墜ちる」という信念があったからです。警察官は法の番人であるよう訓練を受け、一般人より遵法意識は高い。故に、違法行為を続ければ、真っ当な警察官ほど精神を病んでしまうんです。しかも、家族にだってバレる。警察官の妻ならば当然、給料がいくらなのかわかっている。刑事の夫が違法行為をしていることに気付かない筈がないんです。その結果、ストレスに耐えられなくなって、女・酒・ギャンブル・薬物で身を持ち崩し、悲惨な状況で早死にしていく。逮捕されるべき時に「身内だから」と庇うから、行き着くところまで行ってしまう。僕が「このままだと地獄に墜ちるぞ」と言うのも、そんな仲間をこの目で見てきたからなのです。問題なのは、裏稼業をしても平気な連中も多いってことですわ。コイツらは、警察という職業を、裏稼業ができて、しかも捕まらない“最高の商売”と考えよる。ある意味、夫婦揃って生粋の犯罪者なんですよ。だから、自分の子供を喜んで警察に入れて、犯罪行為を勧める。僕は“ニセ(二世)警官”と呼んでますが、「犯罪者の子供らによって、警察の裏稼業は今後、酷くなっていくんじゃないか?」と危惧しとります。1人当たり年100万円単位といっても、塵も積もればで、県警単位で見れば軽く10億円以上、全国ならば何百億円になる。これ、全部税金ですよ。それが心ない警察、いや、犯罪者の警察官によって着服されている。警察の裏稼業を潰して、そのカネで是非、景気対策をしてもらいたいもんですわ。 (聞き手・構成/フリーライター 西本頑司)


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