【政治の現場・区割り改定】(03) 奈良・三重…“難敵”前に調整難航

20170802 02
「ずっと『奥野を』と訴えてきたのに、次から変わってしまうのか?」――。『広陵町奥野会』会長の竹村恵史(69)が、不安げに問うた。自民党衆議院議員の奧野信亮(73・当選4回)は、「いや、未だ何も決まっていないよ」と慌てて制した。奈良盆地に遠く響くセミの鳴き声が、2人のやり取りに重なった。今月16日、奈良県広陵町にある支援者の事務所に集まったのは、奥野・竹村を含め13人。選挙区の区割り改定を受け、対応を相談する為だった。奥野が地盤とする旧奈良3区は、新2区と新3区に分割され、広陵町は新2区の一部となった。奥野はどちらの選挙区から出馬するのか? この日、答えは出なかった。奥野会の歴史は古い。昨年11月で103歳で死去した父で元法務大臣の奥野誠亮の代から、半世紀以上となる。奥野は周囲に、「次も選挙区から出る気持ちに変わりはない」と繰り返す。とはいえ、自民党内には新2区と新3区で出馬を有力視される現職が其々いる。新2区は旧2区を地盤としてきた総務大臣の高市早苗(56・当選7回)、新3区は旧4区を牙城とする衆議院議員の田野瀬大道(43・当選2回)だ。高市は14日の記者会見で、奈良県内の候補者調整について問われ、「党本部でお決めになると存じております」と態度を明らかにしなかったが、周辺には新2区出馬への意欲を隠さない。田野瀬も「県南地域の発展の為に頑張るのが使命」と、自民党総務会長を務めた父・良太郎から引き継いだ地盤に拘る。高市には、新1区への挑戦を勧める向きもある。新進党から出馬した1996年、旧1区で当選した“実績”がある為だ。奥野の後援会幹部は、「高市が新1区に回れば、新2区に奥野、新3区に田野瀬で丸く収まるのだが…」と淡い期待を抱く。

しかし、「高市が首を縦に振る可能性は低い」とみられている。新1区で民進党から出馬するのは、元国土交通大臣の馬淵澄夫(56・当選5回)だ。馬淵は2003年に民主党公認で初当選して以来、衆院選で負けを知らない。高市は2003年選挙で馬淵と対決し、落選の煮え湯を飲まされて旧2区へと“国替え”した苦い経験を持つ。党勢低迷に悩む民進党にあって、馬淵は「如何なる場合も全力で戦う」と、6回目の当選に向け支持固めに余念がない。自民党内では、前回衆院選の旧1区で落選した小林茂樹(52)が新1区に名乗りを上げており、高市が新1区に出れば再調整が必要になるという事情もある。苦肉の策として自民県連で浮上したのが、小林・高市・田野瀬・奥野の4人の内、1人を比例選の近畿ブロックに単独立候補させ、名簿上位に優遇して当選を事実上、確約する案だ。県連は先月、党本部に対し、候補者調整で比例に回る場合は優遇するよう要請した。この時、併せて“定年制の適用除外”を求めなかったことが波紋を広げた。自民党は、73歳以上の候補を比例選で公認しない“定年制”を内規で設けている。来年3月で74歳になる奥野が比例に回ると、これに抵触する。県連が適用除外に触れなかったのは、要請すれば「奥野を比例に回す」という意向が滲んでしまうからだった。事情を知る県連幹部が解説する。「『選挙区から絶対に退かない』という奥野の強い意志の表れだ」。候補者調整は難航の気配が強まっている。一足先に自民党が調整を終えた三重県も、事情は同じだった。小選挙区が5から4へと減る中、新3区に出馬する民進党前代表の岡田克也(64・当選9回)と誰が相まみえるのか、思惑含みの譲り合いが展開された。岡田は前回衆院選の旧3区で、自民党候補に比例選での復活当選も許さないほどの票差をつけた。自民にとっては“難敵”だ。調整の結果、前回は旧2区で落選し、比例東海ブロックで復活当選した島田佳和(47・当選2回)が新3区に回ることになった。新1区は旧4区を地盤としてきた前厚労大臣の田村憲久(52・当選7回)、新2区は旧1区の元厚労大臣・川崎二郎(69・当選11回)、新4区は旧5区の衆議院議員・三ッ矢憲生(66・当選5回)を公認する方針だ。県連会長の三ッ矢は、「小選挙区で勝った現職を優先した」と説明する。自民県連は、島田を比例選に重複立候補させ、東海ブロックの名簿上位で優遇するよう、党本部に要請する構えだ。島田も、「新3区に回ることを呑んだのは、“優遇の確約”を期待してのことだ」と打ち明ける。党の裁定に注目が集まる。 《敬称略》


⦿読売新聞 2017年7月23日付掲載⦿
スポンサーサイト

テーマ : 政治のニュース
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR