【南鳥島に注目せよ!】(18) レアアース生産を中国が独占した背景

20170802 04
中国が市場シェアの殆どを握るレアアース。埋蔵量そのものが多いとはいえ、世界の生産量に占める中国の割合は、まさに圧倒的だ。では先ず、右画像左下にある円グラフを見て頂こう。世界のレアアース埋蔵量を纏めたもので、1位の中国が42%を占めている。但し、2位のブラジルも17%と埋蔵量は多く、“その他”が37%あるのもポイントと言える。しかし、生産量になると中国の独壇場に。右画像上に掲載しているのが、レアアースの生産量を図解したものである。1990年代まではアメリカもそれなりの量を生産していたのだが、その後は中国による“寡占”が継続。需要は未だグングン伸びているのに、供給は世界が中国に依存するという極めてリスキーな状況に陥ってしまった。では何故、このような状況が生まれたのか? その背景にあるのが、中国の仕掛けた安値攻勢だ。レアアース以外のマテリアルや電子機器についてもそうだが、人件費等が安いのもあって、中国には他国よりも低コストで生産できる強みがあった。レアアース生産に必要な放射性元素の処理も、環境規制の緩さから、かなりの低コストで済ませていた筈だ。

これを武器とした徹底的な安値攻勢で、他国生産のレアアースを市場から駆逐。当然ながらレアアースの価格は下落し、収益を見込めなくなった中国以外の鉱山は、生産休止を余儀なくされた。斯くして中国は、世界のレアアース需要を一手に担う輸出国となったのである。これと全く同じ流れで、中国が圧倒的なシェアを握ったものにタングステンがある。レアメタルの一種で、その硬度の高さから、金属加工に必須な超硬合金や特殊鋼の生産等に用いられている。現在のタングステン市場で、中国が握るシェアは90%以上。世界の埋蔵量に占める割合も60%前後と非常に高く、レアアース以上に安値攻勢をかけ易い。埋蔵量の多さにものを言わせて、タングステンの安値攻勢を仕掛けたのが1980年代のこと。レアアースと全く同じパターンで、他国のタングステン鉱山は閉鎖に追い込まれた。嘗ては日本にも幾つかのタングステン鉱山があったが、中国の安値攻勢に耐えられず、全て閉山。これに味をしめた中国が“二の矢”を放ったのが、レアアース市場なのである。シェアさえ完全に握ってしまえば、その後の価格コントロールは容易いもの。安値攻勢で一旦は下落した価格も、生産量や海外への輸出量を減らせば一気に高騰する。ネオジム(Nd)も、近年の価格変動が非常に大きかったレアアースの1つ。“ネオジム磁石”の原料で、ハイブリッド車の駆動用モーターや発電用モーター生産に欠かせない存在だ。需要拡大で価格は一気に跳ね上がったが、輸入先の各国はリサイクル技術や代替材料の開発で、これに対抗。それが功を奏して、価格相場も落ち着きを取り戻している。


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