【シンゾウとの距離・改造前夜】(07) 二階俊博…あうんの呼吸、いつまで

20170804 06
今月18日夜、自民党幹事長の二階俊博(78・右画像)は、滞在先のワシントンのホテルの自室に駐米中国大使の崔天凱を招き入れた。崔は米中経済対話で多忙な時期だったが、二階の訪米を聞いて駆けつけた。「長年の日中関係における尽力に敬服する」。5月に国家主席の習近平との会談を実現した二階の仕事ぶりを、こう評した。二階は大きく頷いた。内閣改造を2週間後に控える中、党の要である幹事長が日本を不在にできるのは何故か? 答えを解くカギは、自民党が惨敗した都議選直後の今月4日にある。「新しい課題に対応していきましょう」。首相の安倍晋三(62)は、首相官邸を訪ねた二階に語りかけた。昼食を交えた2人だけの会談は約50分。子細は明かさないが、「あの会談で幹事長続投が決まった」というのが大方の見立てだ。本来なら党執行部の責任問題に発展してもおかしくない都議選惨敗だったが、県議出身の二階は早い段階からこう語っていた。「県議選を党本部にやってもらったことはない。候補者や都連が努力しなきゃ」。敗戦必至とみて、党執行部や首相官邸には矛先が向かないよう布石を打つ為の発言でもあった。二階と安倍との間で、都議選への対応をじっくり打ち合わせた節はない。定期的に首相官邸を訪ねる際にも、細かい選挙や国会への対応で二階が指示を仰いだこともない。「阿吽の呼吸だ。細かいことは相談しなくてもわかる」。二階は周囲にこう語る。

昨年8月の幹事長就任後、二階の存在感を高めたのは、まさにこの“阿吽の呼吸”だった。就任早々に安倍の総裁3選を可能にする党則改正をぶち上げ、電光石火で党内論議を取り纏めた。二階は、「総理にはもっと感謝してもらわんとな」と満足げに語る。安倍は、自身に思想信条が近い“お友だち”で周囲を固めたい気持ちがある一方、二階や官房長官の菅義偉(68)といった異なるタイプの政治家を高く評価する。安倍は事ある毎に、「百戦錬磨、自民党で最も政治的技術を持っている」と二階を持ち上げ、二階も「ポスト安倍は安倍」と長期政権を支える立場を徹底してきた。安倍が悲願とする憲法改正は今秋、大きなヤマ場を迎える。「臨時国会までに党独自の改憲案を纏める」と宣言したからだ。実現できなければ、自らの求心力低下に繋がりかねない。それを纏めるには、“阿吽”の関係を持つ二階の腕力が不可欠になる。ただ、その腕力は時に軋轢を生む。二階が狙った無所属で自らの派閥に所属する衆議院議員・長崎幸太郎(48)の復党問題。先週になって突如、「今の執行部のうちに一定の結論を出したい」と党紀委員長を務める山東昭子(75)を嗾けた。書面提出で多数決にかける強行突破を試みた。しかし、18人の委員の内、二階の意向に沿って復党に賛成したのは6人。しかも5人は民間人で、国会議員での賛成は自派の河村建夫(74)だけ。二階は「党人事後の次の体制で審議する」となお執念をみせるが、党内からは「派閥を拡大する為に幹事長のポストを使っているだけだ」との不満も表面化する。安倍1強への逆風が強まる中、来年9月には党総裁選、年末には衆議院議員の任期満了が控える。「衆議院解散は総理の権限ですが、選挙は1人でできますか?」。衆議院解散風が吹いた3月中旬、二階は安倍にこうクギを刺したことがある。安倍と二階。阿吽の関係は、緊張関係の裏返しでもある。 《敬称略》 =おわり


⦿日本経済新聞 2017年7月21日付掲載⦿
スポンサーサイト

テーマ : 政治のニュース
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR