【コラム】 拝啓、安倍晋三様…信無くんば立たず

何故、こんなにまで安倍内閣への支持が凋落したのでしょうか? 政策に大きな誤りがあったのか? 決してそうではありません。テロ等準備罪を一部マスコミは徹底批判しましたが、世論調査では賛成のほうが多かったのです。岩盤規制を打破しようとする特区制度が間違っていたのか? そんなことはありません。『加計学園』問題への対応や国会審議の強引さ等、政治の進め方に問題があったのです。政治で最も大切なことは、“信無くんば立たず”です。安倍内閣の不支持の理由のトップが「首相が信頼できない」という事態は深刻です。10年前から、新内閣の発足の度に総理大臣宛ての手紙を本紙で書いてきました。次に挙げるのは、第2次安倍内閣以降5回の見出しです。『非情の宰相であれ』・『長期政権考えるな』・『心耳澄まし謙虚に』・『度量の広さを示せ』・『左ウィングを広げよ』。長期政権に目を奪われると足元が疎かになります。近い人ほど厳しく対応すべきです。“公正さ”が問われるからです。反対者の意見を受け入れる謙虚さも必須です。残念ながら、懸念が的中することになりました。今改めて、関東大震災の復興にあたった後藤新平が、身近な人に常々語った“御親兵一割の損”という言葉を思い出します。「自分は身贔屓しないから、側近になれば損する」ということです。後藤の女婿・鶴見祐輔は、『正伝 後藤新平』(藤原書店)で書いています。「後藤は権要の地位に就くときは、かえって平生親しい人々を採用することを遠慮した」。内閣改造で経験者を重視したのは当然です。為すべきことは一杯あります。北朝鮮の核・ミサイル危機は風雲急を告げています。多くの民は景気回復の実感は持てないでいます。少子化対策や地方創生も待ったなしです。しかし、改造したからといって支持率が回復できる訳ではありません。宿願の憲法改正も、信頼が無ければ到底無理です。外交で起死回生の妙手があるとも思えません。退路を断って、国民の為に為すべきことを丁寧に一歩一歩進めることでしか道は開かれないことを、肝に銘ずべきだと思います。 (特別編集委員 橋本五郎)


⦿読売新聞 2017年8月4日付掲載⦿
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