【徹底解剖!東京都庁】(11) 給料“爆上げ”伝説も…島嶼勤務、そのミステリアスな日々

大島・新島・青ヶ島…。島嶼勤務は厳然と存在する。東京都庁職員もよく知らないと言われるその仕事内容と、驚きの待遇メリットとは? (取材・文/本誌編集部)

20170807 01
東京都には、民間人が住む11の島と、海上自衛隊や気象庁関係者だけが常駐する2つの島(※硫黄島・南鳥島)がある。島が東京都に属する以上、そこで働く都の職員たちがいる。この島嶼動務は、都庁で働く職員たちの格好の話題の1つであり、都民からも高い関心を持たれている。世界最大の経済規模を誇るメガシティー・東京のど真ん中で働く筈だったのに、配属先は人口数百人、海に囲まれた何も無い南国の離島――。そのギャップは想像するだけでもユニークだが、現在、11の島で500名近い都の職員・臨時職員・教職関係者が働いている。そして、この島勤務は、若い世代の職員たちにも高い人気を集めるかなりの人気部署であるという。左表の通り、11の島は東京都総務局に属する4つの支庁の下に管轄されており、其々、大島支庁(※大島・利島・新島・式根島・神津島)・三宅支庁(※三宅島・御蔵島)・八丈支庁(※八丈島・青ヶ島)・小笠原支庁(※父島・母島)といった具合に分かれている。其々の支庁には勿論、数十名から100名以上の職員が働いているが、島に出張所がある場合、そこにも10名程度。更に、どの島にもある小中学校では都の教職員が働いており、また島嶼保健所の栄養士や港湾・空港職員、更に非常勤職員として自然保護レンジャーや農芸員等が配備されている島もある。東京の島は、例えば大島であれば大島町、青ヶ島であれば青ヶ島村といったように、其々独立した町村なのだが、その町役場や村役場とは別に、都の職員も業務の為に島で働いている訳だ。

島での仕事は、自然災害等が起きた時は別として、基本的にはのんびりしている。支庁であれば未だオフィス的だが、小さな島の出張所等は田舎を通り越した僻地だ。ただ、それだけに、自然を受し、海を愛する野生派、特に独身者にとっては魅力溢れる勤務で、「一生と言われれば躊躇いもあるが、2~3年であれば是非行って見たい」と、人事の度に思わぬ数の希望者が名乗りを上げるという。学校の教員や警視庁の警察官も一応は都の職員なので、その意味では全ての島に、広い意味での“東京都職員”がいる訳である。「ただ、伊豆諸島や小笠原諸島は、沖縄や鹿児島などの島と違って、あまり情緒的ではないですね」と語るのは、長年に亘って日本の島を取材して歩いたカメラマンだ。「島の住人は方言も殆ど無いし、食生活が大きく変わるでもない。インターネットもあるので情報が遅れることもないし、案外、内地からやってきた職員たちも、期待していたような南国パラダイスではなかったことに拍子抜けするみたいですね。都庁の人間は、どうも杓子定規というか、柔軟な対応ができる人が少ないので、現地民と馴染んで飲みに行ったり、釣りに行ったりという人は少ないですよ」。都庁職員が敢えて地元に馴染まず、行政マンぶるのには、「人間関係の狭い島で、人間関係を急速に深め過ぎるのは良くない」という長年の“教訓”もあるのだという。島では恒常的に人材が不足しており、過去には支庁で勤務していた都の職員が村の助役を頼まれるようになり、一旦、都を退職して村の助役になった後、また都に復職したケースな等が実際にあった。しかし、島に深入りすると、大抵は政治的な対立に巻き込まれ、その収拾係になるのがオチだという。「2003年、青ヶ島村の村役場総務課長が、内地に出て援助交際をしていたところを逮捕され、大騒ぎになったことがあった。実は、東京の島で働く地方公務員が、都会の歓楽街で女遊びをして羽目を外すというのは定番なのですが、人口200人もいない島でスキャンダルが報じられたら、仕事などできなくなってしまいますからね」(同)。離島といっても、ヘリコプターを使えば、青ヶ島から羽田空港までは待ち時間を入れても2時間程度。それほど長旅でもない為、都会が恋しくなると下世話な目的で密航してくる公務員も少なくない。しかし、中には小さな島に深い愛情を注ぎ、学校の教え子たちと一生の関係を築くような教員や職員もいるという。「例えば、西新宿に青ヶ島屋という居酒屋がありますが、この店は都庁にも近く、島の行政関係者が都庁へ出張した時等は必ず寄る等、情報交換の場として有名です。やはり23区辺りでは経験できないネタが色々あるので、本庁で働く島嶼勤務経験者たちのコミュニティーもあったりするくらいですから、都庁職員たちにとって、島での生活は特別な思い出になることが多いんでしょうね」(同)。

島勤務の都庁職員で他のメリットがあるとすれば、給与面での優遇が挙げられるだろう。大島~母島の11島では“特地勤務手当”なるものがあり、15%から最大で25%(※父島・母島)もの割増給与となる。とはいっても、元々、本庁であれば18%程度の地域手当があり、そこから異動すると、そのパーセンテージが7%程度まで一旦下がるので、実際には地域手当が5~10%割増しになる感覚。しかし、それでも島によっては本庁より1割以上給与が増えるのだから大きい。更に、遠隔地加算による昇給もある。簡単に言うと、1年で2年分の昇級が受けられるというもので、ボーナスにも影響してくる為、年間ベースにして30万円以上優遇を受ける計算になるという。ここまで増えればかなりのインパクトである。給与も増えるが、使う場所が抑々少ないのも大きい。八丈島クラスであればキャバクラや居酒屋はあるが、特に入り浸るほどの面白さでもないし、住居関連は勿論、用意された格安の職員だ。単身用で上手く入れれば月額は2万円台。内地で遊ぶ誘惑にさえ負けることがなければ、平職員であっても3年間で300万円の貯金を貯めることができそうである。「ただ、支庁の職員の主な仕事は、本庁からやって来る視察関連のアテンドといった、ありとあらゆる“お客さん対応”が多い。それには車両を購入する必要があったりして、意外にカネがかかる部分もある。田舎暮らしに全く興味が持てないという人には勧められないですね」(前出のカメラマン)。行政関係の仕事より大変なのは、小笠原支庁等に技術系で派遣される職員だ。世界遺産として登録されている小笠原諸島には貴重な動植物が生息しているが、例えば海技職員の場合、調査指導船に乗って、父島から更に約1000㎞離れた沖ノ鳥島に行くことすらあるという。ここまで経験するのは、16万人以上いる東京都職員の中でも指折り数えられるほどだろうが、本庁で都の政策決定に携わる幹部も、亜熱帯の地で島民の生命を守る技術系職員も、同じ都庁マンであることに変わりはない。希望者が多いと言われる島勤務だが、積極的な希望者だけが配属される訳ではなく、寧ろ「好んで行きたいとは思わないが、『行け』と言われれば行く」という職員が選ばれる確率が高いという。「人事上の公平を来す意味や、あまりに島を愛し過ぎている職員は、何かと不都合な問題を起こすリスクが高い」と思われているのかもしれない。3年間“島流し”を経務すると、流石に次は本庁に戻され、今度は一転、大都会暮らしになることが多いとも言われている。定年まで都庁に勤務して、どこかの島で数年間働くことになる確率は、拒否さえしなければ「20~30人に1人くらい」(現役課長)というが、この島勤務のロマンが、都庁職員の仕事を一際輝かせていることは間違いないだろう。


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