【小池流1年・これまでこれから】(下) 誰が知事をチェック?

20170808 08
西新宿の高層ビル街の一角にある東京都議会。来月の本会議の論戦を控え、小池百合子知事が特別顧問を務める地域政党『都民ファーストの会』の新都議たちが、ほぼ連日、都の政策課題の研修等を受けている。5人の都民フ都議のうち、地方議員の未経験者は25人。都民フ幹部は、「早く一人前になる為には勉強を続けるしかない」と明かす。研修に力を入れる背景には、都民フが知事の“チェック機能”を果たせるかどうかへの疑念が付き纏うことがある。地方自治体は、首長と議会を共に選挙で選ぶ“二元代表制”を採用。相互に監視し合うのが本来の姿だ。“小池支持勢力”が過半数を占めた今、「二元代表制が揺らぐ懸念がある」との批判が出ている。都議選前に都民フの代表に就任した小池知事は、都議選の投開票の翌日、代表を僅か1ヵ月で辞任。小池知事は「都民フの決定に関与しない」との姿勢を示しているが、別の党のある都議は「小池氏の応援を受けて当選した都議が知事をチェックできる筈がない」と切り捨てる。

都知事は、職員約17万人とスウェーデン並みの13兆円規模の予算を握る等、強い権限を持つ。一方で、予算案や条例案は議会の同意が無ければ成立しないほど、議会の存在感は大きく、歴代の都知事は議会との関係に苦労してきた歴史がある。1995年に就任した青島幸男知事は、『世界都市博覧会』の中止を巡って都議会と対立。提出した条例が相次いで否決され、苦境に立たされた。それとは対照的に、都議選の勝利で小池知事は都政と都議会の両輪を押さえ、自らの政策を推進できる環境が整った。3年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックの費用の財源問題、受動喫煙防止対策、『築地市場』の『豊洲市場』への移転問題。1年目に積み残した政策課題は少なくない。“小池1強”の状況下、今後、都議会定例会で論戦が本格化。受動喫煙防止条例や豊洲の土壌汚染対策の予算等の審議がスタートする。これまで敵対してきた自民党は、小池知事の出方を窺う構えだ。十分な論議が尽くされず、知事提案の条例案や予算案が通過すれば、都議会の存在意義が問われかねない。様々な政策課題の論戦に、都民フはどう臨むのか? 元三重県知事で『早稲田大学マニフェスト研究所』の北川正恭顧問は、「小池知事と都民フが対等な立場にあるとは言い難い」とみる。その上で、「党内の議論をオープンにして、知事の言いなりではないことを証明する責任がある。それができない場合、小池知事と都民フは有権者からの信用を失うだろう」と指摘する。日本経済新聞が都議選で実施した出口調査では、小池知事の支持率は69.1%に達した。高い支持率を背景に、将来の国政進出が取り沙汰される小池知事。都政2年目の舵取りは、その行方をも占う。


⦿日本経済新聞 2017年8月3日付夕刊掲載⦿
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