【薬のホント・健康食品のウソ】(03) 医師監修でも信用できない…インターネット上にエセ情報が蔓延る理由

「サプリが癌に効く」等の記事で大炎上し、閉鎖に追い込まれた『DeNA』の医療キュレーションサイト『WELQ』。しかし、また同様の事態が勃発しているという。インターネット上で医療情報を扱う難しさが垣間見える。

20170808 10
「そもそも私たちの周囲には、常に細菌が存在しています。それは、尿管周辺も同じです」――。この文章は、『ヘルスケア大学』という医療情報サイトに掲載されていた“膀胱炎”に関する記事の一部だ。この中には、医学的には極めて初歩的な間違いがあるというが、どの箇所かわかるだろうか? 泌尿器科が専門の『五本木クリニック』・桑満おさむ院長によると、「尿管は、腎盂腎炎という病気でもない限り、通常は無菌状態」という。へルスケア大学は、全ての記事を「医師をはじめとする医療の専門家の監修の下に作成している」と謳っており、其々の記事の一番上には監修医師の名前と写真が掲載されている。しかし、冒頭の膀胱炎の記事には、「15分見ただけで、他にも致命的な間違いが複数あった。真面な医師が監修しているなら、これに気が付かない筈がない」(桑満院長)。桑満院長は自身のブログで、同サイトの複数の記事に医学的な間違いがあることを指摘した。すると間もなく、該当する記事から医師の写真と名前が削除されて、“ヘルスケア参画ドクター”という言葉に変更されたり、記事自体が非公開とされたページもあった。因みに、6月7日時点で、冒頭の膀胱炎の記事は、他の医師の監修を受け、修正済みのものに変更されている。ヘルスケア大学の運営会社である『リッチメディア』は本誌の取材に対し、「お問い合わせを受け、内容に誤りが見つかった記事について、事実確認及び修正対応中であることをお知らせする対応を取っている」と回答するが、桑満院長はこの姿勢に疑問を呈する。

桑満院長が直接話をした際、リッチメディアの坂本幸蔵社長兼CEOは、「掲載記事が数万ページに及ぶ」としながら、「走りながら精査して訂正する」と弁解していたという。医学的な誤りがある記事は、問い合わせがあったものだけとは限らない。全てのページを改めて医師に監修させ、更に他ページからの無断引用は無いかを調べる等の作業をいつまでに完了できるのか。その間にも、誤った医療情報が世間に拡散する恐れがある。昨年騒動になったWELQは、指摘を受けて潔く閉鎖した。「へルスケア大学も一旦閉鎖した上で、記事の見直しをすべき」と桑満院長は促す。ヘルスケア大学には、他にも不可解な点がある。トップページに記載されている参画医師の数が、5月24日には5183名だったが、6月7日時点で4313名になっているのだ。「医師、若しくは医療機関と契約を締結し、掲載している」(リッチメディア広報)というが、この騒動が明るみに出て「初めて自分がこのサイトに参画医師として掲載されていた事実を知った」という医師もおり、削除要請が続出したとみられる。昨年、誤った医療情報で大炎上 したWELQが閉鎖に追い込まれ、他の医療メディアも閉鎖や内容の見直しを図る等、医療に関して信頼性の低い情報はある程度淘汰されたように見えた。そんな中で、ここにきてヘルスケア大学の問題が急浮上してきたのは、「健康関連のキーワードを検索すると、このサイトが上位に表示されていたことが背景にある」と、SEO(※特定のキーワード検索で上位に表示される対策)に詳しい『so.la』の辻正浩代表は分析する。WELQも同様で、「一時期は健康関連キーワードの検索結果で、他の医療情報サイトにかなりの差をつけていた」(辻代表)という。左上図は、健康関連キーワードの検索結果で、上位表示されるサイトと、そのキーワード数の推移を表したものだ。辻代表は「上位に表示される医療サイト全ての信頼性が低い訳ではない」と断った上で、「Google検索では、短期間で大量の記事を掲載したウェブサイトが上位に表示される傾向がある。WELQは、まさにそのアルゴリズムを絶妙に突いていた」と解説する。ヘルスケア大学も前に述べた通り、記事は数万ページに及んでいる。大量の記事を短期間に投下するには、人海戦術しかない。WELQでは、インターネットを介したクラウドソーシングで、医療媒体の経験を問わずライターをかき集め、安い単価で大量の記事を執筆させていた。その結果、医学的な間違いや、他サイトからの無断引用等といった欠陥だらけの記事が量産されてしまった。ヘルスケア大学は「テスト原稿を基に編集部でライターを精査している」と言うが、抑々、最大の売りだった“医師監修”に疑問符が付く以上、この説明は少々苦しい。ウェブメディアの多くは広告料が主な収益。広告料を得るには、民放テレビ番組の視聴率と同じで、多くの人にサイトを訪れてもらう必要がある。その為には検索結果の上位表示が不可欠だが、辻代表は「医療メディアは、SEO以上に、先ずはサイトの信頼性に力を注ぐべき」と苦言を呈する。冒頭で紹介した膀胱炎の記事の誤りを指摘できた人は、殆どいないだろう。基本的に、素人が医療情報の真贋を見抜くのは至難の業。“信頼できるサイトはごく僅か”ということを前提に、上手く付き合っていきたい。


キャプチャ  2017年6月17日号掲載
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テーマ : 医療・健康
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