『日本相撲協会』は一代年寄授与問題を放置…稀勢の里ブームに隠された“引退できない”白鵬の苦悩

稀勢の里が奇跡の逆転優勝を果たし、空前のブームが到来している相撲界。しかし、10年以上に亘り角界を支えてきた第一人者の白鵬は今、深い悩みを抱えている。大横綱の知られざる心象風景とは――。 (取材・文/本誌編集部)

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新横綱として臨んだ大相撲春場所で、左腕に重傷を負いながら、“史上最大の逆転撃”で連覇を成し遂げた稀勢の里。両国国技館で行われる来たる5月場所も、稀勢の里効果で空前の人気となっており、19年ぶりに誕生した日本出身横綱への期待は、益々大きくなりそうな状況である。「確かに、先場所の優勝はファンの心を打つものがありました」と、相撲評論家の中澤潔氏が語る。「恐らく、新横綱の場所で休場は許されないという責任感が勝ったと思うのですが、左腕が利かない状態でよく勝てたと思います。逆に言えば、本割・優勝決定戦と2連敗した照ノ富士の相撲は、如何にも芸が無かった。まさに、相手に『投げて下さい』と言わんばかりの寄り方で、稀勢の里の唯一の勝ち筋に自分から飛び込んでしまっている。相手は左を使えないのだから、そういう場合は右を封じながら寄ればいいのに、左から行ってしまい、その結果、右の小手投げを打たれてしまった。力だけで勝ってしまう人にありがちな粗い部分が出てしまいましたね」。形の上では、稀勢の里と並んで“同点優勝”の照ノ富士は、5月場所で優勝すれば一応、横綱昇進基準である“2場所連続優勝かそれに準ずる成績”を満たすことになるが、今のところ、綱取りのムードは全く立ち上がってこない。この1年で3回、カド番だったこともあるが、春場所でも琴奨菊での一番に立ち合い変化して勝つ等、相撲内容にも“注文”が付けられている。

「変化ということだけで言えば、稀勢の里も照ノ富士との本割の相撲で左右に変化しているが、怪我をしていることが明らかだった為に特に批判されなかった。稀勢の里は、春場所13日目の日馬富士戦で土俵下に転落した際に左腕を強打したものと言われていますが、何度VTRを見ても、左上腕内側の部分をどこで打ったのか、よくわかりませんでした。稀勢の里は、土俵を割る瞬間に既に顔を歪めていたように見え、『日馬富士の当たりを正面から受け止めた瞬間に、既に筋肉を損傷していた可能性があったのではないか?』と私は思っています。嘗て、元双葉山が(時津風)理事長だった時代、当時の横綱が取組中にやはり左腕を傷め、休場したことがあったのですが、その時に双葉山は『本場所で怪我するのは稽古不足だ』と言い切ったことがありました。稀勢の里も、『ああいった形での怪我は横綱として恥ずかしいことだ』という認識があったからこそ、優勝インタビューで『治療に専念し、早く土俵に上がりたい』という言葉が出てきたのだと思います」(同)。ファンの期待を一心に背負う稀勢の里。その一方で、急速に影が薄くなっているのが、第一人者の白鵬だ。最後に優勝したのは昨年の5月場所。以降、2回の休場があり、最も勝った場所でも11勝止まりに終わっている。並みの横綱であればそれほど騒がれないが、歴代最多の優勝37回を誇る大横綱が、1年近く優勝を逃し続ければ、“衰え”が指摘されるのは当然のことである。「実際に衰えはあると思います」と然るスポーツ紙記者が語る。「負けることそのものよりも、負け方が以前には無かった、正面から相撲を取って力負けするパターンが時々見られるようになった。年齢的にも32歳と、近年の横綱としては最年長の部類に入っており、仕方がないことかもしれません」。優勝29回を誇った昭和の大横綱こと千代の富士は、35歳まで現役を続けたが、近年の“大型化時代”における横綱の引退年齢は、昔より早くなっている。北勝海以降の横綱引退年齢は、北勝海28歳、大乃国28歳、旭富士31歳、曙31歳、貴乃花31歳、若乃花29歳、武蔵丸32歳、朝青龍29歳。こうしてみると、32歳の白鵬や、間もなく32歳の鶴竜、33歳の日馬富士が横綱として“晩年”に差しかかっているのは明白である。しかし、史上最強の横綱として、この10年間の角界をリードし続けてきた白鵬の“存在感”が、稀勢の里の登場でここまでかき消されてしまうのは、やや不思議である。「白鵬が実績面で角界最大の功労者であることは、誰しもが認めているところですが、それが正当に評価されていないように見えるのは、1つに本人の土俵態度、そしてもう1つは国籍の問題が関係していると思います」と、前出の中澤氏が語る。

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「何度か指摘されていることですが、懸賞金を受け取る際の動作や、独自の解釈による土俵入りの所作等、白鵬には驕りが垣間見える点が未だに多い。これは、本人がもう少し努力すれば直すことのできる部分だったと思います。また、相撲協会は現在も、白鵬が日本国籍を持っていないことを理由に、一代年寄の授与を考えていないようです。白鵬のほうも日本国籍の取得を考えていないとなると、これはどれだけ優勝し、相撲界に貢献したとしても、“日本人でなければ角界に残るな”という論理になる。私の考えでは、これは明らかな差別であり、“年寄名跡の取得を日本人に限る”とする規約の早急な見直しが必要だと思いますね」。日本の相撲ファンの間から「白鵬の一代年寄を認めないのはおかしい」という大合唱が起こっていないのが寂しいところだが、この問題は、引退も見えてきた白鵬にとって喫緊の課題となっているのである。前出のスポーツ紙記者が語る。「白鵬が『これ以上優勝を重ねたとしても、自分に対する周囲の評価を変えられない』と感じ取ってしまえば、若しかしたら引退は早いのかもしれません。好きな相撲の世界に残るにはどうしたらいいのか。白鵬の悩みは相当深いレべルに達しているが、それに対して誰も助力できないのが、今の相撲界の現実なのです」。白鵬は何故、モンゴルの先輩である旭天鴨(※現在の大島親方)や琴欧洲(※現在の鳴戸親方)のように、日本国籍を取得しないのか? それは、白鵬の実家の事情が関係している。

「白鵬の父であるムンフバトさんは、メキシコオリンピックのレスリング重量級で銀メダルを獲得した祖国の英雄。息子の国籍変更には、これまで一貫して反対しており、父を敵に回すことはモンゴル国民全員を敵に回すことにもなる為、白鵬も長い間、板挟みになっている。ただ、そのこと自体はよく知られた話なのですが、白鵬の両親が頑なに帰化を認めないのには、別の理由もあると言われている。若し白鵬が日本人になるとすれば、日本人である夫人方の籍に入るのでしょうが、実は白鵬の両親が夫人の父親を全く信用していないのです。というのも、夫人の父親は嘗て児童買春で検挙された過去があり、勿論、白鵬サイドもそのことを知っている。『天下の大横綱である息子に、そのような家の姓を名乗らせる訳にはいかない』というのが、白鵬の両親の本音なのです」(前出のスポーツ紙記者)。白鵬の一代年寄・帰化問題については、2015年に死去した北の湖理事長時代、「特例的な規約の変更が検討されるのではないか?」といったムードも高まっていた。しかし、それは具体化することなく、北の湖理事長から八角(※元横綱の北勝海)理事長体制に移行すると、話は完全に立ち消えになった。こうなると、白鵬はどうしても協会に“特例”を認めてもらうしかない。そこで注目されているのが、宮城野部屋の2人の力士の活躍である。現在、幕内に石浦、十両に山口という2人の宮城野部屋力士がいるが、この2人は白鵬の内弟子である。つまり、若し白鵬が日本人ですんなり親方になれるのであれば、引退と同時に“白鵬部屋”がスタートし、2人は所属力士になるという構図だ。「石浦はアマチュア相撲の名門である鳥取城北高校相撲部の石浦外喜義監督の息子で、同校は照ノ富士・貴ノ岩・逸ノ城といったモンゴル出身力士を輩出する等、白鵬とも関係が深い。石浦や山口が今以上に活躍すれば、白鵬は自身の功績に加え、既に人気力士を育て上げたという実績を加味して、協会や世論にアピールすることができるという訳です」(同)。ここにきての稀勢の里人気で、白鵬への声援が相対的に弱まっているのは気がかりだが、実績では圧倒的な数字を残しているだけに、いざという場面では、心ある日本の相撲ファンの後押しが無い筈はないだろう。「尤も、白鵬に特例を認めるのであれば、『じゃあ日馬富士や鶴竜はダメなのか?』といった論理が当然出てくる為、協会は未だに規制緩和に二の足を踏んでいる。しかし、白鵬に残された時間はそう長くはない。この問題は、稀勢の里ブームに隠された、協会の大きな懸案になりつつあるようにみえます」(同)。稀勢の里が横綱に昇進した2017年初場所で、白鵬は千秋楽で大関の稀勢の里と対戦。鬼気迫る相撲で一気に土俵際へ追い詰めた。それは、自身と対戦する前に横綱昇進が内定した稀勢の里に対する先輩横綱の意地に他ならなかったが、白鵬は逆転の投げを食らい、土俵下に転落した。稀勢の里人気が盛り上がるほどに深刻さを増す白鵬の悩み――。第一人者の苦悩に気付いているファンは、どれほどいるのだろうか?


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