【体技心・田中将大4年目の挑戦】(04) 進化へ、変化恐れず

20170823 03
『東北楽天ゴールデンイーグルス』を初のリーグ優勝・日本一に導いた2013年。勝負所を迎えて直球で押し、雄たけびを上げる田中の姿を思い出すファンも多いだろう。翌年に『ニューヨークヤンキース』に移籍してから、直球に対する考えは変わったという。一般的に投手の生命線と言われる外角低めについても、「『困った時に外角低めに投げとけば抑えられる』なんてそんな甘いもんじゃない。メジャーの打者は外角でも(腕が)届くし、力も全然違う。簡単にホームランになる」。また、「自分の真っすぐは通用しない」と自虐的にこぼしたこともあった。1ヵ月ほど前から、「これまでの野球人生で投げてこなかった」高めの直球の割合を増やしている。大リーグ4年目の今季、1試合に複数の本塁打を浴び、大量失点で崩れる試合が目立つ。リーグ全体を見ても、「打球に25度から35度の角度をつけると本塁打になり易い」等とするデータを利用し、「ゴロではなくフライを狙って打つ打者が増えた」という傾向が報道される中で、1つの結論に辿り着いた。「他球団のバッテリーが高めの直球を使うケースも増えているし、自分に対して、明らかに(相手打者が)低めにしか目を付けていないことには気付いていた」。

僅か97球で完封勝利を挙げた4月27日の『ボストンレッドソックス』戦のように、制球力を生かし、少ない球数で長い回を投げることができるのが田中の特長でもある。「態とボールになるような、そんな無駄な1球を投げても仕方ないと思っていた」という右腕にとって、大きな変化だった。「今まで本格的に投げなかったから、絶対的な自信がある訳ではないけど、抑える為には使っていかないと」。ストライクからボールゾーンに浮き上がる高めの直球を見せて、打者の目先を変え、低めのスプリットやスライダーで打ち取る。最近はそんな配球がよく見られる。投球フォームも模索を続ける。今、気を付けているのは、左足を着地させた時の右腕の位置、所謂“トップ”をどう作るかだという。「コンパクトにトップをしっかり作って投げること。結局、トップの位置が遅れてしまうと、制球も良くならないし、力のある球も投げられない」。微妙に動く速球を身に付け、5年連続2桁勝利を挙げたチームの先輩・黒田博樹さんも、メジャーでは日本時代からの“変化”で活路を開いた。日頃から「現状維持を目指していたら落ちていくだけ」と話す28歳。立ち止まらず、変化を恐れず、メジャーの強打者たちに立ち向かう。「マウンドで思うようにボールを操り、打者を打ち取ることができたら――」。田中のようにとはいかなくても、「制球力を身に付けたい」と願う少年少女、そして草野球愛好家は多い筈。その1人として、田中に「良い練習方法はないか」と尋ねてみた。「方法ですか?」とにやりと笑い、続けた。「自分で『どうすれば良くなるんだろう?』って考えながら投げることです」。“特効薬”を期待した下心を見透かされてしまった。“野球の上達に近道はない”ということか。 (ニューヨーク支局 宮崎薫)


⦿読売新聞 2017年7月27日付掲載⦿
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