【南鳥島に注目せよ!】(20) 未来を“量”で支える海底熱水鉱床

20170823 02
海底熱水鉱床については、レアアース泥と同様、これまでかなり深く掘り下げてきた。何故なら、レアアース泥とはまた違った角度で、日本の未来を支える資源だからである。レアアースの需要がいくら増えたといっても、鉄・銅・鉛・亜鉛・アルミニウムといったベースメタルの需要に比べれば微々たるもの。少量で機能するレアアースと比較するのは流石に暴論だが、自動車の生産に必要な“量”で言えば、これはもう圧倒的にベースメタルだ。それに、ベースメタルも決して安いものではない。その代表例が銅で、非常に高い電気伝導性と熱伝導率を持つ、貴金属に近い立ち位置のベースメタル。熱伝導率の高さを利用した加熱・冷却システムや、電気伝導性の高さが求められる電線等、国内外での需要は高まる一方だ。平均的な一軒家に存在する銅を全て合わせると、何と100㎏にもなると言われている。用途が広い鉄・鉛・亜鉛は、世界中で膨大な量が消費されているだけに、需要の見通しが立てやすい。それはつまり、事業収支を黒字化し易いということでもある。こういった“量”が必要とされるべースメタルを、大量に回収できる可能性を秘めた海底熱水鉱床。しかも、開発に向けた実証実験が行われる予定の『Hakureiサイト』だけで740万トンと、資源量も十分だ。

ベースメタルの回収が主となるので、価格変動が激しいレアアースと違って、商業化を見据えた試算も比較的容易。日本近海で発見されている鉱物資源では、海底熱水鉱床が最も算盤を弾き易い。海底熱水鉱床が有する“強み”はまだまだある。例えば銅の生産だが、現在はチリ、ペルー、インドネシア、カナダ、オーストラリア等、世界各国から原料となる銅精鉱を輸入して、精錬を行っている。しかし、沖縄近海の海底熱水鉱床石が採れるようになれば、海外からの輸入に比べて輸送コストは格段に安くなる筈。国内での“選鉱”という課題が残されているが、そこが上手くクリアされれば、生産コストの低下にも大きな寄与が期待できそうだ。ここで、右上表をご覧いただこう。海底熱水鉱床の開発に向けたプロジェクトを解説したものだが、そこに“④選鉱・製錬技術”というテーマがある。選鉱とは、ターゲットとする金属の含有率を向上させるプロセスのこと。海底の泥からレアアースを回収する際にも幾度となく分離が行われるが、陸上で採れる鉱石の場合でも、それは全く変わらない。例えば銅鉱石の場合、元々の含有率は1%前後に過ぎない。これを選鉱して、銅が30%前後含まれる状態にしたものが、日本が海外から輸入している銅精鉱なのである。当然、海底熱水鉱床で採られた鉱石にも選鉱は不可欠。商業化に向けた選鉱・精錬の連動試験は、2018年度中の実施が予定されている。採鉱から精鏡に至る一連の技術が確立されれば、そこから先は多業化まで一本道。前進あるのみだ。


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