井上邦雄組長不在の神戸側に警戒が広がる! 『任侠団体山口組』の知られざる巨大戦力解剖

『任侠団体山口組』の旗揚げから、はや2ヵ月が経つ。対立する『神戸山口組』はトップが逮捕され、勾留長期化が囁かれる混乱状態にあるが、それを尻目に任侠側は着々と勢力を蓄えている。次なる一手を、彼らはどう打つのか? (取材・文/フリージャーナリスト 柳沢十三)

20170901 01
2017年6月6日、神戸山口組を統率する井上邦雄組長(※4代目山健組組長兼任)が、詐欺容疑で兵庫県警に逮捕された。4年ほど前に知人女性の名義で携帯電話の機種変更をしたという微罪だった。ところが、逮捕勾留期間一杯の同16日の午前、釈放されるかと思われた井上組長は京都府警に再逮捕され、兵庫県警の葺合署から身柄を京都に移送されたのだ。同時に、京都に本拠を構える指定団体『会津小鉄会』の馬場美次元会長(※6代目)ら数人も同容疑で逮捕された。「井上組長の再逮捕容疑は暴力行為等処罰法違反(集団暴行)等です。1月11日、京都市内にある会津小鉄会本部周辺で、馬場元会長らと共謀し、神戸側の傘下組織組員らに指示して、6代目側の傘下組織組員らや会津小鉄会組員らと乱闘を起こさせたという疑いがもたれています。乱闘が起きる前日、6代目側の傘下組織組員らが会津小鉄会本部を占拠していた時に、井上組長と馬場元会長が連絡を取り合っていた事実が携帯電話の履歴から明らかになっており、そこで自身がトップを兼任する4代目山健組の組員らに本部の奪還を指示したと京都府警はみているようです」(大手紙関西支局社会部記者)。乱闘事件の直後、会津小鉄会では其々、『弘道会』と『山健組』がバックアップする2つの7代目体制が発足。現在も依然として緊迫した空気が京都を覆っている。その為、「井上組長と馬場元会長に続く逮捕者も出るのでは?」と推測され、事件の裾野は更に広がる様相を呈しているのだ。この騒動が勃発した1月当時は、井上組長を頂点に一枚岩と思われた神戸側だったが、実は修復し難い亀裂が組織内部、とりわけ山健組内で発生していた。そして、周知の通り、4月末に神戸側から離脱したメンバーらにより、任侠団体山口組(織田絆誠代表)が結成された。

発足当初、山口組の第3極として脚光を浴びた任侠側だが、ここ最近の動きは、井上組長の逮捕という大きなニュースに隠れて目立っていない。しかし、実は内部では着々と組織体系の強化が進められていたのだ。任侠側の全国に広がる直系組織のネットワークの状況や、傘下組織の動向、また組織を力強く支える有力親分衆の横顔に迫る――。現在、任侠側の勢力は、最高幹部・舎弟・直参らを合わせると50名を超える。直系組長の数で比較すれば6代目側とほぼ互角で、神戸側を大きくリードした状態にある。彼ら各直系組長の本拠地は、地元の関西地区だけで半数以上を占めるが、他の直系組織を調べると、北は北海道から南は鹿児島まで、全国各地に広がる様子が浮かび上がってきた。「5月28日、任侠側は旗揚げから初めてとなる定例会を開催しています。その席上、全国のブロック編成が発表されました。神戸ブロックは山﨑博司本部長補佐(※『3代目古川組』組長)、大阪北ブロックは久保真一本部長補佐(※『山健同志会』会長)、大阪南ブロックは大谷榮伸本部長補佐(※『京滋連合』会長)、東日本ブロックは金澤成樹本部長補佐(※『山健連合会』会長)が其々就任しています」(関西地方にあるテレビ局記者)。神戸ブロックに属する兵庫県には池田幸治本部長(※『4代目真鍋組』組長)を含め10名ほど、また大阪北ブロックにも属している大阪府内には、織田代表を含めて20名ほどの直系組長が其々本拠を構えている。「更に、大阪南ブロックのブロック長を務める大谷本部長補佐が本部を置く京都と、和歌山を加えた関西地区には、盤石な体制が構築されている。そして、鹿児島の薩州連合会(福井誠則会長)しか直参がいなかった九州地区も、6月2日に福岡で活動する2代目植木会(植木隆総裁・植木亨会長)が電撃的に加入したことで、重要な直轄地となった」(山口組を長年取材しているベテラン記者)。広大な東日本ブロックに目を移すと、長野県には金澤本部長補佐が率いる山健連合会を含めて、計5団体の直系組織が集中。新潟県と・富山県・茨城県・千葉県・東京都・静岡県にも其々、直参が拠点を築いている。そして、6代目側と神戸側が激戦を展開してきた札幌にあっても、任侠側は直参を擁しているのだ。東北地区には直参が存在していないが、『奥州同志会』が頑強な地盤を構築している。同会は、山健組から離れた元『竹内組』や元『邦道連合』のメンバーらによって構成された連合体だ。「正確には任快側の直系ではなく、金澤本部長補佐の直属の組織として、5月初旬から活動している。但し、今後の展開次第で組織が拡大していけば、いずれは金澤本部長補佐が率いる山健連合会に入るか、更には任侠側の直系に昇格することもあり得るのではないか?」(ヤクザ業界に詳しいフリーライター)。この山健連合会と、久保本部長補佐が率いる山健同志会は、共に任侠側の発足直後に結成された団体だが、他の直系組織とは形態が異なる。加盟する傘下組織のトップらの多くが、任狭側の舎弟や直参なのだ。

20170901 02
「両組織の傘下団体が、いずれも元山健組の強豪ばかりで注目を浴びているが、任侠側の直系組織が集まった親睦団体と捉えるのが適当でしょう。山健同志会が主に西日本、山健連合会が主に東日本に活動拠点を構える傘下組織で構成されています。他の老舗組織でも、本部が近い組織同士が集まって定期的に会合を開く親睦団体はありますが、任侠側のように新しい組織での親睦団体は珍しいと言えます」(長くヤクザ業界を取材してきた実話誌系記者)。新しい組織が登場する一方、2代目山口組と縁が深い名跡が掘り起こされてもいる。それが、任侠側直参の松谷雅史会長が率いる『2代目大下会』である。「大下会とは、任侠側の大下秀夫相談役(※『秀誠会』会長)が以前に澄田組内において統率していた組織名称。澄田組とは、山口登組長が牽引した2代目山口組で若頭だった澄田寿三親分が、山口組の離脱後に興した老舗だ。その2代目体制で大下相談役は若頭を任されて、初代大下会を発足させたそうだ」(元山口組関係者)。その後、『3代目澄田組』体制時に山口組に加入して、『3代目澄田会』と改称した。同時に、大下相談役も山健組に移籍し、秀誠会を立ち上げて大下会の名前を封印したのである。澄田会の系譜は、竹森竜治組長が継承し、4代目澄田会を率いていたが、2012年に6代目山口組から除籍。2015年10月になって神戸山口組で復帰し、現在は舎弟として組織の繁栄を支えている。5月28日の定例会が開催される前、織田代表・池田本部長らは、山口組の“中興の祖”である田岡一雄3代目組長が眠る『長峰霊園』を訪れた。そして、墓前に新組織の結成にかける熱い思いを報告したと言われている。

「毎月28日に定例会を開催するのは、田岡3代目の誕生日が3月28日だからだ。また、定例会の冒頭、全員によって山口組綱領が唱和され、その後、織田代表は山口組綱領にある言葉を取り上げ、その内容を組員らに向かって熱心に語りかけていたと聞いている」(ヤクザ業界の動向に詳しいジャーナリスト)。こうした田岡3代目を信奉する姿勢と、山口組の原点に立ち帰ろうとする動きを合わせて考えれば、今後も埋もれた名門の復活は大いにあり得るところだ。一方、大下会のように嘗ての名跡が復活した訳ではないが、任侠側に参加する為に山健組から移籍してきた傘下組織で、組織名称の変更が最近、相次いでいるという。「山健組を率いる井上邦雄組長の名から“邦”の字を貰って付けていた6組織は、軒並み変更している。山健組から離れたのだから当然かもしれないが、邦勇會が小嶋会(小島大享会長)、邦侠会が輝侠会(加茂輝幸会長)、3代目邦道連合が3代目絆連合(西川純史総長)等、これほどわかり易い例は過去に殆ど無い」(前出のベテラン記者)。任侠側の結成会見において、最高幹部らが井上組長に対する痛烈な批判を繰り返していたことからもわかるように、任侠側から神戸側の匂いを消そうと躍起になっているのだろう。ここで、織田代表や池田本部長の他、注目される最高幹部や直参にスポットを当ててみたい。先ず、5人いる本部長補佐陣で筆頭を占める山﨑本部長補佐は、3代目古川組を組長として率いている。任侠側に移るまで、神戸側幹部の古川恵一組長が牽引する2代目古川組で若頭を務めていた。「古川2代目組長の下、片腕として練腕を振るっており、移籍しなくても古川組の3代目組長の座は確実視されていた逸材。最近、古川2代目は実話誌系週刊誌のインタビューで、山﨑本部長補佐の振る舞いに疑問を呈していたが、山﨑本部長補佐は一切、関知しない姿勢を貫いている。古川組の看板を下ろそうとする様子もないし、尼崎にある古川組本部も今や任侠側の本部と化している。かなりの根性者であることは間違いない」(関西で活動する他組織関係者)。続いて、山健同志会を纏める久保本部長補佐は、山健組では幹部に名を連ね、大阪北責任者としても活躍していた。「現在、4代目山健組で顧問職に就いている宝満国広初代組長が立ち上げた宝満組で修行を積み、2代目を継承していました。山健組では将来を嘱望される期待のホープでしたから、任侠側への移籍には多くの関係者が驚いたようです。この宝満組も古川組と同じく、先代は神戸側に残っているパターンです。現在は宝満組組長ではなく、山健同志会のトップとして大きな責任を背負いながらも、任侠側の最高幹部としての役割も十二分に果たしています」(前出とは別の大手紙社会部記者)。

20170901 03
大谷本部長補佐は、任俠側が発足して1週間後に突如として、6代目側の直系組織幹部の地位を投げ打って移籍した。まさかの6代目側直系の『淡海一家』から任侠側への移籍にも誰もが驚愕したが、その苛烈な経歴にも再び周囲は驚かざるを得なかった。「何しろ、“不死身の大谷”の異名ですからね。淡海一家の前には会津小鉄会、山健組の健竜会にもいたそうですが、その長い渡世の間に頭や胸等急所ばかりを3回も銃撃されています。しかし、その度に奇跡の復活を遂げたことにより、伝説的な親分として業界では有名だったそうです」(ヤクザ専門誌で活動するフリーライター)。山健連合会を統率する傍ら、広大な東日本ブロックの責任者として一瞬たりとも気の抜けない金澤本部長補佐は、任侠側を代表する若きエースの1人だ。「4代目山健組では若頭補佐の一角を担い、織田代表の一番の腹心として、行く場所へ常に同行しては、厳しい視線を周囲に向けて圧倒していた。2016年3月に東京都内で神戸側の東京責任者らが集まって会合を開いた際、織田代表も上京したが、そこにも金澤本部長補佐はぴったりと付き従って、警察やマスコミを寄せ付けなかった。ガードとしてのセンスはピ力イチだったが、組織運営の手腕も長けていると聞く。だからこそ、結成直後は直参だったが、瞬く間に本部長補佐に抜擢されたのだろう」(捜査関係者)。6月に加入してから現職に任命されたのが、植木亨本部長補佐である。実兄である植木隆総裁と共に任侠側に加入し、同時に最高幹部入りを果たすという離れ業を成し遂げた。

「植木兄弟は武闘派として、九州ヤクザの間では知らぬ者がいないほど有名だ。共に中野会の中野太郎会長から薫陶を受けており、その剛腕ぶりは抜きん出ている。これまで其々別組織を率いていたが、任侠側へ加入するにあたって、合併して2代目植木会と改称したそうだ。組織への貢献の期待は高まっている」(九州地区に本拠を置く他組織組員)。直参にも注目すべき人材は多い。中でも、新井孝壽情報戦略局長(※『雅新会』会長)と牟田秀次郎警護隊長(※『牟田会』会長)は、その器量と根性において突出していると評される。「新井情報戦略局長は、その役職通り、任侠側に纏わる情報の全てを収集・分析しており、またマスコミ対応でも情報の統制に細心の注意を払っていると聞く。発足会見でも、集まったマスコミらを抑えるのに尽力したそうだ」(関西地区で活動する他組織幹部)。牟田警護隊長の名は、任侠側が発足して以降、最も早くメディアを賑わしたことで知られる。「任侠側の発足当日の夜、神戸市内で山健組の與則和本部長(※與組組長)と牟田警護隊長が口論から殴り合いとなり、後日に逮捕されている。見るからに頑強な体躯とその腕っ節で、何度となく修羅場を切り抜けてきた猛者として怖れられている。噂では、渡辺芳則5代目を警護する為に選抜された山健組の秘密部隊“スワット”の精鋭だったという話もあるほどだ」(同)。こうした情報戦や肉弾戦でも図抜けた能力を有する俊英が揃う任侠側だが、近い将来、6代目側や神戸側と事を構える事態は訪れるのだろうか? この予想については、元6代目側関係者が次のように分析してくれた。「尤も、ぶつかる危険性があるのは神戸側だろう。今、井上組長が傷害の容疑でパクられ、検察庁に送られたことからも、どうやら長引きそうな気配がある。そうなれば、どうしたって神戸側には隙ができる。恨みや動機がある任侠側なら、そこを突くのは容易に想像できるからな」。とはいえ、6代目側にも油断はない。特に弘道会は、織田代表の動向を注視しているという。「若し任侠側が6代目側とぶつかるなら、相手は弘道会以外にはあり得ないからな。弘道会支配によって山健組が長らく冷や飯を食わされた記憶は、神戸側に移っても、更に任快側に動いてからも消えはしない。織田代表がいくら反社会的組織からの脱却、不良外国人の排斥、海外での邦人警護だとか叫んでも、ウチらの認識は変わらない。常にファイティングポーズを取っているようにしか見えないね」(同)。任侠側の結成から2ヵ月が経過しようとしているが、6代目側と神戸側との抗争が表面化し始めたのも、凡そ2ヵ月が過ぎた頃だった。任侠側が全国にネットワークを広げている以上、間もなく全国各地でトラブルの火の手が上がったとしても不思議ではない。


キャプチャ  第23号掲載

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

山口組百年の血風録 完全保存版【1000円以上送料無料】
価格:1404円(税込、送料無料) (2017/9/1時点)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

六代目山口組激動の1年/ダークホース【1000円以上送料無料】
価格:1728円(税込、送料無料) (2017/9/1時点)

スポンサーサイト

テーマ : 暴力団
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR