【有機EL&半導体バブル】(09) メモリー価格は高止まり、ウエハーも価格引き上げ

20170904 12
旺盛な半導体需要を背景に、メモリーの価格が高止まりしている。市場調査会社『DRAMエクスチェンジ』によると、DRAM(※現在の主流規格であるDDR3.4ギガビット品)の価格は、昨年4~6月期の1.3ドルを底に、足元では2.4ドルまで上昇した。NANDフラッシュメモリー(※64ギガビット・MLC品=1つのセルに複数の情報を記憶する方式)については、昨年1~3月期のの2.1ドルを底に、足元では2.6ドルまで値上がりしている。価格上昇に伴い、メモリー半導体メーカーの業績も急拡大している。メモリーで世界首位の『サムスン電子』の半導体部門は、今年1~3月期に40%を超える営業利益率を達成。このままメモリーの高値が続けば、半導体売上高で世界首位の『インテル』を4~6月期にも抜き、初めて世界首位に立つ可能性があると予測されている。IoT(モノのインターネット化)時代の本格的な到来、それに伴うデータ通信量の増加によって、メモリー市場は今後も好調が続く見通しだ。アメリカの市場調査会社『ICインサイツ』は、2016~2021年のメモリー市場の年平均成長率を7.3%と予測し、2016年の773億ドル(約8.5兆円)から、2020年には1000億ドル(約11.1兆円)を突破すると予想している。こうした旺盛なメモリー需要を追い風に、半導体を製造する中心的な材料であるシリコンウエハーの需要も旺盛だ。直径300㎜ウエハーの世界需要は、半導体市況が回復した昨年4月以降、月平均520万~530万枚で推移しており、既にウエハーメーカーは、半導体メーカーからの発注に“全てには対応できないアロケーション(配給)状態”にある。だが、「需要は2020年に月600万枚を超えるレベルに達する」と予測されており、半導体メーカーは増産を強く求めている。

これに対し、世界2強の『信越化学工業』や『SUMCO』等、シリコンウエハーの主要メーカーは、多額の設備投資を伴う増産の前に、半導体メーカーに対して値戻し(※価格の引き上げ)を求めてきた。シリコンウエハー業界では、過去に需要動向を無視した韓国や台湾等のメーカーの増産投資によって価格下落が進行し、その水準が維持されてきており、増産に向けた投資余力が生まれ難い状況になっている為だ。SUMCOは、「月産10万枚分の増産を想定する場合、既存建屋に製造装置を導入する方式では300億~350億円がかかり、40~50%の値戻しが必要」との見解を示している。「建屋から新設する方式だと400億~450億円がかかり、60%の値戻しが必要」としている。こうした状況を受けて、一部の半導体メーカーは昨年末から値戻しに応じ始めた。ファウンドリー(※半導体の受託製造)最大手の台湾『TSMC』は、昨年10~12月期の決算説明会でウエハー価格の改定に応じたことを認め、「2017年の粗利益率を0.2ポイント押し下げる要因になる」と述べている。ウエハー各社は、今後も引き続き値戻しの交渉を続けていく考えだ。信越化学工業は、昨年度に一部で値戻しできたことを認めた上で、今後も顧客や品種による価格のばらつきを収斂させ、先端半導体向けのウエハーにプレミアムが反映される状況に是正することを目標として、交渉を続ける。SUMCOは、直径300㎜ウエハーに続き、需要が旺盛な直径200㎜ウエハーでも値戻し交渉を本格化させていく考えだ。並行して、ウエハー各社は、技術進歩による歩留まりの向上等で旺盛な需要に対応していく構えだが、予測通り旺盛な需要が続けば、増産投資は不可欠だ。SUMCOは、「順調に値戻しが進めば、2018年にはウエハーの価格水準が新規投資に踏み込めるレベルに達する」との見解を示している。この場合の新規投資とは、既存建屋に製造装置を導入する方式を指す。この見解を考えると、2019年にも増産投資が実施されそうだが、それまで半導体メーカーはウエハーの確保に神経を尖らせなければならない。 (『電子デバイス産業新聞』編集長 津村明宏)


キャプチャ  2017年6月13日号掲載
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