『日本電産』、スマート工場化でアジアの人員3万超削減

20170906 04
『日本電産』が、アジアのグループ会社工場で、AI(人工知能)やロボットを活用し、自動化を徹底するスマート工場化を進めている。昨年3月末に約8万人いた従業員数を、今年6月には約4万8000人へ大幅削減することに成功した。産業界では、ここ数年、スマート工場化が本格的に進みつつあるが、短期間に3万2000人もの人員減を達成した例は珍しい。同社が本格的に取り組み始めたのは2015年度初めから。中国・フィリピン・ベトナム・タイの十数ヵ所のグループ工場でスタートした。スマート工場化の中核は、部品・資材・機械等を運ぶ自動搬送車と、精緻な部品取り付け等が可能な多関節(6軸)ロボット、そしてカメラを使って製品の不具合認識等を正確に行うビジョンシステムといった機器・装置等の導入だ。例えば自動搬送車は、最新機種ではレーザーで周囲を認識して、人や物の前で止まったり、エレベーターにも単独で乗って移動したりする機能も備え、自動化を徹底する仕組みになっているという。其々、グループ内の企業が持つ技術を活用した。

自動搬送車は変速機メーカーの『日本電産シンポ』、多関節ロボットは液晶搬送ロボット等を手掛ける『日本電産サンキョー』、ビジョンシステムは光学機器メーカーの『日本電産コパル』が新規事業等の一環で開発してきた。日本電産がアジアで本格的にスマート工場化を進める背景にあるのは、「人件費の高騰と生産ラインの従業員の人手不足」(同社取締役副社長執行役員の佐藤明CFO)だ。ここ4~5年、中国で人件費が高騰し、ベトナム等に日本企業の工場の一部が移転する動きが本格化したが、「そのベトナムもこの2年で人件費が30%も上がった」(同)という。更に、アジアの生活水準の向上で、大手でも生産ラインの従業員志望者が若年層でも頭打ちになってきたことから、先駆けて対応した。アジアの工場では短期間で辞めてしまう従業員が多く、募集活動を抑えると自然に人員が減る為、リストラ等による強制的な人員削減は実施していない。スマート工場化で人海戦術型の工場を自動化工場に置き換えた格好だ。欧米の工場にもこのシステムを導入する考えだが、既に自動化が進んでいるところが多く、アジアほどの効果は出ない見通しという。同社は、このシステムを今後外販し、新事業に育てる他、こうした効率化等を梃子に、今年3月期の営業利益率11.7%を2021年3月期には15%に引き上げる考え。今期約600億円(予定)の研究開発費は、2021年3月期に1400億円と2.3倍にするという。狙うのは、需要が大きく伸び続けている車載や産業用のモーター、モーターを核にした機構部品等の技術者を増やすことだ。スマート工場化等による体質強化で、「成長市場の技術者を増やし、更に成長を図る」(永守重信会長兼社長)という。 (取材・文/本誌主任編集委員 田村賢司)


キャプチャ  2017年9月4日号掲載
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