【かわる職場】(下) AI、組織活性の味方

20170908 03
「チームリーダーが周囲との対話を増やすと組織が活性化する」――。人工知能(AI)が導き出した『三菱東京UFJ銀行』の職場改善策のひとつだ。資産運用商品を案内するコールセンターで社員の行動のデータを集め、分析した。「活性化の度合いに応じ、来店予約数が年に5%増える」との試算も示した。分析システムは『日立製作所』が開発。社員は名札型のセンサーを首から下げる。いつ誰と話したかや、体の揺れ等のデータを蓄積。誰のどんな行動が社員の幸福感を高め、職場を活性化するか。膨大なデータに基づいて提示する。同銀の安喰友里調査役(32)は、「社員の満足度が高いからこそ、顧客の満足度も高められる」と狙いを説明する。社員が仕事に集中できているかを調べる眼鏡もある。大手眼鏡チェーン『JINS』が開発した。鼻パッドの電極が瞬きや視線の移動等を検知。送られたデータを専用アプリで判定する。休憩のタイミングを計るのにも役立つ。開発を担当した井上一鷹さん(33)は、「より効率的な働き方に近付ける」と話す。

AIやITの進歩は著しい。「人間の仕事を奪う」との不安の声もあるが、使い方次第で「人間は新たな付加価値を生む仕事に集中できる」(『野村総合研究所』の木内登英氏)との指摘もある。『大和ハウス工業』は今春から、パソコン上で単純な業務を自動で熟すプログラムの導入を進めている。“デジタルレイバー”と呼ばれる取り組みだ。グループ会社の決算情報の収集や勤務データのチェック等の業務が自動化された。長時間労働の是正に役立っている。「働き易さは人材確保の面でもアピールに繋がる」(同社人事部の山下裕次長)と期待する。人材紹介会社『ネオキャリア』のシステムは、社員がスマートフォンやタブレット端末で撮影した自分の笑顔をAIで分析。異変があれば、面談等で離職防止に繋げる。導入した内裝業『丸高工業』の高沢治世子常務は、「仕事に余裕が無くなると、社員の表情が冴えなくなる。目配りが足りないところはAIが助けてくれる」と話す。日本は今後、生産年齢人口が急速に減少する時代を迎える。政府の『働き方改革実現会議』の民間議員を務めた『三菱総合研究所』の武田洋子氏は、「多様な働き方の取り組みが欠かせないが、AI等の技術を活用すれば産業の構造転換に繋がり、成長力の底上げも期待できる」と指摘する。職場の変化への対応力も問われている。

               ◇

栗原健・寺島真弓・工藤彩香・高市由希帆・山村英隆・松本裕平・川口尚樹が担当しました。


⦿読売新聞 2017年8月17日付掲載⦿
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