【有機EL&半導体バブル】(10) 画像作成も電源も…『Apple』が独自開発を加速

20170911 13
ITサービス企業の中で一足先に半導体を自社開発していた『Apple』が、その流れを加速させる。今年4月に「AppleがGPU(グラフィックスプロセッサーユニット)を自社開発する」という報道があり、更に数日後、今度は「パワーマネジメントIC(集積回路)も自社開発する」という報道が流れた。GPUはアニメや絵を描く為の専用のIC、パワーマネジメントICは様々なICに電源を供給し、消費電力の制御を司る。Appleはこれまで、GPUのIPコア(intellectual property core)については、イギリスの『イマジネーションテクノロジーズ』の独自技術を有料で使えるライセンス供与を受けてきた。IPコアとは、IC上の重要回路部分の設計情報だ。因みに、製造は台湾の『TSMC』等のファウンドリー(※半導体の受託製造)が手がける。技術供与開始時に支払うライセンス料は1回限りであるが、製品の売り上げや販売量に基づくロイヤルティーは毎年支払ってきた。Appleが支払ってきたライセンス料とロイヤルティーの総額は、今年4月末までの1年間で6500万ポンド(約3億6000万円)に上るとみられる。また、パワーマネジメントICはドイツの『ダイアローグセミコンダクター』から購入してきた。イマジネーション、ダイアローグ両社の技術が搭載されたApple製品は、未だ2年間は市場に残る見通しだ。この点で、両社には2年間の猶予があると言える。何故、Appleは半導体を自社開発するのか? それは、半導体こそスマートフォン『iPhone』やタブレット端末『iPad』等のシステムを、他社よりも差別化できる部品だからだ。

例えば、ウェブブラウザを開いたり検索したりする際は一瞬で作動してほしいし、遅ければイライラが募る。だから、動作処理を行う演算装置(アプリケーションプロセッサー)の性能をもっと上げたい。そこで、プロセッサーの心臓部分であるCPU(※演算を担う半導体)の構造を、Apple自らが工夫するのが得策となる。アプリケーションプロセッサーには、GPU・CPU(=ハードウェア)・プログラム(=ソフトウェア)が組み込まれている。CPUの中では、例えば「足し算と掛け算を収束するまで計算しなさい」というプログラム命令がきたら、収束するまで何度でも計算する。これが動作の遅れに繋がる。対策として、プロセッサー内のソフトウェアを工夫する。しかし、これでは効果に限界がある為、ハードウェア(半導体回路)を工夫して、計算の繰り返しを減らすのが得策となる。スマホでは消費電力の増加も許されない。最適化された半導体を使えば、消費電力を上げずに性能を上げ、『Android』等の競合スマホに対して差別化できる。海外メディアによると、Appleは最大80人の技術者が、既にパワーマネジメントICの開発に取り組んでいるという。また、イマジネーションから技術者数人を採用した。Appleは本当に独自にGPUを設計できるのか? Appleは、半導体設計技術のIP(※設計情報)を持つアメリカの『イントリンシティ』を2010年に買収している。この会社は嘗て、世界一のIP供給源であるイギリスの『ARM』と提携していた。2007年にはイントリンシティの独自技術が寄与して、両社連合がiPadのプロセッサーの性能を大幅に上げた実績がある。Appleは、そのイントリンシティを買収して、ARMの技術を取り込んだ。あの時以来、Appleは独自のアプリケーションプロセッサー『Aシリーズ』をA10にまで進化させた。イマジネーションのGPU技術は、アメリカの『エヌビディア』やARMと比べて消費電力が2桁程度小さく、モバイルに特化している。Appleがイマジネーションの知的財産に抵触せず、低消費電力のGPUを開発することは困難と見る向きも多い。一方、Aシリーズの進化のように、GPUの独自開発も可能かもしれない。 (国際技術ジャーナリスト 津田健二)


キャプチャ  2017年6月13日号掲載
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