【体技心・田中将大4年目の挑戦】(05) ローテ守る責任感

20170912 08
日本より約20試合多い年間162試合を戦う大リーグ。ナイター後にチャーター機で移動して、翌日の朝方に到着した都市で、その夜にまた試合をすることが日常の過密日程だ。先発投手は原則5人を中4~5日で回すが、一度も休まず年間33~34試合を投げ切れる投手は、メジャー全体でも例年数えるほどしかいない。先月27日にアメリカ通算100試合登板を果たした田中は、前日にこう話していた。「時間がかかった。ちゃんとローテーションを守っていたら、(4年目の)今季前半くらいには達成できた数字じゃないかなと思う」。1年間投げ続けることへの拘りは強い。先月、田中は2年ぶりに故障者リスト(DL)に入った。9日の登板後に右腕に普段と違う疲労感を感じ、首脳陣に伝えた。先発の柱を1試合でも欠くことは、チームにとって大きな痛手であると重々承知の上で、「残りのシーズン全部パーになるほうが、よっぽど迷惑をかける」と決断した。

「葛藤はあったか?」と尋ねると、「勿論ある」と即答し、続けた。「『どこの張りも感じない』とか、『どこの痛みも無い』とか、そんな選手、皆無でしょ。絶対に、自分の体の状態との鬩ぎ合いがある。ギリギリの決断ですよね」。11年間のプロ生活の中でも、苦渋の選択を迫られる瞬間は幾度もあった。『楽天イーグルス』時代の2010年8月29日。先発した『西武ライオンズ』戦の序盤で右胸を痛めた。「2~3回で『やばい』って感じだったけど、チームも苦しい状況だったし、こんな早い回で降りたらダメだな」と6回まで投げた。翌日、右大胸筋部分断裂で全治3週間と診断され、残りのシーズンを棒に振った。「(続投は)若さ故のところもあった。本当に賢い判断だったら、(痛みを感じた)その時点で止めておいたほうが良かったとも思う」。“体”を“心”でカバーしようとした21歳の日の経験は、苦さと共に脳裏に刻まれている。今回の田中は、登板を1回飛ばしただけでDLから戻り、先月22日の『デトロイトタイガース』戦は7回3失点で9勝目。中4日で臨んだ27日の『シアトルマリナーズ』戦は7回1失点で4年連続の10勝目に到達した。「僕はその時、それが最善だと思って、いつも選択している。何が正解かなんて、その後にしたことで評価される」――。28歳になった右腕が葛藤の中で下した決断を、きっと周囲は正解と認める筈だ。「『投げる前にこれをしなきゃいけない』というルーティンは特に無い」と話す田中だが、ニューヨークの本拠地『ヤンキースタジアム』で登板する日は、デーゲームなら朝食に、ナイターなら昼食に、自宅で必ずオムライスを食べるのが習慣になっている。料理の腕前に定評のある妻の里田まいさん手製の“勝負メシ”も、長いシーズンを戦う田中の体を支えている。 (ニューヨーク支局 宮崎薫)

⦿読売新聞 2017年9月1日付掲載⦿
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