『楽天』が中古iPhone発売、iPhone商戦に新たな戦場――“認定中古”を本格展開、新機種投入で中古供給も増加

20170912 05
「大手携帯電話会社が扱うiPhoneの新品は価格が高くなっており、購入を躊躇う顧客も増えている。当社がiPhoneを販売することで、今まで開拓できていなかった顧客層を取り込む」――。今月1日、新たにiPhoneの販売を開始した『楽天』の大尾嘉宏人執行役員は、こう意気込む。同社の今回の動きは、日本のスマートフォン(スマホ)市場で大きなシェアを持つiPhoneの販売地図に、大きな影響を及ぼす可能性がある。楽天が新たに発売したのは、“CPO(Certified Pre-Owned)”と呼ばれるiPhone。メーカーである『Apple』が設けた品質基準で、中古品を審査・再整備して販売するもの。自動車でいえば、『メルセデスベンツ』や『トヨタ自動車』の高級ブランド『レクサス』が設けている認定中古車制度のように、メーカーが品質にお墨付きを与えている。中古品ながら信頼性が高いことが強みだが、これまで日本ではあまり見かけなかった。元々、品質の良い中古品を再整備して販売していた為、通常の中古品に比べ、流通量が限られていたからだ。この為、主要供給者である海外業者から卸してもらう条件が厳しく、格安スマホ会社が大量調達して継続的に販売するのが難しかった。実際には取り扱う企業はあったものの、安定調達するだけの体力が無い為、期間や台数を限定した販売に留まっていた。楽天より前にCPOをテスト販売した経験を持つ格安スマホ会社の幹部は、「入荷した傍から飛ぶように売れるのは確かだが、それだけの需要に対応する為の体制を用意できなかった」と溜め息を吐く。そこに名乗りを上げたのが、格安スマホ3位の楽天だった。従来の中古品に比べ、品質を売り物にできるCPO販売の本格展開に乗り出す。日本は、世界的に見てiPhoneの人気が突出している。調査会社の『IDCJapan』によると、スマホの国内出荷台数の5割強(※2016年)をiPhoneが占める。日本のスマホ市場はiPhoneが牽引してきたと言っても過言ではない。ただ、高機能化が進んだこともあり、iPhoneは価格が上昇。上位機種では10万円超と高価になっている。熱烈なAppleファンは、新機種登場の度に買い換えても、一般のユーザーは手を伸ばし難くなっている。

楽天が扱い始めたCPOは、基本的には中古品の為、「最新機種は殆ど流通していない」(中古携帯電話販売業者)が、2015年秋に発売した『iPhone 6s』や『iPhone 6s Plus』、2016年春発売の『iPhone SE』といった比較的新しい機種が主流という。価格は「同じ機種の新品より1万円程度安いのが相場」(同)で、利用開始から1年間は新品同様にメーカー保証も付く。従来の一般的な中古品と違って、割安感と安心感がある。一定の品質が確保されるなら、新品に拘らないユーザーがCPOに流れる可能性がある。しかも、今後は供給量の増加も予想され、他の格安スマホ事業者が取り扱いを始める可能性も高まる。何故なら、今月、Appleは大手キャリアを通じて新型iPhoneを発売するとみられるからだ。新機種の投入は『NTTドコモ』・『KDDI』・『ソフトバンク』にとって大きな商戦になり、業界は盛り上がるが、一方で、買い換えによってiPhoneの中古品が市場で増加するきっかけになる。つまり、CPO市場への商品供給も潤沢になる訳だ。特に、日本にとっては現行モデル『iPhone 7』がCPOとして流通するようになれば、別の意味も持つ。iPhoneとして初めて日本の非接触IC方式『フェリカ』に対応し、『JR東日本』の『Suica』等のモバイル決済サービスが使えるようになった人気の機種だからだ。渋谷の中心街にある中古携帯ショップの店員は、「iPhone 7は高価にも拘わらず、格安スマホ利用者の引き合いが強い」と語る。CPOのiPhone 7には、顧客の関心も高い。これまで格安スマホ会社は、『Google』のOS『Android』に対応した国内外のスマホを取り揃え、携帯大手各社と顧客争奪戦を繰り広げてきた。iPhoneの新品の販売網は事実上、NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクが握っている為だ。格安スマホ会社の利用者がiPhoneを使うには、Appleから直接買うか、中古端末を自分で用意する必要があった。携帯大手は、格安スマホに顧客が流出しないようにする為、“サブブランド”にもiPhoneを扱わせてきた。具体的には、ソフトバンク系列の『ワイモバイル』や、KDDIのグループ会社が手掛ける『UQモバイル』が『iPhone 5s』やiPhone SEの新品を販売。iPhone人気の高さを背景に、格安スマホの台頭を押さえ込もうとしてきた。IDCによると、中古スマホの世界市場規模は、2020年に2015年比で約2.8倍の2億2260万台に拡大する見通し。国内でも中古スマホ市場は堅調に伸びている。今年3月に発足した中古業者の業界団体『リユースモバイルジャパン』によると、同団体に参加している大手8社による中古携帯電話の販売台数は、今年4~6月に45万台に達したという。「中古iPhoneの販売数は新品の出荷シェアに近い」(ある中古業者)といい、中古市場でもiPhoneが主役を担う。そこにCPOという選択肢が加わり、消費者は自分に合ったiPhoneを選び易くなる。iPhoneを擁する大手キャリアに、格安スマホ会社がアンドロイド端末で挑むという従来の戦いの構図に、iPhoneの新品と中古品による争いが加わることになる。Appleにとって、成長著しい格安スマホ市場でどう存在感を高めるかは大きな課題だ。CPOの登場で足場を広げた格好だが、新機種の買い替えが振るわなければ、CPOの拡大だけでなく、旧機種の新品の供給先を広げる等、一段と踏み込む可能性もある。 (取材・文/本誌 高槻芳)


キャプチャ  2017年9月11日号掲載
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