【薬のホント・健康食品のウソ】(06) 「ヨーグルトを食べるだけでは腸は健康になりません」――辨野義己氏(生物学者)インタビュー

20170912 09
――乳酸菌やビフィズス菌等の“善玉菌”が入った食品市場が活況です。その効果として、従来の“腸内環境の改善”だけでなく、“免疫機能の強化”や“ダイエット効果”を謳うものまで登場していますが、この状況をどう見ていますか?
「陽の健康にこれだけ注目が集まることは、長年、腸内細菌の研究をしてきた立場としては大変嬉しく思いますし、皆さんがイメージする“善玉菌=腸内環境の改善”については、特定保健用食品(特保)も多く販売されている通り、その因果関係が明らかになっています。しかし、科学的根拠に乏しい健康効果を堂々と謳っている商品も目に付きますね。免疫機能の強化やアレルギー症状の緩和、肥満への効果等が期待されているのは確かですが、未だ研究段階です」

――“腸内環境の改善”とは、具体的に何を指すのでしょうか?
「①便秘や下病が改善したり、便の量が増える等、便の性質改善効果が見られること、②腸内のビフィズス菌が統計学的に有意に増加すること、③腸内の有害物質が減少すること、④当該食品内の善玉菌が生きたまま腸まで達すること――の4つです。私は、特保の制度がスタートする際、この4つをヨーグルトに使われる菌株の許可基準に盛り込むよう要求しました。当時、幾つかのメーカーから『厳し過ぎる』と泣き付かれましたよ(笑)」

――善玉菌が入った食べ物なら、何でもよいのでしょうか?
「よく“発酵食品が腸に良い”と言いますが、科学的根拠が揃っているのは、発酵乳製品、つまりヨーグルトや乳酸菌飲料、辛うじて納豆くらいです。料理研究家を中心に、『動物性の乳製品より、麹やキムチ等植物由来の乳酸菌のほうが日本人の体に良い』と主張する方もいますが、麹やキムチによる腸内環境の改善効果を調べた試験は殆ど存在しません。従って、現段階では発酵乳製品以外の発酵食品に腸内環境改善効果があるとは言えません。また、発酵乳製品は、厚生労働省の成分規格で『生きた乳酸菌・ビフィズス菌・酵母等の数が賞味期限内に、このくらい含まれていなければならない』と定められていますが、その他の発酵食品には、このような規格はありません。善玉菌による健康効果を求めるなら、ヨーグルトや乳酸菌飲料をお薦めします」

――実は私、長年便秘に悩んでいるのですが、ヨーグルトを食べても中々改善しません。
「多くの方が勘違いしているのですが、ヨーグルトさえ食べていれば腸が建康になるという訳ではありませんよ。私は常々、良い便を出す為の条件として、“運動5:野菜4:ヨーグルト1”を提唱しています。ヨーグルトに含まれる善玉菌は、便が作られ易い環境に腸を整えてくれる、謂わば脇役的存在であり、先ずは便の材料となる食物繊維を摂取するのが大前提です。つまり、野菜・豆・茸・海藻ですね。そして運動によって、排便時に重要な役割を果たすインナーマッスルを鍛えることも重要です」

――今、腸内細菌と長寿の関連を研究されているそうですね。
「私自身が日本各地を回って長寿の方の便を採取し、腸内細菌を調べたところ、彼らには“酪酸産生菌”という善玉菌が多い傾向があることがわかりました。この菌が作り出す酪酸は、免疫力増強や癌の抑制効果等、様々な健康効果を有しており、この菌が健康、延いては長寿の鍵を握っているのではないかと期待しています」


キャプチャ  2017年6月17日号掲載
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