『都民ファーストの会』圧勝はまぐれ? 都民を愚弄し続ける小池百合子の嘘と欺瞞に満ちた人生

先日の東京都議選で圧勝した小池百合子知事率いる『都民ファーストの会』。まるで小池人気による勝利と見せかけているが、本当にそうだろうか? “政党クラッシャー”だった過去と、周囲を翻弄する渡り鳥の本性を暴く! (フリーライター 星野陽平)

20170913 10
7月2日、東京都議会選挙が投開票された。蓋を開けてみると、事前の予想を大きく覆し、小池百合子率いる都ファが圧倒的勝利を収めた。公明党等を合わせた小池支持勢力で過半数を上回り、それまで第1党だった自民党は現有議席から半減するという歴史的惨敗を喫した。だが、小池が都民から圧倒的な支持を受けたのかというと、疑問符が付く。今回の都議選での小池の勝利は、自民党の敵失によるところが殆どなのだ。高支持率を背景に強気の政権運営を続けてきた自民党・安倍晋三政権だったが、ここに来て長期政権の緩みからか、『森友学園』問題や『加計学園』問題、安倍首相の応援団だったフリージャーナリスト・山口敬之のレイプ疑惑、自民党議員・豊田真由子の秘書に対する暴行・暴言問題、選挙戦で「自衛隊としてもお願いしたい」と述べた稲田朋美前防衛大臣の失言と、立て続けにスキャンダルが噴出していた。「自民党は調子に乗っている」と有権者から見做され、一気に求心力を失った。投開票前日に秋葉原で行われた安倍の街頭演説では、聴衆から「安倍辞めろ」コールが沸き起こるという、これまでにない異常事態まで発生した。小池が勝ったというよりは、安倍が勝手にコケたというのが今回の都議選の真相なのだ。では、小池に一体、どんな政治手腕があるというのだろうか? 小池の半生は、知れば知るほど嘘と欺瞞で塗れていることがわかるのだ。

小池と言えば、“政界渡り鳥”という不名誉な異名で知られる。元々、『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)の初代メインキャスターだった小池を国政に引っ張り出したのは、日本新党を立ち上げた細川護熙だった。1992年、小池は「政治を変えるには、大きな中古車を修理するのではなく、小さくても新車のほうがいい」という理由から、参院選で出来たばかりの日本新党から出馬し、当選した。その後、日本新党の解党により、新進党に入党し、小沢一郎の側近として活躍した。新進党解党後は小沢と共に自由党を立ち上げたが、小沢と仲違いして保守党結党に参加した。保守党も離党すると、自民党へ合流する為、一時的に結成した形式上の政治団体だった保守クラブを経て、自民党へ入党。小池が政界入りした時には、「自民党を倒さなければ政治改革が前に進まない」と考えていたが、結局は“寄らば大樹の陰”なのだ。自民党入党までの小池の国政遍歴は落ち着きが無く、裏切りと打算に明け暮れていたのだった。辿り着いた先の自民党も、小池にとって終の棲家とはならず、都知事選に出馬することになったが、その理由は永田町でやっていけなくなったからだった。小池は元首相の小泉純一郎に重用され、小泉政権時代に環境大臣を務め、2005年には郵政民営化法案に反対票を投じた小林興起の当選を阻止する為の刺客候補として話題となった。また、第1次安倍政権時代でも防衛大臣を務めている。だがその後、自民党での評判は芳しいものではなかった。先ず、小池が自民党で評判を落としたのが、2008年に森喜朗が自民党の総裁選で麻生太郎を推薦した時に、独断で立候補したことが挙げられる。これによって小池は森のメンツを潰し、以降、森と犬猿の仲になったとされる。更に小池は、安倍と石破茂の一騎打ちとなった2012年の自民党総裁選で石破支持に回ったが、勝利したのは安倍だった。この件で、小池は徹底的に安倍に疎まれるようになった。安倍政権が長期化するに従い、小池は永田町で埋没していったのだった。昨年7月に実施された舛添要一の辞任に伴う都知事選は、小池の政治生命にとって千載一遇のチャンスだったのだ。小池は形振り構わず、都知事選を戦った。小池は自民党員でありながら、自民党東京都連の了承を得ず、勝手に出馬を表明した。次第に自民党都連批判へと舵を切り、記者会見で「しがらみ無く戦えるので、吹っ切れた。都連はどこで誰が何を決めているのか不透明」等と語り、法律上、権限も無いにも拘わらず、都議会の冒頭解散までブチ上げた。当然、小池は自民党からの推薦無しで選挙戦を戦うこととなったが、都議選同様、自民党の敵失に助けられた。当時の都政は、“都議会のドン”と呼ばれる自民党東京都連幹事長の内田茂が予算や人事を牛耳り、利権を漁っているとされ、世間から批判の声が上がっていた。小池はこれを奇貨として、“悪の自民党と戦う正義のヒロイン”を演じ、内田批判を徹底的に展開。内田の苛めで自殺したとされる樺山卓司元都議の妻まで演説に引っ張り出し、「内田さんの酷い態度が、夫を死に追いやった」と声を枯らして訴えさせる等、選挙とは関係のない見るに堪えない悪どい戦術に出た。

20170913 11
自民党は元総務大臣の増田寛也を担ぎ出したが、知名度では小池に劣り、不利だった。更に、石原慎太郎が増田の応援演説で「大年増の厚化粧」と小池を中傷すると、会場からは笑い声が起こったが、世間では非難が殺到。小池陣営の自民党衆議院議員・若狭勝が、街頭演説で「僕は許せない!」と涙を流しながら絶叫し、小池を擁護した。これで勝負は決まる。民進党等の推薦でニュースキャスターの鳥越俊太郎が出馬したが、高齢でボケていたので殆ど役には立たなかった。結局、小池は291万票を獲得し、圧倒的勝利を収めたのは記憶に新しい。小池と敵対した内田は自民党東京都連幹事長を辞任し、都議選にも出馬せず、引退に追い込まれた。では、都知事に就任した小池は何をしてきたのだろうか? 大きな話題となり、小池都政の象徴とも言えるのが、『築地市場』の豊洲移転問題だ。抑々、築地市場が開設されたのは1935年のことだが、1972年には移転計画が検討されていた。その後も様々な議論を重ね、紆余曲折を経て、最終的に『東京ガス』の跡地だった豊洲に移転することに決定。前東京都知事・舛添の時の2014年には工事が完成し、“安全宣言”が出され、2016年の開場が決定し、同年8月30日にはお披露目が行われた。だが、小池はその翌日、突如として土地の安全性の問題から、豊洲への移転先送りを表明。その後、豊洲市場で都が土壌汚染対策として進めていた盛り土がなされていないことが発覚し、地下水から環境基準を上回る有害物質が検出された。これらによって百条委員会が開かれ、元東京都知事の石原慎太郎や元東京都副知事の浜渦武生らが証人として召喚された。問題の責任追及で辣腕を振るった小池は、都政改革のスターとして持て囃されることとなる。

土壌汚染と聞くと問題だと思われがちだが、戦後、進駐軍のドライクリーニング工場があった築地市場の土壌からも、環境汚染を上回る有害物質が検出されていた。築地にしろ豊洲にしろ、土壌や地下水を食べたり飲んだりする訳ではない。土壌は分厚いアスファルトやコンクリートで覆われており、地上は安全であり、法令上の問題も無い。都は既に豊洲への移転費用として6000億円を投入しており、移転しないという選択肢はあり得ないのだ。小池が豊洲移転問題に拘ったのは、敵を作り出し、責任を追及する自らの正当性をアピールし、政治力を高める狙いがあった為。そして、その先に自らが主宰する都ファの都議選での勝利を見裾えていた。当然、小池と対立する都議会自民党は、小池の腹の底を見透かし、“決められない知事”と小池批判を展開した。都は、築地市場の移転延期に伴う業者の損失を補償する為、今年度予算案に50億円を計上している。小池1人の利益の為の“政治ショー”により、都民の税金が投入されているのだ。こうした批判を躱すべく、小池が捻り出したのが、豊洲への移転決定と、築地跡地を売却せずに商業利用等で有効活用していく方針だった。小池は、これについて“アウフへーベン”等と難しいことを言って誤魔化していたが、何のことはない。豊洲に移転するというだけであれば、移転の延期が単に時間とカネの無駄になってしまう為、取って付けたように築地の再利用を打ち出したのである。豊洲に移転するのなら、さっさと決定していれば、税金の無駄遣いも防げた筈ではないか? 更に言えば、散々自民党を悪役として利用しておきながら、小池はずっと自民党に籍を置いたままだった。小池が自民党を離党したのは、都知事に就任してから10ヵ月後の今年6月1日のこと。先述したように、小池は総裁選で石破支持に回った為に、安倍に嫌われており、安倍政権下では自民党と連携するのは困難だが、石破が安倍から政権を奪取すれば小池の存在感が増すだろう。その時がやって来るまでの保険として、自民党に籍を置いていたのではないか? このように見ていくと、世間を賑わしてきた“小池劇場”は、“都議会のドン”を追放し、巨額の税金を使って築地市場の移転を少し遅らせただけに過ぎない。

そして、そんな“小池劇場”の監督である小池百合子という政治家の根本には、損得勘定と打算と権力志向しか見当たらないのである。たとえそうであったとしても、単に小池が東京都知事というだけであれば、害は少ないかもしれない。だが、今や小池は、地方議会と雖も、49議席を有する都ファを率い、これから国政に打って出るだろうと目されているのだ。嘘と欺瞞の塊のような人間が国政を引っかき回すとしたら、危険なことである。とはいえ、如何に中身の無い軽薄な人間であるとしても、ここまで来てしまったら小池の国政への復帰を阻むことはできないであろう。我々は、増長した小池が国政で何をしでかすのか、事前によく理解しておく必要がある。そこで、「小池百合子にはどういう政治理念があるのだろうか?」と思い、色々調べてみたのだが、正直なところ、よくわからないのである。今のところ、小池は地方公共団体の長であり、特定のイデオロギーは打ち出していないが、過去の経歴を見ると保守色が強い。小池は、舛添が反日国家である韓国の前大統領・朴槿恵の要請を受け、韓国人学校の増設の為に東京都新宿区にある都有地を貸し出すとした方針を白紙撤回している。また過去には、日本の核武装について「国際情勢によっては検討すべきだ」とも発言している。小池の側近で、現在は都ファの代表を務める野田数は、2012年に日本国憲法の無効を主張し、大日本帝国憲法復活請願を都議会に提出したことのある極右政治家だ。とはいえ、小池の国政時代の実績と言えば、環境大臣時代にクールビズを流行らせたぐらいしか記憶に残っていない。都政に取り組むようになってからは、事ある毎に“東京大改革”と言っているものの、一体、何が“大改革”なのか、全く曖昧なままだ。前大阪市長の橋下徹が『大阪維新の会』を立ち上げたのは、大阪都構想を実現する為だったし、名古屋市長の河村たかしが『減税日本』を立ち上げたのは、党名の通り減税を実現する為だった。だが、小池が都ファを立ち上げた目的は特に無い。寧ろ、政治家としての小池の本質は、政策や思想よりは、戦略や戦術にあるのだろう。小池は度々、“孫子の兵法”を口にし、また、座右の書として『失敗の本質 日本軍の組織論的研究」(中央公論新社)を挙げているのはよく知られている。だが、“策士策に溺れる”という諺もある。このまま、中身も示さないまま、改革を叫び、都民、そして国民を引きずり回して“小池劇場”を繰り返すだけであれば、いつか足元を掬われることになるだろう――。


キャプチャ  2017年9月号掲載

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ついていったら、だまされる/多田文明【1000円以上送料無料】
価格:1296円(税込、送料無料) (2017/9/13時点)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

「小池劇場」が日本を滅ぼす/有本香【1000円以上送料無料】
価格:1404円(税込、送料無料) (2017/9/13時点)

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

検証・小池都政/横田一【1000円以上送料無料】
価格:1728円(税込、送料無料) (2017/9/13時点)

スポンサーサイト

テーマ : 小池百合子
ジャンル : 政治・経済

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR