【変見自在】 略奪する民

3.11大震災が起きた時、世界は驚愕した。「被災者は助け合い、少ない食べ物を分かち合っていた。略奪や暴動は噂も聞かなかった。皆、整然としていた」と『CNN』は伝えた。『ニューヨークタイムズ』も、「商店の襲撃や救援物資の奪い合いは全く無く、冷静に苦境に耐える民の姿に感動した」と報告する。論評の中に、日本嫌いで知られる同紙のニコラス・クリストフの体験記もあった。彼は阪神大震災の現場を踏んでいた。彼は、日本人が非キリスト教徒なのに高潔な精神を持つという話を信じなかった。「そんな訳はない。野蛮人の下卑た素顔を暴いてやる」と現場に入った。『ロサンゼルスタイムズ』のサム・ジェムスンも同じ思いで、先ずアウトロー山口組の根城を目指した。「連中は今が稼ぎ時。略奪・強姦に忙しかろう」と訪ねたら、ヤクザが被災者の為に炊き出しをしていた。クリストフはサムを嗤った。「俺は絶対、日本人の尻尾を掴む」。彼は崩れた街を駆け巡って、遂に数人の男が食料品店を荒らし、奪う現場に行き遭った。「やっぱり」。勝ち誇って、略奪された店主の怒りの声を期待した。「いや、彼らはあっちの人や」。言われてみて、確かに彼らは妻の祖国の言葉を話していた。彼は悔しくて、この話をずっと伏せてきた。3.11の後、やっと記事にした。「東北の人たちのマナーは、16年前の阪神の人たちと同じだった」と。韓国『中央日報』の記者である朴素瀅も、2つの震災を取材していた。そこには、略奪の影も無いどころか、自分のことで手一杯の筈の被災者が、一見の彼女らにまで親切を忘れない姿に、「日本の高い市民意識を改めて確認した」と書いている。そうした日本人の姿は、江戸期に来たスイス人外交官のエメ・アンべールも、明治期に来たラドヤード・キプリングも書いている。

そんな日本人が、大正12年9月1日の関東大震災の時だけおかしくなったと、今、韓国人や日本共産党が言う。日本人はその手の話にうんざりしている。加藤康男『朝鮮人虐殺はなかった』(WAC BUNKO)には、あの日、被災した日本人が3.11と同じに振る舞う姿が描かれている。焼け出され、食べる物も無い被災者の為に、「波止場人足が決死隊を組んで水没した倉庫に潜り飲料や果物を運び出し配った」と、朝日新聞の羽田三吉記者が報じている。その一方で、「品川に武装した鮮人が押し寄せ、麻布3連隊が出動」(北海タイムス)、「日暮里近くで女性が鼻梁を削がれ、局部にも重傷を負って倒れていた。7、8人の鮮人に輪姦されたという。青年団が警戒している」(河北新報)と伝える。強姦した上に鼻を削ぐような風習は、日本には無い。在京新聞社の多くは倒壊するか焼け落ちて、輪転機は止まっていた。それでもガリ版刷りの号外を出して、情報を被災者に伝えていた。それが指摘するのが、震災による火災の延焼を免れた牛込・四谷等で、震災の翌日になって不審な火の手が上がったことだ。そして、暴行と略奪騒ぎがそれを追うように続く。当時、東京には半島から来た8万人の朝鮮人がいた。彼らの振る舞いは、ヨーコ・カワシマ・ワトキンズ『竹林はるか遠く』(ハート出版)が語る、日本人避難民を集団で襲って犯し、奪い、殺していく鮮人と同じに見える。或いは、通化の大虐殺から逃げ延びた佐藤和江さんが、先日の産経新聞で語った“鉈を持って追いかけてくる朝鮮人”に似る。関東大震災の折に「略奪放火のデマで虐殺された」という朝鮮人犠牲者の追悼式に、今年は小池百合子が挨拶文を出さなかった。それで朝日が怒り狂って、小池を罵っていた。彼女のこれまでの所業は色々問題があったけれど、これは悪くない。「日本人があの日だけ特別に狂った」というなら、その証拠を出すがいい。略奪で歴史を刻む朝鮮人が「あの時だけは大人しかった」というなら、その証拠を示せ。デマで新聞を作るのはアメリカだけでいい。


高山正之(たかやま・まさゆき) ジャーナリスト・コラムニスト・元産経新聞記者・元帝京大学教授。1942年、東京都生まれ。東京都立大学法経学部法学科卒業後、産経新聞社に入社。警視庁クラブ・羽田クラブ詰・夕刊フジ記者を経て、産経新聞社会部次長(デスク)。1985~1987年までテヘラン支局長。1992~1996年までロサンゼルス支局長。産経新聞社を定年退職後、2001~2007年3月まで帝京大学教授を務める。『高山正之が米国・支那・韓国・朝日を斬る 日本人をますます元気にする本』(テーミス)・『アジアの解放、本当は日本軍のお陰だった!』(ワック)等著書多数。


キャプチャ  2017年9月14日号掲載
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