【文在寅研究・政権100日】(中) 対北融和、行き詰まり

20170915 02
「南北関係でも周辺国に頼らず、我々が運転席に座って主導していく」――。文在寅大統領は、アメリカ訪問中の先月1日、在外韓国人との懇談会で、こう強調した。韓国は南北統一の当事者であり、朝鮮半島有事の際に最も被害を受ける国であるにも拘わらず、北朝鮮の核問題で常に“蚊帳の外”に置かれてきた。同盟国であるアメリカの顔色を窺い、北朝鮮の生命線を握る中国の協力を仰がなければ、南北対話もままならない国際政治の現実の中で、何とか主導権を取り戻したい――。その願いが、“運転席”の一言にこめられている。文大統領が、持論の“対話を通じた北朝鮮核問題の解決”への強い意欲を胸に政権に就いたのは、過去の“成功体験”が影響している。大統領府秘書室長として、2007年の盧武鉉大統領と金正日総書記による2回目の南北首脳会談の首脳宣言発表等を取り仕切った。当時は、北朝鮮が一旦は核開発の放棄を国際社会に表明した時期でもあった。しかし、大統領になった文氏は、この100日間、北朝鮮から“無視”され、中国から“反発”を受け、アメリカから“疑念”の目を向けられ、身動きが取れない状態が続いた。文大統領は今年5月10日の就任演説で、「条件が整えば平壌にも行く」と発言。先月6日にはべルリンでの演説で、軍事境界線付近での敵対行為中止や、南北離散家族の再会行事の開催を北朝鮮に提案する等、南北対話再開に向けてスタートダッシュをかけた。しかし、北朝鮮からの回答は無かった。代わりに、北朝鮮は先月3日、2回目となる大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射に踏み切り、アメリカの逆鱗に触れた。

昨日の記者会見で文大統領は、北朝鮮との対話について「時間と努力が必要だ。対話自体を目的としてはいけない」と述べ、融和路線の頓挫を認めざるを得なかった。文氏の甘い夢は、対中外交でも打ち砕かれた。在韓アメリカ軍への最新鋭ミサイル防衛システム『最終段階高高度地域防衛(THAAD)』の本格運用開始を巡り、中国が執拗に反発している為だ。「北朝鮮が対話に応じれば、朝鮮半島の緊張緩和に繋がる。そうなれば、THAAD配備を急ぐ必要が無くなり、中国を説得できる」。政権の事情を知る関係者は、文政権が描いた当初の構想をこう説明する。しかし、北朝鮮の挑発激化がそれを許さなかった。文大統領は、北朝鮮が2回目のICBMを発射した翌29日、THAADの本格運用開始に曖昧だった態度を一変させ、早急に発射台4基の追加配備に向け、アメリカと協議する方針を発表した。1年以上かかる環境影響評価の実施を指示した前日の発表からの“朝令暮改”だった。中国の反発ぶりは激しかった。「文大統領は就任後、過去の誤り(※配備)を変える意思を見せていた。それなのに、THAAD配備を決定した。改善していた両国関係に冷や水を浴びせるもので、遺憾だ」。中国の王毅外相は6日、マニラで行われた韓国の康京和外相との初会談で言い放った。環境影響評価で時間を稼ぎ、韓国企業を狙い撃ちにした行政指導等による“報復”を続ける中国を説得する選択肢も消えた。文大統領は今月中の中国訪問を目指してきたが、THAADの本格運用に怒る中国が応じる気配は無い。「北朝鮮が対話に応じる」とみて“時間稼ぎ”をした甘い判断のツケは、韓国にとって最も重要な対米関係にも及んでいる。「どのような対話をするのか教えてほしい」。今月7日、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、北朝鮮との対話に前のめりな文大統領に電話会談でこう尋ねた。文大統領は「対話の提案は南北離散家族の再会等の人道問題に限っている」とし、「今は対話の時ではない。北朝鮮が核を放棄するまで、制裁で圧力を加えなければならない」と釈明に追われた。「身に沁みて感じなければならないのは、我々にとって最も切迫した朝鮮半島問題で、韓国は現実的に解決する力も合意を引き出す力も無いという事実だ」。文大統領は、アメリカ、ドイツ訪問で日米中露等主要国首脳との初会談を終えた先月11日の閣議で、側近らを前に、こう心情を吐露した。


⦿読売新聞 2017年8月18日付掲載⦿
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