【南鳥島に注目せよ!】(26) 資源量と埋蔵量は似て非なるもの

20171011 07
早期の開発に向けた調査や実験が着々と進められている我が国の海洋資源。ターゲットとする資源によって調査の内容は異なるが、共通する部分もある。資源が“どこ”に“どれだけ”存在するかの調査が最優先だという点だ。これが判明しなければ、何も前には進まない。例えば、メタンハイドレートの場合だと、この探査には地震探査法が用いられている。詳しくは次回解説するが、地震波と呼ばれる音波を人工的に発生させて、これを海底の地層に向けて発振。海底で反射して戻ってきた地震波を受振器で捉えることで、海底面下の構造を調べるというものだ。これによって判明するのが、“海底疑似反射面(BSR)”と呼ばれる特殊な反射面。海底面とほぼ平行に現れるのが特徴で、このBSRが見つかるのは、メタンハイドレートが存在する上での必要条件と言える。要するに、BSRが確認された場所にメタンハイドレートがある可能性が高いということだ。ここで右図を見て頂こう。これは、産学官が連携して進めているメタンハイドレート開発プロジェクトで判明した日本周辺のBSR分布図である。

日本のあちこちでBSRが確認されているが、詳細調査により、海域の一部に濃集帯が確認されているのが東部南海トラフ海域。濃いブルーに塗られている和歌山県~静岡県にかけての海域で、BSR分布面積は5000㎢。ここに眠るメタンの原始資源量は、液化天然ガス(LNG)換算で何と約8億4000万トンと推測されている。ここで必ず理解しておきたいのが、“資源量”と“埋蔵量”の違いだ。イメージ的には似ているかもしれないが、実際は全く違う。例えば、自分の持っている無農薬の畑で100㎏分の野菜が収穫できたとしよう。しかし、よく見ると半分以上で虫食いが発生しており、売り物にならなくてがっかり。商品として販売できたのは、全体の4割にあたる40㎏分だけだった。このケースを資源に当て嵌めると、単純に収穫できた100㎏が“資源量”で、商品として販売できた40㎏が“埋蔵量”にあたる。つまり、資源量とは、存在が見込まれる総量を単純にカウントしたものに過ぎない。技術的に採掘可能であるかどうかや、経済的に回収可能かどうかが考慮されていない段階での量なのである。ところが、未だ生産方法が確立されていないメタンハイドレートは、資源量から実際にどれだけの割合でメタンが回収できるかという回収率が算出できない。そして、資源量と埋蔵量は“資源量×回収率=埋蔵量”という関係にあるので、メタンハイドレートの埋蔵量は、現時点では出したくても出せないのだ。あとは、埋蔵量が不変ではなく刻々と変化するのも、覚えておきたいポイント。新たに資源が発見されるという理由の他に、技術開発による回収率の向上によっても増加する。石油が中々枯渇しないのには、こういう秘密があったのである。


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