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【寝言は寝て言え!】(27) 前原代表、僅か2ヵ月の功績とは

衆院選も終わり、選挙を振り返っての総括と責任追及が盛んです。朝日新聞の発狂具合を見ると、最早哀れです。投開票日の翌日、10月23日の社説では、「選挙結果と、選挙戦さなかの世論調査に表れた民意には大きなズレがある」と、数千万人が投票する選挙より、圧倒的に少ないサンプル数の自社世論調査を元に負け惜しみ。しかし、これもおかしな話で、東京都議選を終えた7月3日の社説では、「安倍政権のおごりと慢心に“NO”を告げる、有権者の審判と見るほかない」と書いています。自民党が負けた時だけ選挙結果を尊重する姿勢…。どれだけ自民党と安倍政権が嫌いなんだか(笑)。今回の選挙では、野党の分裂が自公に有利に働いたと見られることが多いです。そして批判の矛先は、分裂の立役者である民進党の前原誠司代表に集中しました。党内は勿論、マスコミからも批判の声が聞こえてきます。だが、ちょっと待ってほしい。民進党勢力は前原さんに感謝すべきではないでしょうか? 政権批判の揚げ足取りばかりで、まるで期待感を持たれていなかったですし、何もせず民進党のまま衆院選を戦っていたら、恐らく可哀想になるくらい悲惨な負け方をしたでしょう。そこで民進党は、人気のあった東京都の小池百合子知事に乗っかって、党名ロンダリングを企てました。「民進党のままでは拙い」という危機感からか、決まった段階では後に立憲民主党を作る人たちも皆同意していたのです。交渉は前原代表に一任されますが、選別され、全員の移籍は叶いません。

しかし、考えてみると当然の話で、主義主張が根本的に違う人たちを全員入れたら、後に分裂するのがオチです。小池知事の“排除”発言はよく問題視されますが、その後の運営を考えると当たり前のことだろうと思います。結果として民進党は分裂し、若干保守的かフラフラした人は希望の党へ、より左翼的な人は立憲民主党へ、残りは無所属で選挙戦を戦うことになります。こうした分裂劇から前原代表に批判が集中しますが、後から考えると中々凄いことをやり遂げました。様々な思想が雑居した民進党を色分けし、有権者にもわかり易い構図ができました。更に、連日動く政界の様子が面白く、楽しみな毎日も提供してもらいました。選挙は自公の大勝ですが、立憲民主は躍進しましたし、全体でみると民進党勢の議席は90台から105へ増えているとのこと。更に忘れてはいけないのが、日本共産党の勢力を削いでいるという点です。嘗て、前原代表は日本共産党を“シロアリ”と批判していました。今回の選挙で、日本共産党は21→12に議席を落としています。分裂劇で立憲民主党を作らせた結果、票を食い合って日本共産党にも一撃加えているのです。分裂の陰で実は勢力を伸ばしていると考えると、前原代表は相当な功労者と見ることもできます。しかも、代表に就任して約2ヵ月で全てやってのけた。前原代表は分裂劇について、選挙中に「想定内」と述べていましたが、本当に計画してやっていたとしたら凄い男だ…。いや、多分偶然だろうな。


KAZUYA YouTuber。1988年、北海道生まれ。2012年、『YouTube』に『KAZUYA Channel』を開設。著書に『日本一わかりやすい保守の本』(青林堂)・『バカの国 国民がバカだと国家もバカになる』(アイバス出版)等。近著に『日本人が知っておくべき“日本国憲法”の話』(ベストセラーズ)。


キャプチャ  2017年11月16日号掲載
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テーマ : 民進党
ジャンル : 政治・経済

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