【霞が関2018春】(13) 線路はどこまで続くか…北海道新幹線、赤字の現実

財務省が『北海道新幹線』に厳しい視線を向けている。利用低迷で『JR北海道』が100億円の営業赤字を抱える中、事業見通しの甘さ等が指摘される。背景には、整備新幹線の計画を広げようとする動きへの牽制がある。「JR北海道の経営状況を一層悪化させ、地域交通網の維持に影響を及ぼす恐れがある。客観的な見通し策定を制度的に担保し、こうした事例が繰り返されないようにする必要がある」――。4月25日、『財政制度等審議会』(※財務大臣の諮問機関)の財政制度分科会に提出された資料には、北海道新幹線(※新青森-新函館北斗)に対する厳しい指摘が盛り込まれた。2016年3月に鳴り物入りで開業した同新幹線。初年度こそ開業フィーバーがあったものの、2年目は反動もあって利用者が低迷し、乗車率は26%に留まる。国土交通省鉄道局は、同新幹線の2017年度の営業赤字が103億円になるとの見通しを示した。赤字は2016年度の2倍近くに膨らみ、2018年度も102億円の赤字を想定。『青函トンネル』の修繕費や貨物列車用の設備コストの負担が、赤字拡大の理由だという。

新幹線開通で周辺地域に与える経済波及効果はあるが、JR北海道は膨大な赤字路線の改善等多くの経営課題を抱えており、新幹線で毎年100億円の赤字を計上すれば在来線の維持に影響しかねない。財制審の主張は、直接的にはこうした状況を懸念したものだが、別の狙いもあるようだ。足元で工事が進む北海道・北陸・九州の各新幹線は、いずれも“整備新幹線”と呼ばれる。1973年に決定した整備計画に基づいて建設しているものだ。一方で、同時期に基本計画も作られており、『山陰新幹線』や『四国新幹線』等が存在する。整備新幹線の着工・完成が進む中、基本計画の沿線にある自治体は、整備計画への格上げに向けて、決起集会や国土交通省への働きかけ等を強めている。新幹線に関係する各計画は、人口が増加し、経済が安定的に成長していく時代に策定されたものだ。人口減少時代に突入し、今や政府が都市機能を中心部に集約するコンパクトシティー構想を掲げている。「全国のコンパクトシティー同士を新幹線で結べば、一定の経済効果が上がる」との指摘もある。ただ、建設には何十年という歳月がかかり、高速道路網との住み分け等の課題も生まれる。財源や採算性を超えて、闇雲に新幹線網を充実させることにどこまでの社会的な意義があるのか疑問視する主張には、一定の説得力がある。人口減で地域の在り方を抜本的に見直す中で、新幹線の計画についても、複眼的な視点で方向性を議論し直す時期にきている。 (杉原淳一・塩崎健太郎)


キャプチャ  2018年6月12日付掲載
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