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【改革開放40年】第3部・新日中関係(02) AIIB、原型は日本

20180831 02
約四半世紀前、『アジア開発投資銀行協会(ADIBA)』という名の国際金融機関があった。設立を主導した日本の他、韓国やシンガポール等の開発銀行が参加し、主に投資資金不足に悩む中国を支援する組織だった。資金の流れは逆ながら、中国主導で2016年に開業した『アジアインフラ投資銀行(AIIB)』の“原型”と言える。「これからの中国にはインフラ整備に使う資金が必要だ」。1994年、当時の『日本興業銀行』(※現在の『みずほ銀行』)の黒沢洋頭取が、『中国国家開発銀行』の劉明康副総裁にADIBA設立をもちかけた。話は順調に進み、ADIBAは当時の江沢民政権の目玉プロジェクトだった上海・浦東地区の開発等に融資を行なった。ただ、その後の国家開発銀行の人事異動等を機に新規融資が滞り、約4年後、ADIBAは自然消滅する。興銀の上海支店長等を歴任した菅野真一郎氏は、「ADIBAの発想は中国サイドで非常に活用されている」と指摘。中国側で実務を担当した中国人の元職員も、こう言い切った。「AIIB発足時には国家開発銀行の元職員が多数入った。ADIBAの経験と知識が生きているのは間違いない」。

日中の金融協力は、改革開放前の毛沢東時代にまで遡る。金融に疎い中国当局者に、金利や減価償却等金融のイロハを手解きしたのも日本人だった。『東京銀行』(※現在の『三菱UFJ銀行』)元理事の大久保勲氏が「非常に緊密な金融協力だった」と振り返る日中蜜月が、中国を、自ら国際金融機関を主導するまでに育て上げた。今、ドナルド・トランプ政権との貿易戦争に突入した習近平政権は、嘗ての日米貿易摩擦の日本の対応に注目している。「不利な状況下でも交渉を上手く運び、損失を最小に留めた」。『中国社会科学院日本研究所』の張季風副所長は、日本が自動車工場をアメリカに移転したり、技術革新を通じて製品の付加価値を高めたりして、アメリカとの摩擦回避に努めた経験を評価する。習政権はアメリカに譲歩しない姿勢を強調しつつも、国内経済が打撃を被りかねない正面衝突は避けたい考えだ。中国外交筋は、「政権として日米摩擦を真剣に研究している」と明かした。中国共産党機関紙の『人民日報』は、「(日中共に)GDPがアメリカの6割に達したタイミングで貿易摩擦が起きた」と類似性を指摘。中国の政府系経済学者の中には、保護主義に傾くトランプ政権を念頭に、「中日は共に被害者」と日中連携を呼びかける人もいる。改革開放の象徴である広東省深圳。中国版LINEと呼ばれる『微信(ウィーチャット)』を開発した『騰訊(テンセント)』有名企業には、日本からの視察が相次ぐ。一部の企業は視察申し込みの多さに閉口し、見学料を徴収するようになったという。『大阪商工会議所』の視察団は先月、中国のスマホ最大手『華為技術(ファーウェイ)』の本社を訪れ、監視カメラに顔認証技術を組み合わせた防犯システム等に目を見張った。ある参加者は、「技術革新で日本が中国より進んでいるとの固定観念は変えたほうがいい」と溜め息を吐いた。日本の経験や技術を貪欲に吸収し、血肉としてきた中国。IT関連の民間企業の活力は今や、日本を凌ぐ勢いだ。中国発のITを日本が取り入れる日も遠くないのかもしれない。


キャプチャ  2018年8月15日付掲載
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