【変見自在】 ほとぼりは20年

人権にとても厚い岡村勲弁護士は、平成の御代になる少し前に『日本弁護士連合会』副会長に就任した。就任して直ぐに支那で大事故が起きた。高知県は、日本共産党系が教育委員会を握る。だから、高校生の修学旅行は支那、別けても南京大虐殺記念館が半ば義務付けられていた。高知学芸高校の生徒も、上海から蘇州経由の汽車で抗州に向かった。しかし、複線の新幹線でも事故を起こす国柄だ。単線を走るのはもっと危険で、案の定、正面衝突して生徒27人と教師1人が死んだ。高知県出身で、日支友好にも厚い岡村勲が、日本側弁護団長として交渉に当たった。高知学芸高は、知られた進学校だ。将来の逸失利益を含め、1人5000万円が提示された。対して、支那は同110万円を示した。日支友好の岡村は「それを呑もうとした」(運輸省の石原慎太郎大臣=当時)から、遺族は怒った。すると、李鵬が出てきて、竹下登に擦り寄って日支友好を繰り返した。おかげで岡村は、400万円という超低額でサインできた。因みに、李鵬はその5年後に「日本はあと20年で消えて無くなる」とオーストラリアで語っている。あの国は首相まで詐話師だった。同じ頃、東京都江東区若洲の理め立て地に放置されたドラム缶から、コンクリート詰めされた埼玉県立八潮南高校の女子高生(17)の遺体が見つかった。犯人は、足立区に住む日本共産党員夫婦の息子である湊伸治(当時16)ら不良仲間5人で、1988年11月末、帰宅途中の女子高生の自転車を湊が蹴り倒して逃げ、その後、仲間が転んだ彼女を助けるふりをして車で拉致した。その日から40余日間、湊の自宅2階に女子高生を監禁し、仲間で代わる代わる輪姦した。この間、湊の父母は、何回も彼女の存在に気付きながら放置した。彼女が電話で警察に助けを求めようとしたのを機に、少年らはライターで手足を炙り、局所にバットを突っ込む等虐待をエスカレートさせ、年が明けて間もなく死に至らしめた。

まるで野獣の犯行に、世間は驚愕した。少年たちの弁護には岡村配下の『東京弁護士会』が当たり、日弁連の理想である少年の更生・日本共産党への理解を第一にした弁護を進めた。残忍な人殺しでも、死刑など以ての外。将来ある少年には、社会復帰を前提に、刑期は短いほうが望ましい――。その結果、主犯格を除いて、湊らは5年の刑で娑婆に戻った。内、何人かは婦女暴行やら振り込め詐欺やらで再度捕まった。日弁連は、新たな被害が出ても、そこまで責任は持たない。犯罪者への思いやり一筋に生きた岡村勲は、副会長職を退任後、『山一證券』の顧問弁護士に納まった。そんなある日、株で損した男が彼の留守宅を訪れて、応対に出た夫人(63)を刺殺して捕まった。岡村はその瞬間、日弁連で語ってきた犯罪者への思いやりも死刑反対も全て投げ捨てた。彼は東京地裁に、「妻の遺影を持ち込ませろ」「犯人を法延で面罵させろ」と要求した。裁判官には「死刑を判決しろ」とせっついた。でも、それはあなた方日弁連が「被告の人権を侵害するから」と、つい昨日まで認めなかったじゃないか。死刑もそう。日弁連は、何人殺しても死刑は無し。それで最高裁が、「2人殺せば死刑」で妥協してきた。日弁連はそれにも反対したのに、今度は「1人でも死刑」と言う。裁判官も当惑した。しかし、他ならぬ同じ法曹仲間だ。謂わば身内。検察も裁判所も譲歩して、控訴審では遺影持ち込みも、被告に語る機会も与えた。ただ、事件はカッとなってやった故殺ケースだから、懲役8年がいいところ。死刑は難しい。結局、最大限の身内配慮で無期懲役に引き上げて、勘弁してもらった。その日弁連が、この秋の集会で「何人殺しても死刑にしない宣言を出す方針」(朝日新聞デジタル・2016年9月3日)を固めた。日弁連が密かに“1人でも死刑”を支持してから20年経つ。もう、ほとぼりは冷めたと思ったか。それとも、“身内が被害者の場合は死刑あり”の補足を付けるつもりか。


高山正之(たかやま・まさゆき) ジャーナリスト・コラムニスト・元産経新聞記者・元帝京大学教授。1942年、東京都生まれ。東京都立大学法経学部法学科卒業後、産経新聞社に入社。警視庁クラブ・羽田クラブ詰・夕刊フジ記者を経て、産経新聞社会部次長(デスク)。1985~1987年までテヘラン支局長。1992~1996年までロサンゼルス支局長。産経新聞社を定年退職後、2001~2007年3月まで帝京大学教授を務める。『高山正之が米国・支那・韓国・朝日を斬る 日本人をますます元気にする本』(テーミス)・『アジアの解放、本当は日本軍のお陰だった!』(ワック)等著書多数。


キャプチャ  2016年9月22日号掲載
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