【新聞ビジネス大崩壊】(02) 稼ぐ力は朝日新聞の10倍! “通信社”とは何なのか?

20160927 03
独自の媒体を持たないが、メディアとしての影響力は大きく、収益性も高い――。それが、“通信社”というビジネスモデルだ。国内では、『共同通信社』『時事通信社』『ラヂオプレス』『東京ニュース通信社』が有名どころである。記者を配し、情報収集・取材・執筆まで行い、新聞社・放送局・出版社に販売する通信社は、近年、“情報メディア産業”という呼び名が定着しつつある。“全国紙”といっても、実際にそのシェアを多数占めているのは、全国各地方の地元紙だ。それに記事を配信しているのが、共同通信社等の通信社である。自前で媒体こそ持っていないが、「メディアとしての影響力は、全国紙が束になっても敵わない」と言われている。『日本ABC協会』が発行している『新聞発行社レポート 普及率』(昨年7~12月平均)によると、関東では茨城・埼玉・千葉・東京・神奈川の各都県、関西では滋賀・大阪・和歌山の各府県、中国地方では山口県が、全国紙である読売新聞がシェア1位を占めているに過ぎない。他は僅かに、奈良県だけが毎日新聞シェア1位となっている。朝日新聞がシェア1位をつけた県は無かった。こうしてみると、“地元紙=共同通信社”は、47都道府県中37都道府県でシェア1位をつけている現状がわかる。新聞業界全体の凋落が伝えられる中、間接的ながら圧倒的シェアを誇り、好調ぶりをみせる共同通信社とは一体、どういう組織なのか? “世界を結ぶニュースセンター”を標榜する共同通信社は、終戦の年である1945年の創設以来、国内外の新聞・放送を始めとするメディアに、本業であるニュース配信のみを業として行ってきた。大手新聞社にみられる不動産事業等の副業には手を染めていない。

新聞のみならず、メディア産業全体が不況に喘ぐ中、何故本業一本で経営が立ち行くのか? その理由を、共同通信関係者は次のように語った。「新聞社と違って、経営面で徹底して“身軽さ”を追求できるからです。新聞社では広告局員・販売局員と営業部門の他、印刷等の技術部門にも人がいる。だが通信社なら、営業部門は新聞社の10分の1程度の人員で事足りる。印刷分野では、人を雇う必要も無い。記事を配信する為だけの単純素朴な組織、それに必要な最低限の人員で組織が成り立つ。そこが大きい」。収益面では、大手紙の1つである『朝日新聞社』の“1人当たり利益率”が約89万円であることが、有価証券報告書から読み解けた。一般社団法人である共同通信にはそうした公開資料は無いが、それでも社員数に対してその売上高からこれを類推すると、「約1000万円は下らないだろう」(経済アナリスト)という声もあるくらいだ。社員1人当たりの“稼ぐ力”は、約10倍以上の差をつけている。メディアとしての影響力は勿論、収益性という点においても最早、不動産事業にみられる副業頼りの新聞社というビジネスモデルは既に破綻していると言っても過言ではない。全国紙のみならず、地方紙とてそれは同じだ。社会のIT化が成熟した今、新聞社というビジネスモデルは既に前時代の遺物でしかない。読者の紙離れが進み、ニュースはウェブで見るという時代に突入した。もう、新聞社の社会的・歴史的役割は終えていると言っても過言ではない。これからの新聞社は紙を売るのではなく、明治の昔から今日まで培った取材・調査力を活かし、そのデータを販売する“通信社化”しなければ生き残りは難しいだろう。実のところ、こうした事情は当の新聞社側も先刻承知だ。全国紙大手の事業局幹部が語る。「新聞社は産業ではない。高校野球・囲碁&将棋のタイトル戦・美術展にみられる文化事業を担うのも新聞社の使命だ。通信社化による経営のスリム化は、文化事業にみられる“報道以外の新聞社の社会的役割”を否定するもの。社会にとっても、それは有益とは言えない」。果たして、この言葉を世論はどう判断するのだろか――。 (取材・文/フリージャーナリスト 川村洋)


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