【教科書に載らない経済と犯罪の危ない話】(17) ゴミ箱から摘出済みの死体が…“臓器移植先進国”フランスの闇

『シャルリーエブド』が醜悪な画を載せ、世界中の顰蹙を買った。先月24日に発生したイタリア地震で、瓦礫に挟まれ血を流す被災者を描き、“ラザニア”と形容したのだ。風刺画とは権力や巨悪が対象にされるもので、決して弱者がその主体となるものではない。シャルリーエブドと言えば昨年1月、イスラム教徒を挑発する風刺画が原因で本社が襲撃され、12人もの犠牲者を出した。勿論、テロ事件は許されるものではないが、その後に起こったフランス国内での運動には違和感しかない。シャルリーエブドは“表現の自由”で“信仰の自由”へ挑戦を試み、その結果が襲撃事件となった。ところが、フランス国民は問題の本質を置き去りにして、“私はシャルリー”というプラカードを手に、表現の自由とシャルリーエブドを大声で擁護した。物事の表層だけを捉えて情緒的な行動に出る人は、“正義”や“自由”の為に暴走しがちだ。日本にも、「正義の為には暴力も辞さない」という人たちは多い。その活動や主張は独善的で過激だ。彼らに共通するのは、相対的思考ができない点ではないか。このシャルリーエブドの騒ぎで、筆者はフランスの印象的な事件を思い出した。今から7~8年ほど前、パリのゴミ箱から臓器の摘出された死体が連日発見されたというものだ。筆者は、このニュースをロンドンで目にした時、直ぐに「臓器泥棒の仕業だ」と気付いた。ニュースソースが気になったので、ツイッターを通じてパリ在住の女性に探してもらったところ、2008年の『フィガロ』の記事を送ってくれた。「ゴミ袋に死体の入った事件があまりにも多くて…」。彼女は記事を探すうち、この手の事件が沢山あることに驚いていた。

以前書いた通り、フランスは臓器移植手術の盛んな国だ。特に肝臓に関しては、治療と移植の両方が先進的と言われている。1992年には、指定暴力団『山口組』の宅見勝若頭(当時)が肝臓治療の為にパリへ向かい、シャルルドゴール空港で司法当局に入国を阻まれたこともあった。そんなフランスでは、ある時期から違法な臓器移植が急激に増えた。それは、中国で違法な臓器移植が社会問題になり、政府が対応に乗り出した時期と一致する。中国国内での臓器移植が困難になった外国人レシピエント(移植希望者)は、フランスとインドに目をつけた。両国とも臓器が買えて、移植手術もできるからだ。医療技術の高さと設備の面から、フランスを選ぶレシピエントが圧倒的に多い。こうして、移植希望者が急激に増えたフランスでは、必然的にドナー不足に陥った。これに目をつけたのが、“臓器泥棒”と呼ばれる犯罪者集団だ。彼らは名前の通り、見知らぬ人から蔵器を盗む。生きた人間からは、盗むと言うより“奪う”と表現したほうが適切だろう。何らかの方法で拉致した人間を医療設備のある場所へ運び、そこで必要な臓器を取り出す。荒っぽい連中は、「臓器を抜き取った死体の処理を怠り、ゴミとして出した」というのが、ニュースになった事件の真相と筆者は考える。このような手段で臓器の供給を賄える筈もなく、当局の追及も厳しい。そこで考えられたのが、インドからの臓器輸入だ。世界一の臓器供給国であるインド。しかも、デリーやチェンナイには、システム化された臓器売買のネットワークがある。こうして、臓器売買のブローカーたちが向かったのが、デリーの『GBロード』だったのだ。「適合するドナーを探すならGBロード。移植手術をするならチェンナイだよ」。医療ボランティアの日本人は、そう教えてくれた。 (http://twitter.com/nekokumicho


キャプチャ  2016年9月20日・27日号掲載
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