【霞が関2016秋】(04) 計算ずくの祝日臨時会合…政府・日銀が協演

財務省と金融庁に日本銀行を加えた3組織の幹部が、秋分の日の昨日午後、財務省内に集まった。今春に創設した『国際金融市場に関する情報交換会合』の臨時版と説明されたが、入念にタイミングを計った上での祝日開催だ。日銀が一昨日の金融政策決定会合で金融緩和の新たな枠組みを導入し、アメリカの『連邦準備理事会(FRB)』が日本時間の22日未明に利上げ見送りを表明。3者会合が始まったのは、日米金融政策の決定を受けた21日のニューヨーク市場が取引を終える時間帯だった。21日の外国為替市場は日銀の公表を受けて、一時、1ドル=102円台後半まで円安・ドル高が進んだ後、夜には100円台半ばの円高に転じる乱高下の様相。財務省の浅川雅嗣財務官は、3者会合後に「投機的な動きが今後も続けば、必要な対応を取らざるを得ない」と、テレビカメラを前に円売り介入をちらつかせて、円高を牽制した。浅川氏は通貨政策の司令塔として、日頃から情報発信に努めているが、3者会合を踏まえた発言となると重みが増す。「為替政策は財務省の所管であり、日銀や金融庁は直接関与しない」という建前は兎も角、3者会合で擦り合わせた相場観と問題意識に基づくメッセージと映るからだ。1ドル=100円を突破した円高になった先月と同じく、3者会合後の財務官発言で、為替市場への口先介入にアクセントが加わった。

21~22日の金融市場がどんな反応を示そうとも、「恐らく、3者会合は開催されていた」とみるのが自然だろう。市場が極めて平穏であれば、日銀が一昨日決めた政策を財務省と金融庁に伝える場という性格が強まる。3者会合の創設を提唱した金融庁の森信親長官は、財務省で対日銀の窓口役を務めた経験があり、金融政策に一家言を持つ。日銀は、マイナス金利政策に抵抗する金融界と、その意向を受けた金融庁から反発を受けた末に総括検証を纏めただけに、森氏との意思疎通にいつも以上に気を遣っても不思議ではない。仮に、急激な円高が進み、財務省が2011年以来の円売り介入に踏み切ったとしたら、3者会合は一段と意味が重くなった筈だ。日銀の新たな枠組みを金融市場がどう受け止めるかは中々読み切れず、財務省はいざという局面での円売り介入を視野に入れていた。財務省の佐藤慎一次官と浅川財務官は、日銀の政策決定会合の数日前から首相官邸へ何度も足を運び、様々な場面を想定した作戦を固めていった。財務次官は3者会合の定例メンバーではないが、佐藤氏は昨日の会合には姿を見せた。3者会合は、先月の盆休みの円高局面や、イギリスの『ヨーロッパ連合(EU)』離脱決定を受けた6月の市場混乱時も緊急開催され、参加者が為替の安定や流動性供給の強化を確かめた。マクロ経済政策の舞台装置として、閣僚級とは違った重みを持ちつつある。 (上杉素直)


⦿日本経済新聞電子版 2016年9月23日付掲載⦿
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