『創価学会』は会員からの巨額財務の収支や使途を何故報告しないのか――気になる学会員の年間納金額、高まる収支報告使途公表の声

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参議院選挙も中盤に入った6月28日、東京高等裁判所で興味深い控訴審判決があった。被告は、“集団結婚”等で知られる『世界平和統一家庭連合』(前身は『世界基督教統一神霊協会』。通称“統一教会”)で、訴えたのは統一教会の女性信者の元夫である。元夫は「夫に無断で妻に献金させたのは違法だ」とし、統一教会に約3300万円の損害賠償を求める訴訟を起こしていたのだ。その控訴審の判決で菊池洋一裁判長は、「教団は、既婚の女性信者に夫の財産を献金させていた」と認定。更に、献金が離婚の原因になったことも認め、判決は慰謝料等360万円が増額され、統一教会に3790万円の賠償を命じたのである。金銭的被害を受けた元親族(元夫)が、宗教団体に対して賠償請求訴訟を起こし、高裁が認めるという判決は、恐らく、これが初めてのことである。教団への献金を巡る夫婦間のトラブル。決して珍しいケースではない。実は、創価学会でも目下、似たような裁判が進行しているのだ。香川大学教育学部の現職教授で、嘗て創価学会員で学術部員でもあった高倉良一氏が、同会の原田総会長等、地元四国の最高幹部4人を相手取って、2011年1月、3000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしている。裁判はどのように進行したか。高倉氏のブログ『白バラ通信 パンドラの箱』に詳しいが、訴状によると大筋、以下のような訴えであった。高倉氏夫婦は、創価学会活動に従事していた1994年頃から毎年、同会に“財務(寄付)”として100万円を納金してきた。ところが、2003年頃から高倉氏は、同会が発行している書籍類等を読み、池田大作名誉会長の言動等に疑問を抱くようになる。その為、2005年から財務納金をストップ。一方、創価学会の熱心な会員で、実家が資産家という夫人のほうは、独自で財務に500万円を納金したのである。しかし、こうした財務納金を巡って夫婦で意見が衝突し、同年12月、夫人は子供を連れて九州の実家に帰省してしまった。軈て、離婚という最悪の結果を招くことになる。但し、離婚に至るまで、高倉氏が創価学会幹部から“査問”を受けるな等、壮絶な抗争があり、現在も尚、裁判の形で見通しもできない係争が続いている――。

自分が信仰する教団に毎年100万円にも及ぶ財務納金とは、決して少ない金額ではない。国立大学の教授は年間、どのくらいの報酬を得ているのだろうか。しかも、先の訴状によると、納金は一度に限らない。少なくとも10年間、毎年、創価学会に財務だけでも100万円を納金していたことになる。10年間で、総額1000万円の寄付である。更に、夫人に至っては、1年で納金が500万円という。サラリーマンなら給与1年分に匹敵する巨額である。公明党の参議院議員を務め、愛媛大学助教授の経歴を持つ福本潤一氏は、「国立大学教員の給与は国家公務員と同じで、報酬は等級によっても違います。教授当たりで年間、ボーナスを合わせたら1000万円を超える額でしょうか。でも、その収入だけから毎年、100万円の財務納金の出費はきついでしょうね。大体、教団からいくら堀られても、100万円も出すのはバカらしいです。若し、それだけのゆとりがあれば、大学教授なら多くの研究書を購入しますし、楽しい生活だって築きたい。私は大学の教員時代、財務納金の最高額は10万円だったでしょうか。確か高倉先生は、財務納金を止めた後、難民の子供たちを救う国連教育科学文化機関(UNESCO)に寄付をしていた時期があったと聞いています」と語る。先の高倉氏のように、気前よく毎年、100万円の財務納金等、実は、創価学会会員の中ではそう珍しいことではない。では、公称827万世帯という巨大教団である創価学会の会員は、毎年、財務を含めて家計から、どのくらいの金額を出費しているのだろうか。奈良県天理市に本庁を構えている『天理教』のように、毎年、信者からの“お供え金(浄財)”総額や、使途に至る収支報告を公開している教団も存在する。でも、新宗教教団で収支を公開している天理教等は、寧ろ特異な部類に入るだろう。実際、宗教法人は原則として非課税の為、公開する義務が無い。しかし、伝教宗派は殆ど全て、宗報等の機関誌等によって財政状況を公表している。ところが、宗教法人創価学会の収支決算は全くべールに包まれたままである。とりわけ同会の場合、殊の外収支金額が機密扱いで、会員から集める財務(浄財や寄付)にしても、いくら集まったか等、自らの会員に対してもこれまで正式に知らせたことがない。我が国の国政を左右しかねない政党母体と言われるほどの教団の収支がベールの中とは、一体どういうことなのか。その為、創価学会の“カネ”に焦点を絞る時、経理責任者の内部告発や情報漏洩でもない限り、金額については推定ということになる。

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それでは、創価学会は毎年、いくらくらいの収入があるのだろうか。同会の収入、つまり会員が背負う負担金は、大きく3つに分かれている。1つ目は、毎年12月の1ヵ月間に実施される、前掲の高倉氏が経験したような財務納金だ。2つ目は、機関紙・誌の日刊『聖教新聞』・月刊『大白蓮華』・月刊『グラフSGI』等や書籍の購入。3つ目は墓苑だ。敢えて4つ目を加えるとしたら、会員の負担ではないが、資産運用だ。嘗て、創価学会の株投資問題が公になり、マスコミの話題になったことがある。この手の情報は時々、外部に漏れ伝わってくることがあるが、何しろ“奥の院”での出来事である。詳細は明らかではない。では、創価学会の最大の収入源である財務を見てみよう。組織に1口1万円、口数は無制限という財務制度がスタートしたのは、1970年代後半からである。最初は“広布基金”とか“特別財務”の名目で、全国地域の会館や幹部自宅を納金会場にして、個々に会員が現金を白封筒に入れ、領収書と引き換えに納めた。強制ではないが、この時、献金する会員氏名や組織所属名がチェックされた。何しろ、全国で同時期に納金される。莫大な現金が集まる。警備上の問題があり、現金を詰めた段ボールを会場から最寄りの銀行に搬送するリアルな模様を、写真誌に盗撮されたこともあった。その為に創価学会は、納金の方法を切り替えた。金額も1口1万円以上という下限を設け、実に近代的というか、NHK・電気・ガス・水道代金の支払いと同じように、金融機関を窓口にした振り込み方式を導入して、現在に至っている。話は少し横道に逸れるが、終戦を前後して、雨後の竹の子のように相次いで新宗教が産声を上げた。天理教・『立正佼成会』・『霊友会』・『PL教団』・『生長の家』・『世界救世教』・『真如苑』…。そうした新宗教が乱立した中で、創価学会の布教活動が突出し、信者(現在の会員)が急増していった背景には、大きく2つの理由があった。

1つは、“現世利益”“罰、功徳論”の“教義”を布教の武器にしたことである。当時の聖教新聞をめくると、創価学会の信仰によって難病が完治したしたという、医師もアッと驚く信者の体験談が連日のように掲載されている。要するに、「現世利益が叶った」という広報で、戦後、病院にも満足に行けないほど生活が苦しい未入信者たちを魅了していったのだ。もう1つは、“カネのかからない宗教”をアピールしたことである。1957年2月、東京都豊島区の『豊島公会堂』を会場にして、当時の2代会長・戸田城聖氏がこんな講演をしている。「宗教で金儲けをするぐらい、簡単なことはない。インチキ宗教のやり方は、『功徳を貰うには元手がいる。だから、カネを出して神を拝めば2倍にも3倍にもなって出てくるから、出せ出せ』と言うのです。…そういうことをして、信者を騙してカネを取る。これくらい、世の中に簡単なことはない。やりたければやってもいいが、必ず地獄に行くから、やってみたまえ。それがいかんというのが、私の精神なのだ」。続く2代を継承した3代の池田大作会長(現在は名誉会長)にも、「創価学会は、永遠に会員から1銭も戴きません」と言明していた記録が残されている。実際、他の宗教施設に見られるような“賽銭箱”は、学会が所有する会館等の施設に見当たらない。並行して、聖教新聞等の機関紙では、宗教を利用した他の教団の金儲け主義を徹底して糾弾していた。一例では、「PL教団は成金宗教!」といった批判がそうである。そうした“清廉潔白”な教団が何故、会員から多額のカネを集め、収入源とするようになったのか。「創価学会の会員は病人と貧乏人の集まり」と陰口を叩かれていた1965年10月、たった4日間で“正本堂建立の御供養”と称して355億円を集めて、世間を驚かせたことがある。元最高幹部の1人が証言する。「この正本堂の御供養金もそうでしたが、学会が何故会員からカネを集めるようになったか、私なりに分析してみますと、こうなのです。職員数の増加や会館の建設等でカネもかかるようになりましたが、発端は、ある地方の会館建設でした。1970年代前半、日本で1、2位を争う貧乏県で、これは本部の内部資料にも記録されていますが、会員が『お金を出し合って立派な会館を作ろう』という計画が出ました。“特別財務”という名称ですが、蓋を開けたら10億円ほどが集まったのです。学会本部や池田大作会長もビックリしました。そのうち、他県からも『特別財務を集めて会館建設を!』という声が上がり、それが財務納金制度に結び付いたかと思います。時代的背景には、日本も経済成長期に突入ということもあって、生活にゆとりがある学会員が増えたことと無関係ではないでしょう」。

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財務がスタートしてから、1980年代初頭は200億円・300億円と推移し、1980年代中頃には1500億円を突破するような勢いだったという。事実、某県の財務記録の一部が表に流出したことがある。学会員名・住所・組織役職・職業・納金した金額が記入されている重要資料であった。そこには、会員1人で1000万円・500万円・100万円といった納金した金額が並んでいたのである。また、1990年代には『創価学会被害者の会』という組織が、創価学会を脱会した元会員たちを対象に、財務納金の調査を行った極秘資料が手元にある。全て実名で、住所・自宅の電話番号・所属していた組織名・財務を納金した日にちとその金額が書かれており、中には創価学会が発行した領収書を添付した元会員もいた。厚さにしたら数㎝にも及ぶ告発資料だが、10万円・20万円は当たり前という財務納金の記録に驚く。財務では、地方の幹部毎に集める金額を競わせたことも、金額の増加に拍車をかけた。毎年、財務納金の期日が来る12月になると、創価学会本部は用意周到なスケジュールを組み、納金日に備える。終了すると、聖教新聞紙上には、「財務は広宣流布のため、世界広布のために大切に使わせていただきます」と感謝の言葉が掲載される。しかし、それがどれほどの金額で、実際どのように使われているのか、その使途についても、これまで会員に説明されたことが無い。勿論、会員の中には、嬉々として財務納金に参加している人もいるだろう。でも、年金生活者や生活が楽ではない会員には、少しばかり厳しい出費になる。それだけに、その収支報告や使途の公表は、自らの会員にはするべきなのではないか――。学会員からのそうした声も高まっている。


段勲(だん・いさお) フリージャーナリスト。1947年、宮城県生まれ。東洋大学文学部卒。『週刊ポスト』記者を経てフリーに。宗教・社会問題・人物・健康等について幅広く執筆。著書に『千昌夫の教訓』(小学館文庫)・『創価学会インタナショナルの実像 池田会長が顕彰を求める理由』『反人間革命 創価学会へ入信した男の一生』(共にリム出版新社)・『定ときみ江 “差別の病”を生きる』(九天社)等。


キャプチャ  2016年8月号掲載

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