【電通の正体】(06) 「電通なんて怖くない。一番怖いのはインターネットになった」――元『博報堂』社員・中川淳一郎氏インタビュー

インターネット上では、「電通が巨大な力を持ち、メディアを通じて国民をコントロールしている」との噂が流布しているが、実態はどうなのか。広告制作で『電通』の下請け仕事もしたという中川氏に、電通マンの実像について聞いた。 (聞き手/後藤逸郎・大堀達也)

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――世間には、「電通が暗躍している」と言う人がいる。
「暗躍しているというほどでもない。広告代理店は所詮、“御用聞き業者”。クライアントが一番強い。ただ、結果的にメディアコントロールをしているようなところはあると思う。例えば、雑誌の編集部からすると、電通に仲のいい人がいると書き難い。次に会う時に嫌みを言われるのが嫌なのだろう。つまり、電通は取引先が多い分、その圧力が通じる。しかし、電通が恫喝できるのは、メディアや下請けの制作会社だけだ。若し今、取材を受けている貴誌の記事が電通の圧力で潰されたら、その証拠をインターネット上に曝して炎上させることもできる。或いは、電通の倣慢な社員の名前を出して、『こんなに酷い仕打ちをされた』とツイッターで書く下請け制作会社の社員が1人でも出たら、電通にクレームが殺到する状況は直ぐ作れる。一般の国民からすれば、電通なんて怖くない。寧ろ、インターネットのほうが強い」

――下請けに威張っているのか?
「電通の社員には、“世界一の広告会社”という自負がある。『自分たちが仕事をさせてやっている』という感覚。だから、スケジュールを変えるのは当たり前。私も電通の下請けの仕事をしたことがあるが、待ち合わせに電通の社員より遅れて着くと『チッ』と舌打ちされる。下請けに対して常に上位の立場を取り、服従させることで、いい仕事をさせる。『クライアントの為に俺たちの言うことを聞け』というスタンスが、高圧的な態度になる。一方、自分が電通に頼まれて講演に行った時は、物凄く丁寧に扱われた。結局、電通の威光はメディアや制作会社にしか効かない」

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――“広告=洗脳”と言う人も。
「洗脳したがっているのは、電通のクライアントのほうだ。電通は確かにダイナミックな広告を企画するが、それは、クライアントの言いたいことをわかり易く伝える為、頑張った結果でしかない。その意味では、電通は“きちんとした社畜”が揃った会社だ」

――インターネット上には電通陰謀論がある。
「インターネット掲示板の“2ちゃんねる”等では、今年の夏が暑かったり、冬に雪が多かったりするのも『電通のせいだ』と書き込む人も出かねない勢いだ。彼らに言いたいのは、『お前たちのほうが強いぞ』ということ。電通の社員は楽しいことが大好きで、高い広告料を払うクライアントに忠誠を誓うサラリーマンに過ぎない。そのクライアントよりも強いのが消費者だ。広告にとって一番怖い存在は、広告の視聴者。そうした広告の成り立ちを考えると、電通が広告で洗脳したり、陰謀を企てたりする理由が無い。電通は大嫌いだが、その点は擁護したい」


キャプチャ  2016年8月23日号掲載

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