【電通の正体】(07) 「電通が仕掛けた」は濡れ衣…『冬のソナタ』をNHKが購入した理由は「安いから」

20161007 01
インターネット掲示板や個人ブログで、「電通が韓国政府と手を組んで、日本に韓流ブームを巻き起こした」ことが通説として広がる。韓国ドラマを放映したNHKやフジテレビを「韓国に汚染された“反日”」と侮蔑することは日常茶飯事だ。日本での韓流ブームの火付け役として認知されているのは、韓国のテレビドラマ『冬のソナタ』(KBS)だ。韓国の人気俳優であるペ・ヨンジュンと人気女優のチェ・ジウ演じる韓国人カップルのラブストーリーは、2002年に韓国で放映された。日本ではNHKが2003年に衛星放送で流すと人気を呼び、2004年に地上波でも放映すると、“冬ソナ現象”と呼ばれる大ブームを引き起こした。ここまでは事実だが、元『博報堂』社員でウェブニュース編集者の中川淳一郎氏は、「そこからネトウヨ(ネット右翼の略)は、『韓国人の男が日本人よりハンサムということをすり込む為の策略だ』とか言い出した」と呆れ顔で話す。だが、NHKが冬ソナを放映したのは全くの偶然だ。元NHK職員の立花孝志氏は、「NHKの関連会社である“国際メディアコーポレーション(MICO)”(※2010年4月にNHKエンタープライズと統合)が買った複数の韓国ドラマの中に、偶然、冬ソナも含まれていただけだ」と明かす。当時の韓国は、1997年のアジア通貨危機が直撃し、経済は停滞していた。政府はK-POPとドラマを重要な輸出コンテンツと位置付け、海外展開に力を入れていた。日本に拠点を置く韓国の出先機関の人間は、中川氏に“韓国政府の陰謀論”を否定した。

ある読売系のメディア関係者は、「(韓国は)文化の普及の為に、格安でテレビ局にドラマを卸している。それで視聴率を深夜で2%取る。そこから日本テレビとテレビ東京が始めた」と説明したという。中川氏は、「ネトウヨの間で“反日的”な扱いのNHK・TBS・フジテレビ・テレビ朝日よりも、寧ろ愛国心が強いと日本テレビ・テレビ東京は位置付けられている」と指摘する。だが実際は、『BS日テレ』がNHKより早い2002年3月に、韓国ドラマ『秋の童話』(KBS)を放送した。更に、「ネトウヨの言う“反日”テレビ局が、電通と組んで国民を洗脳するなんてできる訳がない。電通は妙なモンスター扱いを受けている」と、電通伝説の1つを否定した。戦前の植民地統治を経て、日本人と韓国人の感情的な対立は事ある毎に火を噴いた。2002年の日韓サッカーW杯も、そのきっかけの1つだ。日本単独開催から韓国との共催に決まる過程は、日本側の戦略ミスがあったにせよ、「韓国側が強力なロビー活動で押し切った」との印象を生んだ。大会中の韓国チームのラフプレーや誤審多発も、日本人に不評だった。「日本のメディアが友好を前面に出した報道を繰り返すほど、韓国の悪いニュースが減る」と受け取った人が存在したのは事実だ。また、韓国が日本の映画・ドラマ・漫画等大衆文化の流入を制限していることも、“一方的な韓国ドラマ押し”と受け止められる要因となっている。「電通が韓流ブームを引き起こした」という都市伝説は、こうした両国間の摩擦を背景にしている。だが、電通がこの都市伝説を消し去ることができずにいる事実こそ、言われるほど電通に闇の力が無いことを証明しているのではないか。 (後藤逸郎・池田正史)


キャプチャ  2016年8月23日号掲載
スポンサーサイト

テーマ : テレビ・マスコミ・報道の問題
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR