【電通の正体】(08) 野茂人気でMLB放映権料を引き上げて海老沢会長に土下座した電通――元NHK職員・立花孝志氏インタビュー

『NHK』と『電通』は2004年、メジャーリーグ(MLB)放映権料を巡って水面下で攻防を繰り広げた。元NHK職員の立花孝志氏は当時、スポーツ報道センターで契約や支払い等の実務を担当し、交渉状況を知る立場にあった。放映権料を巡る両者の暗闘を立花氏が振り返る。 (聞き手/本誌 後藤逸郎・池田正史・大堀達也)

20161011 08

――何故、揉めたのか?
「NHKは従来、BS衛星放送の普及に向けて、アメリカの大リーグ、アイスホッケー、バスケットボール、アメリカンフットボール等5つの放映権を電通から買って放送していた。その後、多チャンネル化への備えもあって、NHKの関連会社“国際メディアコーポレーション(MICO)”が大リーグの放映権を直接購入しようという話になった。電通を介さなければ安く買える為だ。すると電通は、『大リーグとゴルフ、どちらか1つにしてくれ』と言ってきた。そこで、NHKは1998年頃、電通から大リーグの放映権を買って放送することにした。5~6年契約だったと思う。2003年にMLBとの契約が切れる為、電通は2004年の更新の際、従来の3倍の36億円でMLBから放映権を買った。そして電通は、事前に相談も無く、NHKに売り込んできた。当時は1995年の野茂英雄投手の大リーグ行き以降、日本人選手が相次いで渡米し、大リーグ人気も高まっていた頃だ。高視聴率が期待できる為、MLBと電通は足元を見てきたのだろう。これを聞いたNHKの海老沢勝二会長(当時)は、烈火の如く怒った。当時、NHKと電通の仲はとても悪かった。広告収入頼みの民放各局と、そのドンである電通は商業主義に走らざるを得ないが、NHKは公共放送として範を示すという使命感を持っていた為だ」

――どう決着したか?
「海老沢会長の怒りを聞きつけた電通のテレビ局長が海老沢会長の自宅を訪れ、土下座して謝罪した。海老沢会長は、『土下座している奴は何とかならないか』とボヤいていた。NHKも大リーグは中継したいから、放映権は従来の2倍の25億円で折り合った。電通にとっては赤字だが、転んでもただでは起きない。NHKが中継するMLBの映像のアジア向けバージョンに、スポンサーのバーチャル広告を入れる了解を取り付けた。実際には無いバックネットにスポンサーのバーチャル広告を入れる仕組みで、電通はその広告収入を得る。NHKには1銭も入らない」(※海老沢氏は本誌の電話取材に対し、「そんな頃のことは覚えていません」と答えた)

――電通もテレビ局も、下請けにキックバックを要求することがあるそうだが。
「下請けの番組制作会社に多めの予算で発注しておいて、飲食代や物品代を付け回すのが当然の世界。予算が余れば返してもらわなければならない為だ。余分に付けた予算を“贅肉”と呼んでいた」


キャプチャ  2016年8月23日号掲載
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