【人生で必要な英語は全て病院で学んだ】(16) “down to the wire”
メジャーリーグではスプリングキャンプが始まっていますが、昨年のワールドシリーズでは『ボストンレッドソックス』が優勝しました。レッドソックスと『ニューヨークヤンキース』は因縁のライバル。アメリカンリーグ東地区という同じ地区に所属し、どちらもお金持ちの球団で、高額な給料で優秀な選手を集めて競い合っています。熱狂的なヤンキースファンは『ヤンキースタジアム』の外野席にあるBleachersと言われる席に陣取って応援するので、“Bleacher creatures(Bleacherに生息する生き物)”と言われます。レッドソックスとの試合ではBleacher creaturesたちの興奮も一気に高まりますが、昨年のプレーオフでは田中選手が活躍した第2戦以外は全敗で、あっさり負けてしまいました。扨て、今週の表現は“down to the wire”。この表現は競馬からきていると言われます。昔の競馬ではゴール地点の真上に金属のワイヤーが張ってあり、どの馬の鼻先が先にワイヤーの下を通過するかで判定が下されたのだそうです。ですから、“down to the wire”は直訳すれば“ワイヤーに至るまで”ですが、“ワイヤーのあるゴール地点まで結果がわからない”から転じて“最後の最後まで”という意味になります。ビジネスでもよく使われる表現で、例えば、“We won't know the decision until the deadline. It will go down to the wire.(締め切り直前まで決断がどうなるかはわからないよ。ギリギリに決定されるだろう)”とか、“Both parties know that the negotiation will go down to the wire.(どちらの側も交渉がギリギリまで続くことはわかっている)”等です。
加藤友朗(かとう・ともあき) コロンビア大学医学部外科学教授。1963年、東京都生まれ。東京大学薬学部卒。兵庫県市立伊丹病院研修医やマイアミ大学医学部等を経て現職。著書に『赤ちゃんを救え!移植病棟24時』(集英社文庫)・『“NO”から始めない生き方 先端医療で働く外科医の発想』(ホーム社)等。
2019年2月28日付掲載
加藤友朗(かとう・ともあき) コロンビア大学医学部外科学教授。1963年、東京都生まれ。東京大学薬学部卒。兵庫県市立伊丹病院研修医やマイアミ大学医学部等を経て現職。著書に『赤ちゃんを救え!移植病棟24時』(集英社文庫)・『“NO”から始めない生き方 先端医療で働く外科医の発想』(ホーム社)等。

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