尖閣諸島“領有”に漁民を利用…中国が“臨検”、東・南シナ海と連動

沖縄県・尖閣諸島の周辺海域に数百隻の中国漁船が押し寄せ、漁船と共に中国の公船が日本の領海への侵入を繰り返してから約2ヵ月。福建省の漁港に戻った漁民や関係者の話から、主権・主張の為に漁民を利用する中国政府の“意図”が浮かび上がってきた。 (蒔田一彦)

20161013 10
福建省廈門市の中心部から北東に約60km離れた泉州の祥芝港は、活気に溢れていた。「漁期の始まる8月頃は毎年、集まって釣魚島(※尖閣諸島の中国名)に行く。今年は魚が多く、結構儲かった船も多かった」。漁から戻ったばかりの蔡と名乗る男性(53)は、強い福建訛りで語った。だが、豊かな漁場だけが漁民を引きつけている訳ではない。尖閣周辺まで行くには、1度の漁で10万元(約150万円)以上の燃料費がかかるという。複数の漁民は、「毎年夏に地元当局が船団を組織し、参加した漁船には“補助金”が支払われている」と証言した。ある漁業関係者は、「補助金が貰えなければ(尖閣沖には)行かない」と語った。夏季の漁解禁に合わせて、大量の船が尖閣周辺に現れるのは初めてではない。今年の動向に関係者が注目するのは、中国が東・南シナ海での領有権主張を強化する為の“法律戦”との連動が見られるからだ。中国共産党関係者によると、習近平国家主席は、7月の南シナ海を巡る仲裁裁判所判決の前後、「今、何もしなければ、将来はただ歴史の資料の山が残るだけだ。行動を取れば、争議のある状態が保たれる」と述べ、各部門に行動を起こすよう指示したという。この意向に基づき、最高人民法院(※日本の最高裁判所にあたる)は8月2日、「尖閣諸島周辺や南シナ海等は、中国の国内法が適用される“管轄海域”だ」という司法解釈を発表。その後、尖閣諸島付近の海域では、中国海警局の公船が漁船を“臨検”するような動きが確認された。日本政府関係者は、「管轄権が中国にあることをアピールする狙いがあるのではないか」とみている。漁船や公船に加え、日本側が懸念するのは民兵の存在だ。正規の戦力に位置付けられ、海上で活動する部隊は“海上民兵”と呼ばれる。専門の軍事訓練を受けて、銃等の武器も配備されている場合もある。福建省の漁民らは、「釣魚島の近くで民兵の船を見た」と口を揃えた。ある漁民(38)は、「民兵も漁船に乗っているが、漁場に着いても漁をしないので、どれが民兵の船かは直ぐにわかる」と話した。日本の海上保安庁関係者は、こう漏らした。「武装した民兵を含む数百隻・数千隻の漁船が大挙して領海に侵入した場合、海保だけで対応することは不可能だ」。


⦿読売新聞 2016年10月12日付掲載⦿
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