【アメリカ大統領選2016・異色の戦い】(上) 集金量の格差、2倍以上

メディアに“史上最低”とまで酷評された、アメリカ大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官(68)と共和党候補ドナルド・トランプ氏(70)による今月9日の第2回テレビ討論会。今回の大統領選が“フツウ”じゃないのは、討論だけではない。3回に亘り、選挙の異色ぶりに注目する。

20161018 05
「チケットのお代は3万3400ドル(約346万円)」「クリントンさんと夕食を共にして写真を撮るなら10万ドル(約1037万円)」――。日本政界の常識を遥かに超える政治パーティー。主催はクリントン陣営だ。『ニューヨークタイムズ』によると、8月下旬の2選間だけで22回開き、投資家・弁護士・映画スターらセレブから約5000万ドル(約51億円)をかき集めた。こうしたパーティー等を通じ、クリントン兵が民主党と共同で作っ資金管理団体『ヒラリービクトリーファンド(HVF)』は、先月21日までに1億4200万ドルを集めた。陣営が自ら集めた個人献金でも、200ドル以上とみられる大口献金が77%を占めた。一方、自身の豪華な私生活を誇ってきた“億万長者”のトランプ氏はどうか。「24時間以内の資金集め記録まで、あと100万ドル。記録突破に手を貸して!」。第1回討論会翌日の先月27日、トランプ陣営が次男・エリック氏名のメールで支持者に呼びかけた資金集めは、クリントン氏に比べれば慎ましかった。同日夜、フロリダ州で遊説したトランプ氏は、「少額献金者らにより、1日での最多献金を集めることできた。180万ドルだ。凄い額だろ」と胸を張った。トランプ陣営は、共和党の予備選段階では、大口献金に依存する他の候補者を攻撃し、自らを“唯一の自己資金による候補”と強調した。

指名獲得を確実にしてからは、インターネットを通じた献金集めを始め、200ドル未満とみられる小口の献金が65%を占めたという。「幅広い層から支持を受けている」とトランプ氏はアピール。だが、『ウォールストリートジャーナル』はこう暴露した。「“1800万ドルの内、インターネットを通じた献金は約3分の1、残りは100人超の大口献金者からのものだ」と。政治資金を監視する非営利団体『責任ある政治センター』(本部はワシントン)によると、先月21日までにクリントン陣営が資金管理団体と個人献金を通じて集めた総額は3億7300万ドル、トランプ陣営は1億6600万ドルで約2倍となる。寄付額に上限が無い『スーパーPAC(特別政治行動委員会)』と呼ばれる資金監理団体等による集金額でも、クリントン陣営はトランプ陣営の3倍以上となる。“金満”ぶりを反映し、クリントン陣営は広告費でもトランプ氏を圧倒。アメリカの広告調査会社によると、8月の1ヵ月間でテレビ広告に3200万ドルを使った。一方のトランプ陣営は、8月下旬までテレビ広告を流さないという前代未聞の挙に出たこともあり、500万ドルだった。ただ、数々の“暴言”でテレビニュースで引っ張りだこ、『ツイッター』等無料の宣伝手段も駆使して“露出”は確保できるトランプ氏だけに、「テレビ広告は費用ほどの効果は無い」との判断だったという。それにしても、大統領選の2大政党の候補の間で、資金にこれほどの違いが出るのは異例だ。ただ、カネの問題が“急所”であるという点では共通する。クリントン氏に集まる大口献金は「ウォール街の手先」だとする特権階級批判と結び付く。トランプ氏の意外に倹しい選挙関連の台所事情は、過去の事業失敗を理由に所得税免除を長年受けていたという“セコさ”を連想させる。来月8日の投票まで、両候補は互いにカネ問題を叩き合うことになる。


⦿読売新聞 2016年10月14日付掲載⦿
スポンサーサイト

テーマ : 国際ニュース
ジャンル : ニュース

轮廓

George Clooney

Author:George Clooney

最新文章
档案
分类
计数器
排名

FC2Blog Ranking

广告
搜索
RSS链接
链接
QR码
QR